AIに関わる海外企業の動向と活用事例を徹底調査
最終更新日:2024/02/22
AI・人工知能は世界中で大きな注目を集めており、今では多くの企業がAIを導入して業務効率化を図ったり、サービス向上につなげたりしています。日本でもAIを導入した企業の事例を耳にする機会が多くありますが、海外では具体的にどのような企業がAIを活用しているのでしょうか。
今回は海外企業の動向にフォーカスを当てて、「AIがどのような形で活用されているのか」をみていきましょう。
海外企業のAI活用事例1:Google:世界一多くのAI研究者が在籍
海外IT企業の最大手であるGoogleでは、2013年に買収したカナダのAI研究所「DNNresearch」を皮切りに、これまで計11社のAI関連企業を買収しています。また、論文の引用回数が5000回以上のAI研究者が83人在籍しており、これは世界の1割を占める数だそうです。このような点を踏まえると、まさしく世界一のAI関連企業といえるのではないでしょうか。
そんなGoogleの代表的なAIとしては、「AlphaGo(アルファ碁)」が挙げられるでしょう。「AlphaGo(アルファ碁)」は、Googleの子会社であるディープマインド社が開発した囲碁AIプログラムです。
2015年10月に、囲碁のAIとして初めて人間のプロ棋士を破ったことで大きな注目を集めました。そして2016年3月には、プロ棋士との5番勝負において4勝1敗という結果を収め、2017年5月には当時世界ランキング1位だったプロ棋士に3戦3勝という結果を収めたのです。
ここで特に注目すべきポイントは、「他のボードゲームと比べて囲碁は複雑な仕組みであること」でしょう。これまで囲碁は複雑であるという理由から、人工知能が人間に勝つことは難しいと考えられていたのです。
例えばチェスの場合、1997年の時点でIBMのコンピューターが世界チャンピオン(人間)に勝利しています。また、2010年には「あから2010」というコンピューター将棋が女流棋士に勝利しているわけです。しかし、その当時の囲碁AIはプロ相手に歯が立たず、アマチュア相手にやっと勝利できるかどうかという状況でした。そのため、「チェスや将棋では人間に勝てるが、囲碁では人間に勝てない」という認識が広まっていたのです。
そういった経緯を踏まえると、いかに「アルファ碁」が革新的なAIであるかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ちなみに、現在は「アルファ碁」の能力を凌駕する「アルファ碁ゼロ」というAIが存在しています。「アルファ碁ゼロ」も、Googleの子会社であるディープマインド社が開発したAIプログラムで、「アルファ碁」に100戦100勝という驚異的な成績を収めているのです。
特に驚くべき点は、わずか3日間の学習だけで「アルファ碁」に勝利してしまったことでしょう。「アルファ碁」は、2015年に初めてプロ棋士に勝利した後、2017年になるまで世界ランキング1位の棋士には勝利できませんでした。しかし、「アルファ碁ゼロ」は、その長期間の学習を続けてきた「アルファ碁」に、たった3日間の学習で勝利してしまったのです。
こういった点からも、近年のAIが驚異的な学習能力を持っていることが伺えます。
海外企業のAI活用事例2:Amazon:音声認識の分野でトップに君臨
Googleと同じく海外企業の最大手であるAmazonでは、学生や研究者がチームを組んで「物流の自動化ロボット制作」を競い合う大会を開催しており、「多くの人材がAIに関われる場所」を提供する存在として、AI業界に貢献しています。もともとは「アマゾン・ピッキング・チャレンジ」という名称でしたが、現在は「アマゾン・ロボティクス・チャレンジ」という名称に変更されました。
そんなAmazonの代表的なAIとしては、やはりAI音声アシスタントの「Alexa」が挙げられるでしょう。「Alexa」は、Amazonが販売しているスマートスピーカー「Amazon Echo」に搭載されているAIアシスタントで、話しかけるだけでさまざまなことができます。
現在は数多くのスマートスピーカーが存在していますが、「Amazon Echo」は海外で2014年から販売されており、世界的に見ると現在でも圧倒的なシェアを占めているのです。まさに先駆け的な存在といっても過言ではないでしょう。
「Amazon Echo」の代表的な機能としては、音楽配信サービスによる音楽再生が挙げられるでしょう。先ほどもご紹介した通り、AIアシスタントの「Alexa」が搭載されているため、話しかけるだけで好きな曲を聴いたり、プレイリストを再生したりすることができるのです。「Apple MUSIC」「AWA」「Spotify」「Amazon Music Unlimited」といったさまざまな音楽配信サービスにも対応しているため、国内外の楽曲を楽しめるのも魅力のひとつです。
また、Amazonが提供している動画ストリーミング再生機器「Fire TV」と連携すれば、プライムビデオの再生などを音声で操作していくこともできます。「Alexa、ウォーキングデッドを再生して」といったように話しかけるだけで、好きな動画を再生できるというわけです。
なお、「Fire TV」は一応NetflixやHuluなどの動画サービスにも対応していますが、現段階ではアプリ起動までしか行えません。そのため、動画の再生まで音声で操作することはできないわけですが、今後は対応していく可能性もあるため期待が集まっています。
そして、Amazonで販売されている電子書籍「Kindle(キンドル)」と、ボイスブックサービス「Audbile(オーディブル)」であれば、「Amazon Echo」に読み上げてもらえるという点も大きな魅力のひとつでしょう。
日常生活において、家事や子守などをしていて手が離せないという場面は決して少なくありません。そのような場面でも、本を読み上げてもらうことで読書を進められるのです。「Alexa、(作品名)を読んで」と話しかけるだけで本を読み上げてくれるわけですから、家事や子育てなどで手を離せない人にとっては大きなメリットのある機能といえるのではないでしょうか。
多くの企業がAIを導入する時代へ
今回は、海外企業のAI活用事例について詳しくご紹介しました。我々日本人にも馴染みのある有名な企業の多くはすでにAIを導入しており、サービスにおいて重要な役割を担っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
日本においてもAIの導入が進みつつある状況ですが、今後はさらにAI活用の流れが加速していくことが予測されます。その際に、しっかりとAIを活用していくためにも、AIに関する知識を養っていくことが大切になるでしょう。ぜひこの機会に、国内外でのAI活用事例に目を向け、変わりゆく社会への対策を始めてみてはいかがでしょうか。
(参照:複利のチカラで億り人 人工知能の市場規模は圧倒的速度で拡大する!米国株のAI銘柄40選)
(参照:【テックジム】Python・AI・DApps:先端プログラミング技塾 注目のAI企業・AIベンチャーまとめ89選【国内・海外別】。IT大手のディープラーニングの最新動向。)
(参照:TECH::NOTE 囲碁の最強人工知能 AlphaGo(アルファ碁)の仕組みとは?)
(参照:日本経済新聞 AIがチェス王者に勝利(1997年) 1秒間に2億手演算(写真=ロイター))
(参照:マイナビニュース プロ棋士vsコンピューター – 「あから2010」の威力を目撃してきた (1) 歴史的な対局が行われた)
(参照:Amazon Alexaとできること)
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