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最終更新日:2024/04/08
外観検査を低コスト化 gLupe
生産現場での外観品質検査を自動化したい。そんな期待に応えてくれるのが株式会社システム計画研究所(以下、ISP)の「gLupe(ジー・ルーペ)」です。今回は、同社IVA事業ユニット事業マネージャーの井上忠治氏と、同事業ユニットプロジェクトリーダーの谷貝麻純氏にgLupeが誕生した経緯や、システムの特徴などを中心にお話を伺いました。
――まずは、ISPについて簡単に教えてください。1977年に設立された国内でも老舗のソフトウェア開発会社かと思いますが、最近はどのような事業を展開されているのでしょうか。
株式会社システム計画研究所/ISP
事業本部 第2セグメント IVA事業ユニット事業マネージャ
井上 忠治 氏
――井上氏
弊社は現在45期目を迎えました。事業内容としては医療、宇宙、制御、画像処理、通信・ネットワークの各分野におけるソフトウェアやシステムの設計開発に取り組んでいます。
ここ数年、特に引き合いが多いのがAI関連です。弊社はディープラーニングをはじめとした機械学習、統計分析、画像処理などの請け負い業務や、それらをお客様が実行するためのシステム開発などを手がけています。AIが活用できる分野が拡がり、建設業や製造業、ライフサイエンスなど様々な業界での導入が進んでいます。
そのため、弊社でもお客様が直面している個々の課題に対し、画像処理やロボティクス、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)などの技術要素をAIと組み合わせてご提案させていただく機会が増えています。そうした昨今の潮流のなかで、製造業のお客様から特に声が上がっていた「AIによる外観検査の自動化」に特化して開発されたソフトウェアがgLupeです。
――ありがとうございます。次にgLupeの特徴をお聞かせください。
――谷貝氏
gLupeの最大の特徴は、「不良品の画像が1枚あればAI学習ができる」という点に尽きます。さらに使い方が非常に簡単なので、仮に機械学習の知識や経験が浅い方でも操作していただくことが可能です。
見本となる不良品の画像が1枚あれば、すぐにモデルを作って検証することができ、自社での導入が可能か否かを判断できます。そのため、従来のAI外観品質検査と比較して導入までの工程がかなり短縮できるでしょう。
株式会社システム計画研究所/ISP
事業本部 第2セグメント IVA事業ユニットプロジェクトリーダ
谷貝 麻純 氏
――gLupeがリリースされたのは2016年の6月ですが、開発の背景を教えてください。
――井上氏
弊社がディープラーニングに取り組み始めたのは2014年頃でした。当時は、一部の機械学習に詳しい方々が「ディープラーニングという凄い手法があるらしい」と注目し始めていたくらいの時期でしたので、AIでさえも社会的にはほとんど認知されていなかった時期です。しかし、弊社ではシステム開発関連の展示会に出展していたことによって、最先端のニーズを察知できました。
さらに、様々な業界のお客様から「AIで外観検査をやりたい」というニーズをたくさんいただきました。詳しく聞いてみますと、多くのお客様が「画像処理ベースでは実現しているが自動化できない」「全て目視検査でやっていて負担が大きい」などの課題を抱えていることが分かりました。その課題を解決すべく、gLupeは開発されました。
――開発にあたって、特に注力された点を教えてください。
――井上氏
いくつかはありますが、やはり不良品の画像1枚(超少量データ)でもAI学習が可能という点です。当時にも似たような少量データでのAI学習をセールスポイントにしたソフトウェアは見られましたが、それでも数10枚から数100枚の画像データは必要でした。
しかし、gLupeは不良箇所となる傷や汚れなどが小さかったり、判別しにくかったりしても、とにかく不良品の画像1枚があれば、AI学習が可能であるという点にこだわりました。
その結果、自社でgLupeを導入可能か否かの検証をすぐに行うことができ、導入後は概念実証(以下、PoC)に費やしていた時間が大幅に短縮することができます。こうした優れたAIをご提供できるのは、自社開発であるからこその強みであると私たちは解釈しています。
――谷貝氏
gLupeの操作を簡単にする点も重視しました。AI学習を実行する際は、以下の手順で実行します。
ペンツールでの色塗りは丁寧に塗る必要はなくて、斜線を引くようにざっくりで構いません。
また、もし期待した結果ではない場合でも、色塗り(アノテーション)を繰り返すことによって、より精度の高いモデルを作っていくことができます。このように基本的な操作は非常に簡単かつシンプルです。
――動画も拝見しましたが、簡単な操作で学習できそうですね。他にもgLupeの特徴の一つとして、オンプレミス(以下、オンプレ)であることが挙げられますね。
――井上氏
なぜクラウドではなくオンプレなのかという疑問が生じるかもしれません。しかし、製造業の方であればご存知の通り、ネットワークを経由してクラウドに画像を送るとした場合、生産速度に追いつけないのです。
そのため、実際の生産ラインへの導入が可能なことを前提として開発するならば、生産ラインにおける距離や時間にも十分に間に合うことができるオンプレという選択になりました。
――gLupeは、HPのワークステーションにプリインストールされた状態で販売されています。HPワークステーションを採用した理由があればお聞かせください。
――井上氏
一言で申し上げますと信頼性です。処理能力やグラフィックス性能はもちろん、専用設計による安定性は群を抜いています。
様々な製造現場で導入されているgLupeですが、中には1分間に200個の食品を生産している工場などもあります。その工場では3台のカメラを使って、検査と不良品のピッキングをリアルタイムで行っています。これだけの速度になりますとクラウドでは処理が追いつかないのです。
そこで、弊社が以前からクロマキー合成の技術などでお付き合いがあり、処理能力を十分に把握していた日本HP製のワークステーションを使わせていただくことにしました。HPワークステーションは、ラインナップが充実していますので、お客様ごとに最適の機器をおすすめできます。
そして、gLupeとの相性の良さ、拡張性の高さ、そしてハードウェアメーカーならではのサポートが充実している点などが魅力です。
――gLupeを導入されるお客様はとても安心できますね。日本HPの新井様からもお話をお聞きできますでしょうか。
株式会社日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部
ワークステーション市場開発 ビジネスデベロップメント マネージャー 新井 信勝 氏
――新井氏
リリース当初のgLupeは、即導入という企業様よりもまずは評価をしたいというお客様のが多かったので、開発用の評価キットとしてワークステーションのなかでも HP Z2Miniという小型のワークステーションにインストールするというかたちで販売していただきました。
これによって評価が増え、瞬く間に導入されるようになっていったことを覚えています。製造業の現場に限りませんが、途中で止まってしまうようなことがあってはいけません。その点では、ワークステーションの安定性の高さがご評価していただけていることを自負しています。
また、ワークステーションは豊富なラインナップをご用意しています。実際の運用フェーズなどでは、HP Z4G4 Workstation や HP Z8G4 Workstationなどを要件に合わせてご選択してご使用いただいております。生産ラインのスピードや、カメラの台数が増えたりする場合でも柔軟にご対応いただいております。
かつ、ハイスピードカメラに接続するキャプチャーボードメーカ様とも協調して検証を行うなどしております。また、GPUやCPU、OSなどのロードマップ情報をお伝えし、いち早く、継続的に最適な構成を選択いただき、安心してお使いいただけるソリューションのご提供できるようにサポートさせていただいております。
提供:日本HP
――ありがとうございます。gLupeは、使用するワークステーションのスペックなどはどのような基準で選定されていますか。
――井上氏
HPワークステーションのスペックは、おおまかに3パターンをご用意しています。どのくらいの解像度で撮影したいのか、撮影ポイントとNG品の排出ポイントは物理的にどのくらい離れているか、さらには製品が流れる速度など、現場によって異なる条件に最適なハードをご提案します。
――導入フローについて教えてください。
――井上氏
gLupeに関心を持っていただいたら、まず弊社にご連絡していただく流れとなります。次に不良品の画像を送っていただき、弊社側で簡易検証を行います。NDA(機密保持契約)の締結が必要な場合は、NDAの締結から先に進めさせていただきます。
なお、簡易検証は実質的にPoCの代わりとなり、1~2週間あれば終了します。結果が出たら、この時点でお見積もりをご提示します。あとはお客様次第ですが、導入を決定していただければ弊社の専任スタッフが現地に納品に伺います。
gLupeはこれまで約40社、ライセンス数で170の導入事例があり、お客様によっては最初のご相談をいただいてから納品させていただくまでに約2ヶ月間というケースもありました。
ハードウェアの納期がいつになるか、生産現場に機器を設置するための十分なスペースがあるかといった部分がお客様によって異なりますが、意思決定のスピードに沿って最短の納期を調整させていただいております。
なお、簡易検証は無償でお引き受けしていますし、ご相談いただければ撮影スタッフも無償手配することも可能です。撮像した画像をその場でAI学習させて評価し、すぐに検証できます。

――谷貝氏
PoCは、開発キットを購入していただくという形でお客様の方でも行うことが可能です。その際には、ある程度で切り上げて、いちはやく現場で運用してみることをおすすめしています。PoCに時間を掛けるよりも現場でモニタリングしながら精度を上げていく方が、実用化までの時間が縮まります。
――導入にかかる予算の目途を教えてください。

――井上氏
予算は導入・運用までというお客様と、とりあえず検証用途で開発キットのみ購入というお客様によって変わります。開発キットのみの場合は68万円。本格的な導入ですと、ワークステーションとインラインで検査するためのソフトウェア、必要なライセンスなどを全部揃えて400万円~がご予算の目途となります。
他の製品と比較して導入しやすい価格帯になっているようで、「安い」というご評価をいただくお客様も多いです。また、問題が発生しても即時に対応できる自社開発のAIであること、国産製であることなどもお客様には喜ばれています。さらに導入後のサポートや、追加のPoCなどもご相談いただければ柔軟に対応いたします。なお、とりあえず検証用途として開発キットのみをご購入という場合は68万円(※)となります。
これまでAIを使ってみたかったけれど、何をしたらいいのかわからなかった。他のソフトを試してみたけれどうまくいかなかった。あるいは自力で挑戦したものの挫折してしまった。そういったお客様にはぜひお試しいただきたいです。
※2022年4月現在の税抜価格となり、将来的に価格が変更となる可能性もあります。
「Lupe(拡大鏡)」と「growing(成長)」という意味を込めて付けられた「gLupe」という名称。2016年にリリースされた製品は「成長」を続け、現在ではバージョン2.6まで改良が進んでいるといいます。インタビュー中、とくに印象的だったのは「画像1枚でAI学習が可能」という言葉でした。まずは無償の簡易検査を試してみてはいかがでしょうか。
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