生成AI

最終更新日:2025/03/07
近年、AI技術の急速な進歩により、画像生成の分野で驚くべき革新が起きています。特に「リアル」な画像を生成するAIの能力は、かつては人間のクリエイターにしか成し得なかったレベルに達しつつあります。写真と見間違えるほどのクオリティ、細部まで作り込まれたディテール、自然な光の表現など、AIによる画像生成技術は新たな表現の可能性を切り開いています。
この記事では、最新のAI画像生成技術がもたらすリアルな表現力と、その活用事例について詳しく説明します。
AI画像生成サイト・アプリは、テキストで入力したプロンプト(指示文)をもとに、AIが自動的にイラストや画像を作成するサービスです。写真のように精密で現実的な画像から、アニメ調のイラストまで、様々なスタイルの画像を数秒から数分で生成できます。一般的には、細かい指示を追加することで、より意図に近い作品を作ることが可能です。
2024年12月時点で利用できる無料のAI画像サイトを10個、下表にまとめました。
ツール名 | スマホアプリ版 | 特徴 |
Canva | あり | ・AIテキストからの画像生成機能「Mojo AI」搭載 ・無料版でも多くのAI画像を生成可能 |
Stable Diffusion | あり | ・高いカスタマイズ性 ・豊富なモデルによる自由な画像生成 |
Midjourney | なし | ・アーティスティックな表現と独特な画風 |
Adobe Firefly | あり | ・Adobe製品と連携可能 ・商用利用への配慮の有無 |
Bing Image Creator | あり | ・DALL-E 2ベースの使いやすいインターフェース |
YouCam 画像編集ツール | あり | ・初心者向け ・リアルな人物生成が可能 |
SeaArt | あり | ・多彩なスタイル ・AIイラスト生成に特化 |
Fotor | あり | ・簡単な操作性 ・豊富なテンプレートによる手軽さ |
Ainova | なし | ・高画質 ・多様なAIモデルの提供 |
Filmora | あり | ・AIを活用した動画編集機能の一部として画像生成が可能 |
出典:Canva
Canvaはデザイン作成プラットフォームで、テンプレートや素材を活用して手軽にグラフィックデザインが作れます。
AI画像生成機能「Magic Studio」では、テキストから画像を生成できる「Text to Image」機能を提供。初回登録時に75クレジットが付与され、1回の画像生成に4クレジットを消費します(約18枚生成可能)。
写真風の画像やイラスト、アート調の画像など、様々なスタイルの画像を生成できます。
料金プラン | ・無料プラン ・Canva Pro |
無料利用の範囲 | 豊富なテンプレートや素材の一部 |
デザイン初心者からプロまで、SNS投稿画像、プレゼン資料、ポスターなど、幅広い用途で手軽にデザインを作成したい人におすすめです。
Stable Diffusionは、高品質な人物画像の生成に特に優れたAI画像生成モデルです。
日本語プロンプトにも対応していますが、より精密な指示を行うには英語の使用が推奨されます。
無料版では1日50枚まで画像を生成可能で、生成された画像は商用利用も可能です。ただし、著名人やキャラクターの権利に配慮が必要です。
料金プラン | 基本無料(オープンソース) |
無料利用の範囲 | 基本無料 |
プログラミング知識があり、カスタマイズ性を重視する人や、高度な画像生成や研究目的で利用したい人におすすめです。
出典:Midjourney
Midjourneyは風景画の生成に特に優れたAI画像生成ツールで、幻想的な景色や建築物を驚くほどリアルに表現できます。プロンプトは英語で「/imagine」コマンドを使用して入力し、詳細な指示を追加することで意図した画像に近づけられます。
Discordサーバーを通じて利用する仕組みで、以前は提供されていた無料トライアルは現在は終了しており、有料プランからの開始となります。
料金プラン | 有料サブスクリプション制 |
無料利用の範囲 | なし |
アーティスティックな表現を求める人、Discordに慣れている人、他のユーザーとの交流やインスピレーションを重視する人におすすめです。
Adobe Fireflyは、PhotoshopやIllustratorなど他のAdobeアプリケーションと直接連携できるAI画像生成ツールです。
生成された画像は商用利用が可能で、著作権の心配なく使用できる点が特徴です。
無料版では毎月25枚の画像生成クレジットが付与され、クレジットは月末にリセットされます。なおプロンプトは日本語対応しており、直感的な操作が可能です。
料金プラン | 単体プラン、もしくはAdobe Creative Cloudプランに含む |
無料利用の範囲 | 一部機能。有料プランでは生成クレジットの増加や商用利用ライセンスなどが付与される |
Adobe製品(Photoshop、Illustratorなど)を普段から使用している人や、商用利用を考えている人におすすめです。
Being Image Creatorは、Microsoftアカウントがあれば誰でも無料で利用できるAI画像生成ツールです。
ブラウザ上で直感的に操作でき、日本語のプロンプトにも対応しています。
1日のブースト(高品質な画像生成)は25回までで、人物の顔写真や著名人の画像は生成できないなどの制限があり、生成された画像は商用利用も可能です。
料金プラン | 無料 |
無料利用の範囲 | 基本無料で利用できるが回数制限がかかる場合あり |
手軽にAI画像生成を試したい人、シンプルな操作で画像を生成したい人におすすめです。
YouCamは、スマートフォンで手軽に利用できるAI画像生成アプリで、日本語プロンプトに対応し、特にリアルな人物画像の生成に優れています。
無料登録で5クレジットが付与され、独自機能としての顔の表情や髪型の細かな調整、美顔フィルターの適用が可能です。
スマートフォンのカメラと連携して、自分の写真をベースにした画像生成もできます。
料金プラン | ・無料プラン ・プレミアムプラン |
無料利用の範囲 | 基本機能 |
自撮り写真やポートレート写真の加工・編集をよく行う人、AIアバター生成などに興味がある人におすすめです。
出典:SeaArt
SeaArtは、複数のAIモデルやLORAを選択して画像生成dekiruAIツールで、他のユーザーの優れたプロンプトを参考にすることもできます。
無料版では1日150枚まで画像を生成可能ですが、高解像度画像の生成や商用利用、プロンプトの非公開設定などの機能は有料プランでのみ利用できます。
日本語プロンプトにも対応しており、初心者でも扱いやすいインターフェースが特徴です。
料金プラン | 無料 ※一部有料機能あり |
無料利用の範囲 | 基本的な画像生成 |
アニメ風のイラスト生成に興味がある人や、様々なAIモデルを試したい人におすすめです。
出典:Fotor
Fotorは、充実した画像編集機能に加えて、AI画像生成機能を搭載した総合的なデザインツールです。生成した画像をその場で編集・加工できる連携機能が特徴で、日本語プロンプトにも対応しています。
無料版では1日の生成枚数に制限があり、高解像度画像のダウンロードには有料プランへの加入が必要です。基本的な画像生成と編集機能は無料で利用可能です。
料金プラン | ・無料プラン ・Fotor Pro |
無料利用の範囲 | 基本的な画像編集機能と一部のAI画像生成機能 |
手軽に画像編集やデザインを行いたい人、豊富なテンプレートを利用したい人におすすめです。
出典:Ainova
Ainovaは登録不要で完全無料のAI画像生成ツールで、「写実的」「アート調」「アニメ調」の3つのスタイルから選んで画像を生成できます。
生成回数の制限がなく、商用利用も可能な点が特徴です。現在はβ版として提供されているため、サーバーの混雑時には生成に時間がかかることがあり、将来的なサービス内容の変更の可能性もあります。日本語プロンプトに対応しています。
料金プラン | 要問い合わせ |
無料利用の範囲 | 要問い合わせ |
高画質な画像生成を求める人や、企業利用など商用目的で利用を検討している人におすすめです。
出典:Filmora
Filmoraは動画編集ソフトとして知られるツールで、AI画像生成機能を動画制作のワークフローに組み込めるのが特徴です。
生成した画像をその場で動画素材として利用でき、エフェクトやトランジションと組み合わせることができます。無料版では画像の生成回数に制限があり、高解像度での出力や商用利用には会員登録と有料プランへの加入が必要です。日本語プロンプトにも対応しています。
料金プラン | ・買い切りプラン ・サブスクリプションプラン |
無料利用の範囲 | 機能に制限あり |
動画編集と合わせてAI画像生成を利用したい人、動画の素材作成にAIを活用したい人におすすめです。
AI画像生成の一般的な手順は、利用するツールによって若干異なりますが、大まかな流れは共通しています。
【AI画像生成の手順】
ここでは、テキストから画像を生成するタイプのAI画像生成ツールを想定して、一般的な手順を詳しく解説します。
AI画像生成を始めるには、まずは利用したいツールのウェブサイトでアカウントを作成する必要があります。登録方法は、メールアドレスを使用する方法と、GoogleやFacebookなどのSNSアカウントと連携する方法が一般的です。
スマートフォンアプリを使用する場合は、App StoreやGoogle Playストアからアプリをダウンロードし、初回起動時に必要な設定を行います。多くのツールは無料プランを提供しており、基本的な機能を試すことができます。
プロンプトの入力は、AIに生成して欲しい画像の特徴を文章で指示する重要なステップです。人物画像を生成する場合は、年齢、表情、髪型、服装といった具体的な特徴を詳細に記述することで、より意図に近い画像を生成できます。
多くのツールは日本語と英語の両方に対応していますが、ツールによって言語による精度の違いがあるため、より精密な生成を求める場合は英語での入力が推奨されます。
ステップ3では、生成したい画像のスタイルを「リアル調」「アニメ調」「アート調」などから選択肢、画像のサイズや解像度などの基本設定を行います。
さらに、画像の品質や特徴をより細かくコントロールしたい場合は、ネガティブプロンプトなどの追加パラメータを設定することで、望まない要素を除外したり、特定の表現方法を強調したりすることができます。
画像生成ボタンをクリックすると処理が開始され、AIによる画像生成には通常30秒から数分程度の時間がかかります。
生成中は画面上にプログレスバーなどの進捗表示が表示され、処理状況をリアルタイムで確認することができます。サーバーの混雑状況や指定した画質設定によって、所要時間は変動する場合があります。
生成された画像が意図した通りのものか確認し、満足いかない場合は設定を変更して再度生成を試みます。
満足のいく画像が生成されたら、画質設定を選択し、必要に応じて画像にタイトルを付けて端末にダウンロードします。ツールによってはクラウドストレージへの保存やSNSへの直接共有機能も利用でき、生成した画像を効率的に活用することができます。
AI画像生成でリアルな画像を作るためには、いくつかのコツがあります。ここでは、プロンプトの書き方から生成後の調整まで、包括的に解説します。
プロンプトはAIへの指示書です。より具体的で詳細なプロンプトを書くことで、AIはあなたの意図を正確に理解し、よりリアルな画像を生成できます。
人物の場合は年齢、表情、髪型、服装、ポーズなどの特徴を細かく指定します。例えば「20歳、黒髪のセミロングヘア、はにかんだ笑顔、白いキャミソール、クローズアップ」のように、できるだけ詳細な特徴を記述します。
また、「生写真」「85ミリレンズ」など撮影条件を指定すると、より写実的な画像が生成されます。
「写実的」「油彩画風」「アニメ調」など、目的の画風を明確に指定します。また、特定のアーティストやブランドの作風を参考にしたい場合は、そのアーティスト名や作品名を指定することで、似た雰囲気の画像を生成できます。
ただし、著名なアーティストの作風を模倣する際は著作権に注意が必要です。
生成したくない要素や避けたい特徴を指定することで、より意図した画像に近づけることができます。
例えば「不自然な手」「ぼやけた背景」「歪んだ顔」などを除外指定することで、画像の品質を向上させることができます。ただし、全てのAIツールがネガティブプロンプトに対応しているわけではないので、使用するツール機能を確認する必要があります。
AI画像生成では、主要なパラメータを適切に調整することで、より理想的な画像を生成できます。
解像度を上げることで細部の表現が向上し、ステップ数を増やすことでAIの計算回数が増えて画像の完成度が高まります。
またCFGスケールは、プロンプトの影響力を決める重要な値で、高くすると指示に忠実な画像が生成される一方で不自然さが出やすくなります。
これらのパラメータは相互に影響し合うため、目的に応じてバランスの取れた設定を見つけることが重要です。
シード値とは、AI画像生成時のランダム性を制御する数値のことで、これを固定することで同じような画像を再現することができます。
気に入った画像が生成されたら、そのシード値をメモしておくことで、後から同じような雰囲気や特徴を持つ画像を生成することが可能です。
シード値は通常、生成された画像の詳細情報から確認でき、次回生成時にこの値を入力することで、プロンプトを少しずつ変更しながら理想の画像に近づけることができます。
AI画像生成では、最初の結果に満足せず、生成された画像を丁寧に評価することが重要です。顔の表情や手足の形、背景の自然さなどを確認し、不自然な部分があれば、それを改善するようにプロンプトを修正します。
例えば、手の描写が不自然な場合は「自然な手」「繊細な指」などの指示を追加したり、表情が硬い場合は「柔らかな表情」「自然な笑顔」といった要素を加えたりします。
このように一つずつ改善点を特定し、プロンプトを段階的に調整していくことで、より理想的な画像に近づけることができます。
AI画像生成は非常に便利な技術ですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。ここでは、著作権、倫理、情報漏洩、品質など、多角的な視点から注意すべき点を詳しく解説します。
AI生成画像の著作権は通常、生成した利用者に帰属しますが、商用利用をする際は使用したAIツールの利用規約を必ず確認する必要があります。
例えばAdobe Fireflyは商用利用が明示的に許可されていますが、他のツールでは追加ライセンスの購入が必要な場合があります。
また、著名人やキャラクター、ブランドロゴなど、既存の権利が設定された対象をAIで生成することは避けるべきです。特に事業利用の場合は、使用規約や法的リスクを慎重に確認し、必要に応じて専門家に相談することを推奨します。
AI画像生成技術は、フェイクニュースの作成や個人の権利を侵害する画像の作成、差別的なコンテンツの生成など、悪用のリスクが存在します。特に実在の人物を模した画像の無断生成や、誤解を招く情報の拡散に使用される可能性があり、社会的な影響が懸念されます。
これらのリスクに対処するため、生成した画像がAIによって作られたものであることを明示する、他者の権利を侵害する可能性のある画像は作成しない、また商用利用の場合は必利用規約を確認するなど、責任ある利用を心がける必要があります。
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