効率化を加速!専門家を必要としないAIモデル作成ツールの特徴
最終更新日:2024/04/04
社内に「AIに関する専門知識を持つ担当者」がいない場合、AIの活用によって生産性の向上を高めるのは非常に難しいでしょう。しかし近年は、専門家が不要なAIモデル作成ツールを提供する企業も増えてきており、AIがより身近になりつつあります。今回は、専門知識を持たずにAIモデル作成ができるツールの特徴やメリットについてまとめました。
AIとディープラーニングの違い
AIモデル作成ツールの特徴について理解する上では、まず「AI」と「ディープラーニング」について理解しておく必要があります。AIは「人工知能」のことを指し、ディープラーニングは「深層学習」のことを指すのですが、これら2つの意味は一緒ではありません。AIは「人間の知能を人工的に模倣するための概念」を指しますが、ディープラーニングはそれを支えるための手法のひとつなのです。AIモデルは、過去のデータをもとに将来の予測を導き出していくものですので、データをもとに自動で学習していくディープラーニングが必要不可欠になります。
(参照:OPTiM Cloud IoT OS AI(人工知能)とDeep Learning(深層学習)を簡単に説明)
さまざまな業界で導入されるAIモデル作成
冒頭でもご紹介したように、最近では最適なAIモデルの作成・提供を行う企業も多くなってきています。たとえば、SCSK株式会社で提供しているAIモデル作成サービス「SNN(SCSK Neural Network toolkit)」では、さまざまなベースモデルを用意しており、それぞれの業界での課題解決を支援しています。その具体的な事例として、以下のような業務・業界での導入状況があります。
作業の可視化
作業する人間の動きをデータとして取得し、そのデータをスコア化します。そのスコアを時系列解析することで、動作の違いが可視化できるようになります。これにより、技術の継承への貢献が期待できます。
事故の検知
ドライブレコーダーを活用した画像解析をしたり、衝撃センサーの時系列データを解析したりします。これらの解析をすることによって、科学的な交通事故の分析ができるようになります。こうした分析が、安全運転のサポートへとつながっていきます。
作物の収穫時期予測
農園に設置されたカメラから画像情報を取得し、可視光線以外の光の分析をします。このような分析は、作物の収穫時期の予測をしたり、病害が発生した場所の検出をしたりするためには必要なことです。
店舗内の動作解析
監視カメラから画像を取得して、解析を行います。位置分布や導線・経路、稼働率などを解析することで、店舗内の設計を改善したり、待ち時間の観測をしたりすることができます。
(参照:SCSK株式会社 SCSK Neural Network toolkit AIモデル構築サービス)
AI(人工知能)モデルの作成方法
ここからは、AIモデル作成の具体的な方法についてみていきましょう。先ほどもご紹介したように、最近ではさまざまな企業がAIモデル作成サービスを提供しており、そこにはベースモデルが用意されているため、1からすべてを作成する必要はなくなりました。しかし、AIモデルが作成される過程についても理解しておくことで、より深くAIを理解することができるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
基本的にAIの作成手順は、以下の3つのステップに分けることができます。
1.学習に必要となるデータを収集する
2.学習済みモデルを作成する
3.プログラミングを使ってサービスに組み込む
それぞれのステップで行われる作業について、より詳しくみていきましょう。
1.学習に必要となるデータを収集する
AIをより賢くするためには、機械学習が行えるようにしなければなりません。そしてその機械学習を行うためには、大量のデータが必要になります。最近は多くの企業でビッグデータが重要視されており、ビッグデータの収集に巨額の資金を投入しているケースも多いのですが、それは機械学習に利用することが目的のひとつでもあるのです。
ただ、「このくらいのデータがあれば十分」といった明確な基準が存在するわけではありません。人工知能によって「必要なデータ量」は異なるからです。また、データが多くなければAIが作れないというわけでもありません。AIは、運用後に蓄積されるデータを用いて学習していくこともできるため、データ量が少なくても始めること自体は可能なのです。
そのため、データの集め方としては、既に社内に蓄積されたデータを利用するのが一般的になるでしょう。もちろん、どのようなAIを作成するのかによって収集すべきデータは異なりますので、画像データを収集する必要がある場合には、蓄積されている画像はもちろんのこと、動画から画像データを抽出するという方法も存在します。
2.学習済みモデルを作成する
続いて、機械済みモデルを作成していくわけですが、機械学習させるためのツールはすでに数多く開発されています。中にはプログラミングを書く必要がないツールも存在するため、専門知識を持つ担当者がいない場合には、プログラミングを書く必要がないツールを活用していくと良いでしょう。
また、AIをより適切に活用していくためのセミナーを開催している企業なども存在するため、そのセミナーに参加して知識を得るのもひとつの手段として有効かもしれません。
3.プログラミングを使ってサービスに組み込む
機械学習が完了したAIを実際に利用するためには、AIをサービスに組み込んでいく必要があります。そのためにはプログラミングが必要になりますので、専門知識を持つ担当者がいない場合には外部へ依頼する必要があるでしょう。
もちろん、導入のためにプログラミングを学ぶのも一つの手段ですので、先ほどご紹介したようなセミナーに参加するなどして、知識を養っていくのも良いかもしれません。
未来予測の精度を高めて業績を上向きに
AIモデル作成をするためには、最低限の学習データが必要となります。先ほどもご紹介したように、ディープラーニングは過去のデータをもとに学習していくものだからです。ただし、近年はさまざまな業界・業務でAIが活用されている状況ですので、学習データが少ないという状況も少なくなりつつあります。AIモデル作成サービスにおいても、画像認識やセンサーデータ解析といったベースモデルが複数準備されており、そこに社内のデータやノウハウを追加学習させる仕組みが用意されているケースが多いです。したがって、専門家を抱えていない企業でも手軽にAIモデルを作成できるようになりつつあります。
もちろん、AIはまだ発展途上ですので、人間のスキル以上のものを発揮できるとは限りません。しかし、AIモデル作成を有効活用していけば、より効率的に成果をあげることができるでしょう。AIによって人手不足を補うという流れが主流になりつつある現代においては、AIモデル作成サービスの利用を検討してみる価値があるかもしれません。
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