生成AI

最終更新日:2026/01/21
Oracle AI 選手権 開催
本記事は、日本オラクル株式会社とのタイアップ企画(PR)です。
日本オラクル株式会社は、2025年11月26日、「Oracle AI選手権」を開催しました。本イベントは「Oracle AIでこんなことが出来る!」をテーマに、日本オラクルのパートナー企業が「Oracle AIの製品群でこんなことをやってみた!!」を自由にプレゼンするイベントです。
パートナー企業として、株式会社Cloudii、日本電気株式会社(NEC)、株式会社クロスキャット、株式会社第一コンピュータリソース、株式会社AI Shiftの5社が登壇。Oracle AIを活用した事例について15分のプレゼンテーションを行い、最後にはイベント参加者の投票によってベストプレゼン賞が決定されました。
「AIを活用した業務効率化を図りたい」、「AIでどんな企業課題が解決されるのか知りたい!」など、今AIを検討されている企業にとってヒントになるような情報が数多く紹介された、熱気あるイベントになりました。

株式会社Cloudii クラウドインテグレーション事業部 クラウドエンジニアリーダー 佐々木 健成氏
「Oracle AI選手権」、一番手を務めたのは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を中心に最先端のクラウドソリューションを展開する株式会社Cloudiiです。登壇した株式会社Cloudii クラウドインテグレーション事業部 クラウドエンジニアリーダーの佐々木 健成氏は、本イベントのために構築した生成AIアプリ「OCI仙人」について発表を行いました。

「OCI仙人」は、OCIに関するあらゆる情報に精通しており、大きく二つの権能を持っています。一つ目は、OCIや他社のクラウドサービス情報を学習したチャットボットがコストの疑問に答えてくれる「インフラコスト比較能力」。

そして二つ目が、今回のプレゼンテーションの主軸となった「OCI最新情報(RSSフィード)検索機能」です。これはAI Vector Search(ベクトル検索)やSelect AIを搭載し、ユーザーの問いかけに対して関連するOCIの最新記事URLを提示する検索エンジンです。
開発にあたっては会社全体からテーマを公募し、集まった25件のアイデアの中から有志による投票でこの機能の実装が決定しました。データの取り扱い方針を固めた後、実装フェーズでは「OCIの技術のみで完結させる」というこだわりのもと、OCIチュートリアルや日本オラクルの技術記事を参考に開発が進められました。

技術ベースにはローコード開発プラットフォームであるOracle APEX(APEX)を採用しています。さらに当初、ベクトル検索の部分に関してはゼロから構築する予定でしたが、APEX内に用意されているサンプルアプリを活用したことで微調整だけで実装でき、開発期間を大幅に短縮しています。
また、自然言語でデータベースを操作できるSelect AI機能については、APEXから直接呼び出す構成としました。ここでは、プロンプトを細かく作り込まなくても、比較的粗い指示でも意図通りのデータ抽出が実行できることが確認できたといいます。

デモ映像では、実際にSelect AIとベクトル検索が連携し、OCI仙人がスムーズに最新情報を検索する様子が披露されました。佐々木氏は、今後は新たなデータソースの発見や取得に関してもLLMを活用していきたいと展望を語り、プレゼンテーションを終えました。

日本電気株式会社 プラットフォーム・テクノロジーサービス事業部門 データ基盤サービス統括部 岩本 裕司氏
続いて日本電気株式会社 プラットフォーム・テクノロジーサービス事業部門 データ基盤サービス統括部 岩本 裕司氏から、問い合わせ対応に対してオラクルの生成AIを活用した事例についてプレゼンが行われました。

NECのOracle製品サポート窓口である「NEORC」では、人手不足や要員入れ替えが多く、業務の効率化が必須となっていました。問い合わせ業務の中でも過去事例の検索や調査の時間、回答案の作成に手間がかかっており、「過去の問い合わせ履歴を基に生成AIで回答を自動生成できないか」という発想から今回の挑戦は始まりました。
今回構築されたシステムは、データ前準備と回答生成の2つのコンポーネントで構成されています。サポート履歴には、質問と回答以外にも調査ログや追加質問など様々な情報が混在しているため、OCI Generative AI Serviceを活用して、これらの中から純粋なQAを抽出・整形しました。抽出後はベクトル化を行い、Oracle AI Database 26aiに格納しています。回答生成に関しては、RAG技術を活用し、新規の問い合わせに関連する過去のQAを検索、それを元にLLMが回答案を作成する仕組みです。

岩本氏は、開発を通じて得た活用のコツとして、リレーショナルデータのフル活用を挙げました。検索対象を絞り込むことで、回答の精度と検索速度を向上させています。そのほかにも今回の開発を通じてここでは語りきれないほどの様々なナレッジが蓄積したと話しました。

デモ映像では、入力された質問文をAIが検索しやすい表現に自動変換するオプション機能が紹介され、経験の浅い担当者でも精度の高い検索結果を得られる工夫が写し出されました。生成された回答案と併せて、根拠となる過去の類似事例や公式ドキュメントへのリンクも画面上に提示されるため、担当者は情報の正確性を即座に確認しながら効率的に回答を作成できます。

このシステムを用いたPoCの結果、最終的に人が内容をチェック・修正する工程を含めたとしても、全体で約20%の工数削減が見込めるといいます。現在は実用化に向けた最終調整が進んでおり、12月上旬にはNEC社内で本番運用が開始される予定です。

今後は、回答作成の前段階にある契約状況の確認など、周辺業務にもAIによる自動化の範囲を広げていく構想です。また、データの増加に伴う回答品質の変化を自動的に評価する仕組みを取り入れるなど、運用面での効率化もあわせて推進していきたいと展望を述べました。

株式会社クロスキャット DX推進室 チーフフェロー 岩本 禎史氏
株式会社クロスキャット DX推進室 チーフフェローの岩本 禎史氏は、超優秀!勤怠管理と生成AIエージェントをつないでみたら「しごでき」な秘書になった!というテーマで登壇しました。

岩本氏はまず、OCIの生成AIエージェントには、RAG、SQL、カスタムツール、Agent to Agentという4つの機能があると紹介。その中で今回活用したのは、ファンクションコールにあたるカスタムツールです。ファンクションコールにはエージェント自身が実行する形式もありますが、API実行のみに限定されるため、今回はより柔軟な処理が可能なクライアント実行に焦点を当てたと語りました。

このクライアント実行の流れは、ユーザー、生成AIエージェント、そしてチャットアプリの三者間のやり取りで成立します。例えばユーザーが「データベースの一覧を表示してください」と投げかけると、AIは事前に登録されたツールの中から最適なものを選択します。しかし、AIが直接データベースを見に行くのではなく、「この関数を実行してください」という指示(JSONデータ)を一度チャットアプリ側に返却するのが特徴です。

実装の詳しい挙動については、どのような関数が必要かを設定する「ツールの定義」、ユーザーの意図を汲み取る「エージェントによる判断」、実行すべき関数名や引数を含む「JSON形式での出力」、アプリ側での「関数実行」、そして結果を「エージェントに戻す」、最終回答を「クライアントに返す」という順序で処理が進むと解説しました。

デモでは、同社が提供するLLMとRAGを使用したSaaS型AIチャットサービス「CChat」を今回のために改造し、OCI SDKおよびAPIを通じて勤怠管理システム「CC-BizMate」と連携させたシステムが披露されました。

チャットで「私の10月の残業時間は何時間ですか?」と尋ねると、AIはその裏側で、ユーザーには見えない「あなたは優秀なAIエージェントです」といった役割定義のプロンプトと共に、社員番号や対象期間などの個人情報をパラメータとして抽出して関数を呼び出し、システムから得た数値を元に自然な日本語で回答する様子が実演されました。
岩本氏は開発における苦労した点として、「ツールのパラメータ定義における説明の書き方」を挙げました。システム側が求める形式に合わせてAIが正しくデータを渡せるよう、定義段階で詳細に記述する必要があり、AIに対する細やかな「心遣い」が求められると締めくくりました。

株式会社第一コンピュータリソース インフラソリューション部 ORACLEソリューションG マネージャー 西尾 孝之氏
次に登壇したのは、株式会社第一コンピュータリソース インフラソリューション部 ORACLEソリューションG マネージャー 西尾 孝之氏、AWSやシステム開発などを担当する中日本CC第二事業部2G 平田氏、馬場氏、伊藤氏のチームです。

中日本CC第二事業部2G 平田氏、馬場氏、伊藤氏
西尾氏は業務の中で主にOracle製品を担当しておりますが、西尾氏以外のメンバーはAWSやシステム開発をメインに担当しており、Oracle Cloudに初めて触れるメンバーもいるとのこと。そんな中、今回は業務領域が異なる4人のマルチクラウドエンジニア体制で、「SELECT ポジティブ社員 FROM Oracle AI Database 26ai」というテーマを掲げ、AIで社内のポジティブな社員を見つけ出すことに挑戦しました。

そちらを実現するにあたって、普段アウトプットにのみ着目されがちなAIを今回はデータインプットの領域で活用しています。AIの活用には高品質なデータが欠かせません。画像の読み取りに関しては、画像からテキストや表など様々な形式のデータを抽出できるDocument Understandingを使用して情報の取得精度を向上させました。

音声に関してはOCI Speechを活用しています。OCI Speechの特徴として話者判別ができることが挙げられます。似たようなことが出来るサービスは数多くありますが、それは個別のID、マイクごとに誰が発言したかを判別しています。しかし、OCI Speechでは、一つの音声データ、同じマイクで話していたとしても話者を判別し、記録できる点が大きな強みです。

続いてセンチメント分析では、文字や文章からポジティブなことを言っているか、ネガティブなことを言っているかを分析して数値化し、その度合いを測定します。例えば「おいしい」ならポジティブ、「まずい」や「不具合」であればネガティブといったように、文章や単語から感情を分析・可視化することが今回のシステムの肝となります。

デモでは伊藤氏から、OCIの感情分析機能を活用してAPEXで作成した2つのアプリケーションによる週次報告の分析結果が披露されました。1つ目は「感情タイムラインビュー」です。時系列ごとに感情の波がグラフや折れ線で表示され、その社員がポジティブな発言が多いか、あるいはネガティブな発言が増えているかといった状態を視覚的に把握するのに役立ちます。
2つ目は「ワードクラウド」です。頻出する言葉ほど大きく表示させることで、パッと見で傾向がわかる画面を実現しています。デモ画面では、ネガティブワードである「不具合」という単語が大きく表示されている様子が紹介されました。

アプリケーションの実装においては、日本語データの分析精度を最大化するための工夫が凝らされています。OCI LanguageのAPIによる分析に加え、より精緻な結果を得るために、一度英語へ変換するアプローチを採用しました。その際、OCIと連携する生成AIサービスCohereを活用して、文脈や感情のニュアンスを強調した自然な表現に変換してから分析にかけることで、センチメント分析の品質を飛躍的に向上させることに成功しました。

西尾氏はプレゼンの締めくくりとして、今回使用した技術を組み合わせ、小売店のお客様の声センチメント分析システムや、ポジティブランキングなど傾向の可視化に利用できるのではないかと、活用の可能性を示唆しました。

株式会社AI Shift 執行役員 CTO 青野 健利氏
「Oracle AI選手権」の最後を締めくくったのは、株式会社AI Shiftです。「Autonomous AI Databaseだけで作る開発チームの障害対応負荷を軽減するAI Agent」というテーマで、株式会社AI Shift 執行役員 CTOの青野 健利氏が登壇しました。今回のテーマの背景として、親会社であるサイバーエージェントでは各事業でAIを中心とした事業モデルへの転換が進んでおり、その中でシステム障害が発生した際の対応に手間がかかっているという課題がありました。

そこで青野氏は、これらの業務をAutonomous AI Database(ADB)上のAIエージェントで自動化できないかと考え、今回の開発に着手しました。このシステムの最大の特徴は、Slackとの連携部分を除き、主要な処理をすべてOracle AI Database 26aiの機能だけで完結させている点です。通常は外部のアプリケーションサーバーで行う処理を、MLE(Multilingual Engine)for JavaScriptや、AI開発を支援するパッケージDBMS_CLOUD_AIを使用し、実装しています。
システムは役割の異なる複数のエージェントで構成されています。まず要約エージェントが、障害発生時にSlackのスレッドで行われたやり取りを読み込み、発生理由や技術的な詳細情報、日時などを自動で要約・抽出します。次にDB更新エージェントが、要約された内容を基に障害まとめテーブルへ自動的に情報を書き込みます。そして最後にOutputエージェントがすべての情報を整理し、レポートとして出力する仕組みです。

デモ映像では、Slack上で「障害対応」と呼びかけるだけでエージェントが自律的に起動します。会話ログの解析から技術仕様の参照、データベースへの格納までを次々と実行していく様子や、チャットで「類似事例を調べて」と指示するだけで、過去の膨大なログから関連するトラブル事例が瞬時にピックアップされました。この類似事例の検索にはAI Vector Searchが活用されており、単なるキーワード一致ではなく、文脈の類似性から解決のヒントを即座に提示することが可能です。

青野氏は、AIエージェントをADBのみで作成することは十分可能だったと手応えを口にします。外部アプリケーションサーバーを立てずとも高度な処理が実現でき、外部のエージェントからADBを呼び出す構成にすることで、データ処理の責務をデータベース側に分離できる点は非常に優れていると評価し、プレゼンテーションを締めくくりました。
各企業の発表が終わった後、イベント参加者たちによる投票によりベストプレゼン賞が決定しました。

栄えあるベストプレゼン賞に輝いたのは、株式会社第一コンピュータリソースです。表彰楯が贈呈され、登壇した4名からは以下のコメントが寄せられました。
――西尾氏
私は今回指示をするだけで、実際の開発に関しては他のメンバーがアプリケーション作成を頑張ってくれました。そのおかげで今回、賞を取ることができました。本日はありがとうございます。
――馬場氏
このイベントを機にOCIを初めて使用し、私自身とても勉強になりました。今回の経験を実際の業務にも生かしていけたらと思います。このような賞をいただき本当にありがとうございます。
――伊藤氏
今回OCIやAPEXを初めて利用しましたが、こんなに簡単にAIアプリを作れるのかという発見がありました。今後、業務に活用するだけでなく、自分の経験としても深く学んでいけたらと思います。
――平田氏
今まではAWSを推してきましたが、今回初めてOCIを使用したところ素晴らしく、食わず嫌いだったなと。これからもAWSといい意味で積極的に比較しながら、OCIをお客様にも提案したいと思います。
こうして終了した「Oracle AI選手権」、どの企業のプレゼンテーションも非常に魅力的な内容で、Oracle AIの活用に関してヒントになるような事例が数多く紹介されました。
5社の発表は、Oracle AIが特定の用途に限らず、あらゆるビジネスシーンで応用可能であることを示しています。今回の「Oracle AI選手権」は、最新の技術情報検索から、開発チームの負荷軽減まで、Oracle AIがもたらす可能性の幅広さが体感できるようなイベントでした。
コスト計算、問い合わせ対応の効率化、バックオフィス業務の支援、チームの生産性向上、そして社員の感情分析に至るまで、その可能性は無限大です。「Oracle AIを導入したい」「自社ならどんなことができるか」など、未来の展望を含めて、ぜひ一度日本オラクルへ相談してみてはいかがでしょうか。
参考:https://www.oracle.com/jp/artificial-intelligence/
参考:https://www.oracle.com/jp/autonomous-database/
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