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最終更新日:2024/06/19
AI・人工知能の技術が進歩したことにより、近年は多くの企業が業務にAIを導入するなどして、「商品・サービスの向上」や「業務効率化」につなげています。特にAIは大量のデータを分析し、予測することを得意としているため、そのような業務をすべてAIに置き換えている企業も決して少なくありません。
そんな、大量のデータを扱う現代だからこそ、データの異常を検出する技術にも注目が集まっています。扱うデータの量が増えていけば、当然その中に異常なデータが含まれる可能性も増していくからです。
今回は、そんな異常データの検出を行う「異常検知」について詳しく解説するとともに、製造業や物流といった業界における異常検知の活用事例をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
異常検知について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
異常検知とは?機械学習の手法や活用事例を紹介

異常検知とは、大量のデータから通常とは異なるもの(異常)を検出することをいいます。データマイニングを利用してデータセット中の他のデータと照らし合わせを行い、一致していないものを識別していくという仕組みです。そのため、異常検知における「異常」というのは、通常の動作として定義された概念に当てはまらないものことを指しています。
そんな異常検知ですが、用途によっては「故障検知」「不正使用検知」といった呼ばれ方をすることもあります。そのため、これらを別物として捉えてしまう方もいらっしゃいますが、これらはすべて「他の大量のデータとは異なる振る舞いをみせるデータを検出する技術」であることに変わりはないため、すべて同じものと捉えて問題ありません。
なお、最近の異常検知では、メールや文書、動画、画像、Webサイトのログといった「非構造化データ」が用いられるケースが多くなっています。そのため、実際のビジネスにおいて活用していくためには、データ分析に関する知識や経験が必要になるでしょう。

異常検知というものがどのような仕組みなのかお分かりいただけたかと思いますが、異常検知にはいくつかの種類が存在します。大きく分けると、以下の3種類の方法です。
これら3つの異常検知について、詳しくみていきましょう。
変化点検出とは、データの構造や性質などといった時系列データのパターンが急激に変化する部分を検出する方法のことです。例えばWebサイトにおいて、特定のワードでのアクセスが、ある時期を境に急激に増加するケースなどがあります。この場合のアクセスが急激に増加する「境目」を検知することができるのが、この変化点検出というわけです。
異常部位検出とは、不正行為や不審行為など、通常とは明らかに違う動きを検出するための方法です。例えば、我々人間の心拍数は一定のリズムであることが大半ですが、急激な心拍数の変化(異常部位)だけを検出したい場合などには、この方法が活用できます。
外れ値検出とは、データを記録する際に生じてしまった人為的なミスなど、全体から大きく外れているデータを検出する方法のことです。他の大半のデータとは値が大きく異なるため、機械学習によって過去のデータを積み重ねていくことで、より精度を高められるようになります。
異常検知の方法は複数存在するため、データや統計を用いながら、さらに細かく分類することも可能です。その一例として、ホテリング理論とk近傍法が挙げられるでしょう。
統計的な異常値を見つける場合に利用するのが、ホテリング理論です。ホテリング理論とは、示されたデータの値を計算した上で、「それが本当に異常値なのか」を導き出していく手法のことです。ただ、外れ値が多く存在している場合においては、ホテリング理論では「それが異常値なのかどうか」を判断することが難しい傾向にあります。
また、ホテリング理論では、正規分布を設定した上で計算を行っていくわけですが、正規分布の値が変化するような「時系列に沿ったもの」の場合、異常値を判断することはできません。
k近傍法とは、時系列に対するデータに対して距離を定め、その距離から「異常値なのかどうか」を判断するという方法です。一例として、k近傍法を利用して外れ値の検知を行う場合には、主に以下のような方法が主体となります。
1.時系列に基づくデータセットから、特定の範囲のデータを切り取る
2.異常値までの距離を計算し、その距離の近さによって「異常値かどうか」を判断する
k近傍法を利用する場合は、「どの距離にあるものが異常値に該当するのか」を定め、そのルールに沿って判断を行います。そのため、「どの部分からデータを取り出すのか」「異常値となるポイントはどこからか」といった点を学習するためにも、異常値の調整が欠かせません。
また、k近傍法を利用する場合には、時系列データを「訓練データ」と「テストデータ」の2つに分けて、異常であるかを判断していく方法もあります。特定の期間を定め、「時系列データ」と「訓練データ」それぞれの類似度を計算し、2つの平均数値を異常値と判断します。

異常検知システムを作成する際には、いくつかの機械学習モデルについて理解した上で取り組んでいくことが大切になります。それぞれの特徴を理解していなければ、異常検知のシステムに合ったモデルを選択していくことができないからです。まずは、機械学習モデルの種類についてみていきましょう。主な機械学習モデルは、以下の5つです。
それぞれの機械学習モデルについて、詳しくみていきましょう。

教師あり学習とは、「学習処理」「判定処理」という2つのプロセスに分かれているのが特徴の機械学習モデルです。大量の学習データに「正常」「不良」といった判定ラベルを付けることで、AIに学習させていきます。ただし、一度学習させただけで認識精度が完璧になるわけではありません。人間と同じように、繰り返しトレーニングをしていくことで認識の精度を高めていくというものです。
教師なし学習も、事前に学習を行うという点においては教師あり学習と一緒です。ただ、教師あり学習と大きく異なるのは、「正常・不良といったラベルを付けることなく、大量のデータを読み込んでいく」という点にあります。そして、大量のデータを読み込んでいくことによって、次第にAIが自律的に認識を行うようになるわけです。
半教師あり学習は、その言葉通り「一部のデータにだけラベルを付ける」という作業をすることで、ラベルなしのデータを生かしていく機械学習モデルです。アルゴリズムとしては、混合ガウスモデルやブーストラップ法といったものが存在します。基本的に、半教師あり学習のラベル付きデータだけでは疎かになってしまう部分が存在するわけですが、それをラベルなしのデータが補っていくことが可能です。
強化学習とは、AIが報酬の獲得を求めて能動的に学んでいく機械学習モデルです。その一例としては、試行錯誤を繰り返し、膨らんだ利益を獲得する方法などが挙げられるでしょう。そのため、株取引などの分野で活躍するケースが多い傾向にあり、異常検知ではあまり用いられることがありません。
生成AIの手法と無料ツールを紹介!ディープラーニング最前線” href=”https://aismiley.co.jp/ai_news/deep-learning-forefront/” target=”_blank” rel=”noopener”>生成モデルとは、既存のデータをもとにしてオブジェクトをつくることが特徴の学習モデルです。外れ値の検出を行うことができ、データをサンプリングできるという点が大きな特徴といえます。異常検知の分野でいうと、正常なデータのみを学習する必要があるケースにおいては重要な役割を果たす学習モデルといえるでしょう。
十分にデータが存在しない場合には教師なし学習を用いることになるわけですが、この教師なし学習にもいくつかの手法が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。それぞれどのような特徴を持った手法なのか、詳しくみていきましょう。
SVDDというのは、1クラス分類を目的とする場合の教師なし学習法です。学習する際に、少数派クラスのサンプルをほとんど得ることができないというケースにおいて有効な手法とされています。そのため、SVDDは異常の実例が少ないデータにおいてもうまく機能するのが特徴です。これは、2つのデータ間の類似度を表すカーネル関数を活用することで、正常な状態の領域をモデル化していくというものになります。
PCAは、「主成分分析」というデータ解析手法のうちのひとつです。データが持っている情報を可能な限り損なわないようにしつつ、そのデータの全体的な雰囲気を可視化していくことができます。このPCAによる異常検知は、まず正常な領域のデータを定め、その領域から外れるデータを異常として検知するという仕組みです。異常検知だけでなく、パターン認識などの場面に活用することもできます。
PRCAは、主成分分析というデータ解析手法のひとつであり、PCAにおける統計的基準に修正を加えたものです。特徴としては、他のデータとは大きく数値がかけ離れているようなデータにも対応することができるという点が挙げられるでしょう。そのため、異常検知や画像処理、行列圧縮といったものに活用されるケースが多くなっています。
では、実際に異常検知はどのような場面で活用されているのでしょうか。ここからは、さまざまな業界における異常検知の活用事例について詳しくみていきましょう。

株式会社Specteeと一般財団法人 日本気象協会、株式会社エヌ・シィ・ティは、2021年2月に、道路に設置されたNCTのカメラの映像をもとに、AIで道路の路面状態をリアルタイムに判別する実証実験を行いました。将来的には、リアルタイムに路面の凍結や積雪などの状態、また視程を自動判別することで道路の安全や防災に関わる事業者などに活用してもらい、地域住民への注意喚起や交通安全への貢献を目指していくそうです。
新潟県では、毎年のように雪による交通事故や交通渋滞などの道路雪害に見舞われています。最近でも昨年末から続く豪雪の影響で交通障害が発生し、交通機関に大幅な影響をもたらしました。そのような背景もあり、スペクティと日本気象協会では、2019年からカメラ映像に着目し、最新のAI技術を駆使した冬季の各種防災情報の取得とリアルタイム提供サービスの開発を共同で実施しています。
そして、この技術をもとに、スペクティと日本気象協会が共同開発したAIによる道路の「路面状態判別技術」と「視程判別技術」を新潟県内でNCTが保有する道路情報カメラに応用し、AI技術の利活用検討と精度検証を目的とした実証実験を行うことになったわけです。
これまで、道路の路面状態等については計測機器が設置されている地点の情報しか得られませんでした。しかし、広範囲に設置されたカメラの画像を用いてAIで判定することで、降雪や吹雪による視程や路面状態の面的な分布が得られるため、より網羅的な実況把握が可能になります。
スペクティと日本気象協会は、本実証実験により詳細な路面状態をAIでリアルタイムに把握することを可能にしています。新潟県のみならず全国に展開して道路管理者や自治体など、道路の安全や防災に関わる事業者での適切な安全管理、将来的な自動運転技術の推進に役立ててもらうことを目指しているそうです。

日立ソリューションズでは、画像認識AI(人工知能)技術を活用し、作業現場において作業員が入退場時に所持している物品の差異を自動でチェックできる「持込持出物品チェックAIソフトウェア」を2021年3月10日から販売開始しました。
この製品では、作業員が作業現場の入場時に持ち込んだ物品の画像を退場時に持ち出す物品の画像と比較することで、置き忘れや、余分な持ち出しなどのチェックを自動化できます。これにより、これまで1個ずつ目視でチェックしていた物品管理作業の自動化が可能になり、現場管理者の業務負担や作業員の入退場待ち時間を低減できます。
ハンマーやドライバー、レンチなどの一般的な工具の画像をすでに学習し、事前学習が不要なAIを活用しているため、企業は製品をすぐに利用できます。自社内の検証環境で行われた実証実験で46件の画像を比較した結果、物品の増減を正確に判定できたそうです。
本ソフトウェアの開発・販売に至った背景としては、建設業や運輸業、製造業などにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や、少子高齢化による作業員不足で業務における省力化、効率向上が急務になっていたことが大きな要因となったそうです。また、近年はAIを活用したデジタルトランスフォーメーションを推進し、生産性向上につなげる動きも広がっています。
さらに、建設や鉄道・飛行機などの点検・保守を行う作業現場では、作業員が持ち込んだ工具の置き忘れが重大な事故につながるケースも少なくありません。そのため、入退場時の物品管理作業が行われています。そこで日立ソリューションズは、これまで現場管理者が目視で行っていた入退場時の物品管理作業を、画像認識AI技術を活用して効率化できる本ソフトウェアの開発・販売に至ったというわけです。
日立ソリューションズが販売するソフトウェアでは、入退場時の画像を比較し、物品の増減を正確に判定することができます。どの物品が増減したかの特定も可能です。これにより、物品管理作業の精度向上と省力化を実現することができます。
また、作業員が使うハンマーやドライバー、レンチなどの一般的な工具を学習済みのAIを活用することで、パソコンにソフトウェアをインストールするだけですぐに利用できます。さらに、業種特有の物品を判定したい場合は、追加でAIに学習させることが可能です。
予兆検知システムが導入されているのは、製造業だけではありません。通信サービスやクラウドサービスなどを提供する企業でも予兆検知システムは導入され始めているのです。これらのサービスを提供する企業にとって、ネットワークは最も大切な根幹といっても過言ではないでしょう。
しかし、ネットワークを構成するすべての機械を人の手だけで管理するのは簡単ではありません。仮に人の手だけで管理を行えたとしても、従業員の負担が大きいため、業務効率化とは反するものになってしまうでしょう。一人ひとりの負担を軽減できなければ、離職率の増加などを招く可能性も高いため、決して理想的な方法とはいえないのです。
その点、予兆検知システムを導入すれば、未然に機械の故障などのトラブルを防ぐことが可能になります。実際に、予兆検知システムを導入することによって、これまで同業務にリソースを割いていた従業員が他の業務にリソースを避けるようになり、コストや時間の大幅な削減に成功している企業もあるそうです。
このような点を踏まえると、多くの業界で人材不足が深刻化している現代において、予兆検知システムの導入は極めて効果的なものといえるのではないでしょうか。

JR東日本では、2020年11月1日より、突風による事故を防止するためのレーダーにAIを導入することを発表しました。山形県内を走行するJR羽越本線では、ドップラーレーダーによる突風検知を行っており、これまでは突風が予想される日の運転を休止していたといいます。そのため、AIの活用によって突風予測の精度が高まれば、実際には突風が吹いていないにも関わらず運行を休止してしまうリスクを抑えられるのです。
JR羽越本線では、2005年に突風による脱線事故が発生し、5人が死亡しました。このような事故を防ぐために2017年12月から、突風の原因となる上空の渦を探知、追跡して、ドップラーレーダーによって渦の進路を予測するという対策を行っています。そして、その予測範囲に含まれる区間の列車の運行を中止にしていたわけです。
ただ、この方法では、渦の風速分布に乱れが多い場合ではなかなか渦を捉えることができなかったり、渦ではないものを渦として検知してしまったりするケースがあったといいます。そのため、「検知の精度向上」が大きな課題となっていたのです。
そこで、今回新たに「渦」と「渦ではないもの」の画像をAIに学習させ、本物の渦であるかどうかを判別するAIの学習済みモデルを構築しました。このモデルを活用し、ドップラーレーダーで観測したデータから渦をリアルタイムで探知することによって、検知精度が大幅に向上されることが期待されています。

キューピーでは、主にベビーフードに使われているダイスポテトの選別作業にAIを導入することで、不良品検知(異常検知)の精度を高めることに成功しています。同社では、2017年からベビーフードに使うダイスポテトの選別にAIを活用してきました。「安全な食材を利用すること」は、言うまでもなく、すべての食品を製造する上で必要不可欠なポイントといえますが、赤ちゃんが食べるベビーフードにはより一層注意を払う必要があります。そのため、AIが導入されるまでは、熟練の作業員が目を皿のようにして不良品を省いてきたそうです。
しかし、ダイスポテトの場合、小さな黒い斑点がついたような品質不良や、形が整っていないカット不良があるといいます。これらは、季節や土壌といった要素も大きく影響するため、「どれくらいの割合で不良品が出る」といった平均値を出すことはできなかったそうです。そのため、「いつ不良品が出るか分からない」というプレッシャーの中で、作業員がチェックを行わなければなりませんでした。
そこで、ダイスポテトの原料検査装置にAIを導入したところ、より高い精度で変色などの「不良品」を見つけることが可能になったといいます。具体的な仕組みとしては、教師なし学習によって100万個以上の「良品」のダイスポテトの画像をAIに学習させ、その「良品」に当てはまらないものを不良品と判定し、弾いていくというもの。データの分析を得意とするブレインパッドと共同で異常検知システムを開発することで、このAIによる選別作業が実現可能になったといいます。

AIが積極的に活用されているのは日本だけではありません。インドでは、過去10年で200頭以上のゾウが列車と衝突し、命を落としてしまっていることから、AIを活用した衝突事故防止を始めています。インドで活用されているのはAI搭載型の「スマート音響感知器」で、ゾウの足音を認識するとスマートフォン経由で情報が送信され、列車の運転士にリアルタイムで警告が届くというものです。
その具体的な仕組みとしては、音環境を記録するためのレコーダーとカメラを設置し、象の音と画像を識別していくというもの。ただ、衝突事故の大半は夜間に発生していたこともあり、当初はカメラの精度が足りていないという問題もあったそうです。そのため、音響感知を行う基地に熱センサーを装備させることにより、夜間の検知が可能になったといいます。
なお、このシステム全体の自律的な動作と持続性の確保を実現するため、2枚のソーラーパネルが活用されているそうです。そして、データはネットワーク状況に応じて3Gや4G、またはWi-Fiを利用してスマートフォン経由で送信されるという仕組みになっています。
私たち人間がより暮らしやすい環境を整えていく上でもAIは大きな役割を果たしていますが、「人と自然との調和」を実現するためにもAIが活用され始めているのです。今後は日本でも、さまざまな形で環境問題に貢献するAIが導入されていくかもしれません。

近年は自動車の危険運転や煽り運転などが問題視されていますが、より安全に運転するためのサポートとしてAIが活用され始めています。その一例として挙げられるのが、日本のスタートアップ企業「Pyrenee」が提供している「Pyrenee Drive」という外付け運転支援デバイスです。
この「Pyrenee Drive」は、自動車のダッシュボードに後付けするタイプの運転支援デバイスで、ステレオカメラによって「歩行者」「自転車」「道路上の自動車」「車線」といった情報を認識し、危険を察知すると音声で警告します。たとえば、右から自転車が飛び出してくるなどの危険な場面に直面した際は、音声で素早く「右から自転車が来ています!」と警告してくれるため、急な飛び出しへの反応を補完してくれるというわけです。
また、乗用車が赤、バスが青、トラックがオレンジ、といったように色を分けてグラフィカルに表示してくれるため、視覚的にも「注意すべき場所」を認識することができるのは大きな魅力といえるのではないでしょうか。
そもそも交通事故の大半は、ヒトの認識エラーが原因だとされています。「Pyrenee Drive」は、ヒトの認識をアシストすることを目的に開発されており、「ヒトの目」と「AI」のダブルチェックによって事故の防止を目指しているそうです。
近年は自動車業界全体で事故防止機能の普及が進められていますが、自動ブレーキ機能などは最新の自動車にしか搭載されていません。そのため、手軽に後付けできる運転支援デバイスであれば、事故防止機能が搭載されていない自動車の安全性も高めることができるわけです。より手軽に安全を確保できるという点でも、「Pyrenee Drive」には大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。

Amazonは2020年12月、機械学習を利用して、製造現場で使用されている機械の異常を事前に検知する「Amazon Monitron」というサービスを発表しました。産業界には、デジタル化・近代化されていない部分が数多く残っているといわれています。「Amazon Monitron」は、その部分に目を付けたサービスとして大きな注目を集めており、「このプロジェクトが成功すれば、Amazonがクラウドコンピューティング業界の支配者になる」といった声も挙がっているほどです。
製造業の現場では、ラインを支える機械が突然故障すると多大な損失が生まれてしまいます。そのため、多くの企業では複数のメンテナンス戦略を組み合わせることで、機械の状態を管理しているわけです。
また、機械をメンテナンスする方法の1つに、「機械の状態が一定のしきい値を越えるとメンテナンスを行う」という状態ベースのメンテナンス方法が存在します。つまり、必要なときだけメンテナンスを行うということです。この方法であれば、定期メンテナンスより回数を減らせるため、コスト削減にもつなげることが可能です。
この「状態ベースメンテナンス」を実現するには、障害発生や状態悪化といった異常を検知するためのセンサーを設置する必要があります。そのメンテナンスシステムの構築や展開は、決して簡単なものではありません。
ただし、Amazonが新たに展開を決定した「Amazon Monitron」であれば、このメンテナンスを支えるための仕組みがすでに構築されているため、より手軽にメンテナンスシステムを導入できるのです。
なお、「Amazon Monitron」の販売価格は715ドル(約7万5000円)となっており、機器に取り付けるセンサー5つと、センサーとBluetooth接続して使用するゲートウェイがセットになっています。

今回は、異常検知の仕組みや種類、実際の導入事例などを詳しくご紹介しました。さまざまな分野で異常検知が導入され始めていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
業務に必要不可欠な機械が異常を起こしてしまった場合、多大な損失を生んでしまう可能性があります。そのトラブルを未然に防ぐことができる異常検知には、極めて大きな価値があるのです。また、その異常検知によって、私たち人間への「事故リスク」を減少させたり、「業務負担」を軽減させたりすることができる点も、大きな魅力といえるでしょう。
ぜひこの機会に、さまざまな業界で導入され始めている異常検知について注目してみてはいかがでしょうか。
なお、以下のページでは、異常検知・予知保全のサービスを比較していただける無料の資料をお配りしておりますので、異常検知の導入をご検討の際はこちらも併せてご覧ください。
AIソリューションについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AIソリューションの種類と事例を一覧に比較・紹介!
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