文章校正に使えるAIとは？おすすめツールを詳しく解説

最終更新日:2025/12/05

文章校正に使えるAIとは？

仕事でSEO記事作成やSNS更新を行っているため、文章校正の手間をできるだけ減らして業務の効率化を進めたいけれど、何か役立つAIはないか探している人はいませんか？

アメリカ国務省では言語の難易度を、英語を母語とする人にとって習得が易しい順にカテゴリー1から5の5段階でクラス分けをしましたが、日本語はカテゴリー5で一番難易度の高い言語と位置づけられました。

このことから、日本語の誤字脱字や文法ミスを防ぐのはとても難しいことだと言えるでしょう。

この記事では、難易度の高い日本語の文章校正に使えるおすすめのAIについて詳しく解説します。

文章校正に使えるAIとは？

文章校正に使えるAIは、大きく分けると「ChatGPTのような汎用的な対話型AI」と「文章校正に特化したAI校正ツール」に分類できます。本記事では整理のために、次の2つのカテゴリで解説します。

ChatGPTをはじめ、GPT-5やGemini3のようなAIモデルは、ユーザーと会話しながら文章校正・構成改善・要約・書き換え・流れの整理などを幅広くサポートできます。

その一方で、毎回プロンプトで「何をしてほしいか」「どのようなトーンにしたいか」といった指示を与える必要があるため、指示の出し方によって仕上がりが変わりやすく、ある程度プロンプト設計のコツも求められます。

これに対してAI校正ツールは、誤字脱字や表記ゆれ、NGワードなど、校正に必要なルールがあらかじめ組み込まれているのが特徴です。利用者は細かな指示をその都度入力しなくても、テキストを貼り付けてボタンを押すだけで、一定の基準に沿ったチェックをかけられる点が強みだと言えるでしょう。

AIモデルの性能はベンチマークで測りますが、日本語の文章校正能力を評価できるベンチマークはまだ数が少なく、主要AIモデルの評価結果も十分に公開されていません。

このことからAIモデルを文章校正に使用すること自体はできても、品質を安定して担保するのは難しいと言えます。

ビジネスの場における実務レベルで文章の品質を担保したい場合、AI校正ツールを使用しその結果に依存しすぎないよう人間の目でチェックする体制作りも重要です。

ChatGPTを文章校正に使うときのポイント

ChatGPTは、無料プランでも日本語の文章校正に活用できる汎用AIです。「まずはお金をかけずにAIを試してみたい」という人にとって、入り口として使いやすいサービスだと言えるでしょう。

ChatGPTで文章校正を行うときは、次のようなポイントを押さえておくと便利です。

目的とトーンを最初に伝える

（例）「以下の文章を、ビジネスメールとして自然な日本語になるように校正してください。です・ます調は維持し、わかりにくい箇所があれば簡単に言い換えてください。」

修正理由も一緒に出してもらう

「修正内容と、その理由も箇条書きで教えてください」と付け加えることで、自分の中でルールを学習しながら文章を改善しやすくなります。

自社ルールやNGワードがあれば、あらかじめ伝える

用語統一やNGワードなどがある場合は、「〜という表記で統一してください」「〜という表現は使用しないでください」と事前に指示しておくと、より意図に沿った校正結果になりやすくなります。

ただし、ChatGPTはあくまで汎用AIのため、メディアごとの細かな表記ルールや炎上リスクなどを完全にカバーできるわけではありません。

無料で使えるChatGPTで大まかな推敲や言い回しの整理を行い、そのうえでAI校正ツールや人間のチェックを組み合わせると、ビジネスで使えるレベルの品質に近づけやすくなります。

文章校正におすすめのAI校正ツール

文章校正をするのにおすすめのAI校正ツールを、無料で使えるツール、無料トライアルがあるツール、有料のツールの3つにわけてご紹介します。

無料で使えるAI校正ツール

ChatGPTのような汎用AIでも文章校正は可能ですが、「プロンプトを考える時間をあまりかけたくない」「誤字脱字や表記ゆれなど、決まった観点を機械的にチェックしたい」というニーズも多くあります。

そのような場合は、校正ルールがあらかじめ組み込まれた文章校正特化のAI校正ツールを併用すると、細かな指示を入力しなくても、無料でも効率的にミスを洗い出せます。

無料で使えるAI校正ツールを2つご紹介します。

User Local 文章校正AI

画像出典：User Local 文章校正AI公式ホームページ

株式会社ユーザーローカルが運営するUser Local 文章校正AIは、校正したい文章を入力して「校正」ボタンをクリックするだけで簡単に校正を行うことができる完全無料のAI校正ツールです。

User Local 文章校正AIは、ChatGPTのGPT-4と外部連携して校正を行っています。

2000文字までの文章を入力でき、オプションで文体変換を「自動」「である調優先」「ですます調優先」の3つから選べます。

また使い続けてこんな機能があった方がよいと感じたら、画面上部の「機能要望」から改善を希望する点や新機能の追加要望を運営に伝えることも可能です。

試しにこの記事の冒頭の文章を入力してみると「易しい」という表現を「容易い(たやすい)」にした方がよいと提案してもらえました。

User Local 文章校正AIは短めの文章を手軽に校正したい人におすすめです。

参考：User Local 文章校正AI公式ホームページ

Shodo

画像出典：Shodo「無料の文章校正AIツール、文章添削AI、誤字脱字チェックサービス – Shodo」

株式会社ゼンプロダクツが運営するShodoは、記事の執筆から校正、入稿までをサポートするAI編集ツールで、校正機能の一部が無料公開されています。

ShodoはBERTというディープラーニングの技術や自然言語処理の技術を活用して、日本語のチェックを行っています。

無料ツールで試しに記事の冒頭の文章を入力してみると、近い位置での助詞の連続や、「けれど、何か役立つAIはないか探し」の部分を「考え」に置き換えた方がよいことを提案してくれました。

Shodoの有料プランを契約すると、以下の校正機能を利用できます。

Shodoは、校正だけではなく記事作成から入稿までの一連の流れをツールにサポートしてほしい人におすすめです。

参考：Shodo公式ホームページ

無料トライアルがあるAI校正ツール

無料トライアルがあるAI校正ツールを4つご紹介します。

Typoless

画像出典：Typoless「膨大な記事校正履歴データを学習したAI」

朝日新聞社が運営するTypolessは、AIと新聞社の校正ルール辞書(「朝日新聞の用語の手引」から、ポイントとなる約10万個の校正ルールを採用)を搭載したハイブリッドなAI校正ツールです。

Typolessでは、朝日新聞社に蓄積された記事データと記事校正履歴をAIに学習させてLMをファインチューニングし、校正に特化した高性能なオリジナルのAI校正支援エンジンを構築して校正を行っています。

修正候補をクリックすると本文に反映され、スキップすると反映されず「スキップリスト」に指摘が移動するため、校正にかかる時間や手間が大幅に短縮できるのが特徴的です。

個人では初回14日間、法人では初回30日間無料トライアルを活用でき、個人の場合は14日間を過ぎると自動的に本契約に切り替わります。

また有料プランは個人で3種類、法人で2種類の中から選べますが、法人の場合炎上リスクチェックがどのプランでも受けられるのが大きなメリットだと言えるでしょう。

Typolessは、新聞社で培われてきたレベルの高い文章校正技術を自分の記事にも反映させたい人におすすめです。

参考：Typoless公式ホームページ

AI editor

画像出典：YouTube AI editor「文章校正ツール / 『AI editor』戦国武将編」

AI editorは、株式会社ミラセンシズが運営するオリジナルルールの適用が可能なAI校正ツールです。

AI editorの校正では以下の項目をチェックしています。

• 誤字脱字
• 表記揺れ
• 半角カタカナ・全角数字・全角英字・半角記号の検出
• 助詞・接続詞の重複
• 読点の多用や重複
• 文末表現の重複
• 英単語のスペルチェック
• 金額のカンマ区切り
• 日付と曜日のチェック
• ら抜き・い抜き・さ抜き・さ入れ言葉のチェック
• 住所のチェック

また上記に追加して、次のオリジナルルールも設定可能です。

料金プランはライトプラン・ベーシックプラン・アドバンスドプランの3種類ですが、ライトプランでは2週間の無料期間が設けられています。

AI editorは自社のルールも校正に反映させたい人におすすめです。

参考：AI editor公式ホームページ

PRUV

画像出典：PRUV公式ホームページ

PRUV(プルーフ)は、月刊誌およびWebメディアの編集者・校閲者が得た約30年の知見を基に開発されたAI校正ツールです。

PRUVにはPRUV独自のルールベースエンジン、生成AI（2025年11月現在PRUV AI、GPT-5 mini、Gemini2.5 Flash、Claude Sonnet 4）、ユーザー独自のルール（辞書）の3つが搭載されており、各要素が補完し合うことでミスを検知する精度を高めています。

また「PRUV開発室」ではPRUVの最新機能のリリースについて発信されていますが、AIを用いた以下のような実験的な機能が次々とリリースされているのです。

• 公式発表やプレスリリースに対し潜在的にどのような批判や反論が想定されるかを複数のAIペルソナがシミュレーションする機能
• オリジナルAIである「PRUV AI」を多角的に活用するための専用ページ「AIルーム」

ホームページにアクセスすると400文字までの校正をお試しで1回行えるため、試しに記事の冒頭の文章を入力してみると、「問題は見つかりませんでした」という結果でした。

料金プランは個人向けサービスのPRUV Pro、法人向けサービスのPRUV Businessがあり、PRUV Businessを契約すると最長1か月無料使用可能です。

PRUVは既存の校正・校閲機能だけではなく、AIを用いたさまざまな新しい機能も文章校正に取り入れていきたい人におすすめです。

参考：PRUV公式ホームページ

ちゅらいと

画像出典：ちゅらいと公式ホームページ

ちゅらいとはちゅらデータ株式会社が運営する、PowerPointへの組み込みやGoogleの拡張機能としても利用可能なAI校正ツールです。

ちゅらいとの校正では以下の項目をチェックしています。

• 誤字脱字
• 表記ゆれ
• ら抜き言葉
• 二重敬語
• 同じ助詞の連続(指摘のみ)
• 日付と曜日の不一致
• ひらがなの方が適切な表現の指摘
• 間違いやすいスペルの指摘
• 重複表現
• 日本語中の空白
• 改名された表現
• 半角・全角の混在

企業ごとの表記ルールに応じたカスタマイズも可能です。

またPowerPointにちゅらいとを組み込むことでスライド全体を一括で校正したり、Google Chrome の拡張機能にちゅらいとを追加することで、ブラウザ上で直接校正をしたりできます。

料金プランはBasicとEnterpriseの2種類で、Basicでは無料トライアル(期間は要問い合わせ)が可能です。

ちゅらいとは使い勝手にもこだわってAI校正ツールを選びたい人におすすめです。

参考：ちゅらいと公式ホームページ

有料のAI校正ツール

有料のAI校正ツールもご紹介します。

文賢(ぶんけん)

画像出典：YouTube 文賢 – ブンケン -「【AI校正】10分でわかる！文章作成支援ツール「文賢」でできること」

文賢は株式会社ウェブライダーが運営する、最先端のAIと独自のアルゴリズムで文章の校正と推敲をアシストするAI校正ツールです。

文賢の校正では次の項目をチェックしています。

• 誤字脱字
• 誤った言葉(「うる覚え」や「的を得る」といった一般的に間違って使われる言葉)
• 誤った敬語
• 商標と固有名詞
• 誤用しやすい言葉はないか
• 話し言葉
• 重複表現
• 半角カタカナ
• 機種依存文字
• 差別語・不快語
• ポリティカル・コレクトネス(多様性を尊重し、差別や偏見のない表現になっているか)
• 誤変換しやすい言葉
• さ入れ表現（β版）
• 独自に設定できるオリジナルカテゴリ

また文章の読みやすさを音声読み上げで確認したり、「漢字の使用率」をチェックして文章の印象を客観的に把握したりすることもできるのが特徴的だと言えるでしょう。

文賢は記事作成の現場で幅広く使われているツールのため、人気の高いAI校正ツールを使ってみたい人におすすめです。

参考：文賢公式ホームページ

文章校正AIをビジネスで使う時の注意点

文章校正AIは校正作業を効率化できる便利なツールですが、以下の点に注意して使用するようにしましょう。

• 機密情報や個人情報は入力しない
• 入力した文章が機械学習に使われるかどうかをあらかじめ把握しておく
• 100％正しい校正にはならないため人間がダブルチェックできる体制を整えて使う

どのようなAIに対しても同じですが、業務上で知り得た機密情報や個人情報を入力するのは避けましょう。

また校正の精度は100％ではないため、記事の品質を維持するためには人間の目でも確認できる体制で使用することが重要です。

まとめ

文章校正に使えるAIは、ChatGPTなどの文系AIモデルとAI校正ツールの2つに大きく分けられます。無料で使えるChatGPTは、プロンプトで毎回指示を与えることで、アイデア出しや大まかな推敲、言い回しの整理などを柔軟に行えるのが強みです。一方で、主要な文系AIモデルのベンチマークの結果はまだ十分に公開されておらず、プロンプトの内容によっても仕上がりが変わりやすいという側面があります。

これに対しAI校正ツールは、誤字脱字や表記ゆれ、NGワードなどのルールがあらかじめ組み込まれているため、細かな指示をしなくても一定の基準でチェックをかけられるのが特徴です。

そのため、ビジネスの場における実務レベルで文章の品質を安定して担保したい場合は、AI校正ツールを使用し、その結果に依存しすぎないよう人間の目でダブルチェックする体制を整えるのが望ましいでしょう。

この記事も参考にして、ぜひ自分の業務に合ったAI校正ツールを見つけてみてください。

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