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MDM(モバイルデバイスマネジメント)とは?導入法を分かりやすく解説

最終更新日:2024/01/10

従業員が使用しているモバイル端末を一括管理し、利用状況やセキュリティ情報を管理者が把握するMDM(モバイルデバイス管理)の需要が伸びています。

今回の記事では、MDMのメリット・導入の流れ・導入時の注意点や確認すべきポイントについて詳しく解説します。

MDMとは?

MDMとは「Mobile Device Management」の略で、日本語にすると「モバイルデバイス管理」となります。

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を、組織が効果的に管理するためのシステムです。従業員が使用している端末を一元的に管理し、利用状況やセキュリティを一括で把握することが可能です。

また、関連する概念として、MAM(Mobile Application Management=モバイルアプリケーション管理)やMCM(Mobile Contents Management=モバイルコンテンツ管理)があり、これらを一元的に管理するのがEMM(Enterprise Mobility Management=エンタープライズモビリティ管理)です。

MDMの機能

MDMには様々な機能が搭載されています。以下が主な機能です。

  • 端末の一元管理
  • 紛失時のロック・データ初期化
  • アプリの利用制限
  • コンテンツの配信管理

MDM導入のメリット

ここでは、MDMの導入で得られるメリットを紹介します。

デバイスを一元管理できる

MDMを活用すると、従業員が使用する端末を管理者が一括で管理できます。

管理者がOSやアプリなどを一斉に更新できるため、作業効率化につながります。また、端末ごとのOS・アプリなどの環境の差をなくすことで、データの送受信や確認がスムーズに行えるようになります。

情報漏洩を防止できる

紛失や盗難時には、管理者が遠隔操作で端末をロックしたりデータを消去したりする機能があります。また、一定回数の誤ったパスワード入力でデータを消去する設定も行えます。

端末の不正利用を防ぐ

MDMでは、許可されていないサイトへのアクセス制限ができ、個人の不正利用を防ぐことができます。また、端末に導入できるアプリを制限することもできるため、よりセキュリティ対策を高めることができます。

MDMを導入する流れ

MDM導入の流れ

MDMを導入する際の流れは以下の通りです。

目的や条件の明確化

導入の目的や条件を明確にし、なぜMDMが必要なのか、どのような課題を解決するのかを把握します。

権限やポリシーの取り決め

MDMの運用における権限やポリシーを取り決めます。誰がどのような権限を持ち、端末の使用エリアを社内・国内・海外など、どこまで許可するかを定義します。

ポリシーの設定とテンプレートの作成

MDMに適用する具体的なポリシーを設定し、使用方法のテンプレートを作成します。これにはセキュリティに関するルールや利用制限、データの管理方法などが含まれます。

事務職向けテンプレート、営業スタッフ向けテンプレートなど、部署ごとにルールを取り決めましょう。

MDM製品の選定

導入するMDM製品を選定します。対応デバイス・MDM機能・セキュリティ機能などを考慮した上で、自社のニーズや要件に合った製品を選ぶことが重要です。選定のポイントについては、後の章で詳しく解説します。

各端末へのセットアップとモニタリング

選定したMDM製品を使用して、各従業員の端末にMDMをセットアップします。その後、モニタリングを行い、正しく動作しているかどうかを確認します。

トレーニングと普及活動

従業員に対してMDMの使用方法やポリシーに関するトレーニングを行います。また、MDMの導入に伴う変更点や利点を伝え、普及活動を行います。

以上が一般的なMDM導入の流れですが、企業によってはこれに特有のステップを追加したり、細部を調整することがあります。導入前に徹底的な計画と調査を行い、スムーズな導入を目指すことが大切です。

MDMを導入する際の注意点

ここでは、MDMを導入する際の注意点を紹介します。

導入・維持コストがかかる

MDMを導入する際には、端末の台数に応じて月額で費用が発生することがほとんどです。

管理者が一台一台管理するパターンと、MDMシステムを導入するパターンのどちらの方がコストがかからないかを慎重に検討する必要があります。

セキュリティ制限による業務効率の低下

セキュリティを重視するあまり、必要なソフトウェアまで制限したり、パスワードや認証プロセスを複雑にしたりしてしまうと、業務の効率が低下する可能性があります。さらに、従業員がシャドーITを行う可能性もあります。

シャドーITとは、情報システム部門などが関知せず、従業員が独自に導入したシステムのことです。プライベートで使用しているSNSやクラウドサービスなどを、従業員が企業側の許可なく業務に使用している状態を指します。

セキュリティ対策を意識しつつ、従業員が使いやすい環境を提供することが大事です。

MDMの選定で明確にすべきポイント

MDMポイントここでは、MDMの選定時に確認すべきポイントを紹介します。

自社のデバイスに対応しているか

自社が使用しているOSがMDMが対応しているか確認する必要があります。

また、どのデバイスが対応しているかも確認しましょう。スマートフォン・ノートパソコン・タブレットなど複数のデバイスが管理できるサービスを選ぶと安心でしょう。

利用用途に適しているか

MDMはサービスによって搭載されている機能が異なるため、自社の利用用途にマッチしているか確認することが必要です。

オンプレミス型かクラウド型か

MDMにはオンプレミス型とクラウド型の2つの種類があります。それぞれのメリット・デメリットを検討し、自社に適したサービスを選択する必要があります。

  • オンプレミス型:社内に設置してあるサーバー上でMDMを利用する方法
  • クラウド型:製品を提供するベンダーのサーバーにアクセスする方法

オンプレス型は組織内でサーバーやデータを管理できるため、組織のニーズに柔軟に対応できます。しかし、サーバーやインフラの導入に高い初期投資が必要である上に、社内で保守・運用・アップデートを実施しなければなりません。

クラウド型はサーバーを自社で用意する必要がなく、利用に応じて料金を支払うため、初期投資が低いです。また、保守・運用・アップデートもベンダーが対応してくれます。しかし、オンプレス型と比較して柔軟性は低く、提携先のサービスにデータを預けるため、セキュリティの信頼性はベンダー次第となります。

自社のセキュリティ要件を満たしているか

自社のセキュリティポリシーに基づき、求めるセキュリティレベルを満たすサービスを選ぶ必要があります。

MDMの初期費用と運用コスト

MDMの初期費用・運用コストは企業によって異なるため、入念に検討しましょう。様々なサービスがありますが、初期費用+端末一台あたりの月学制が多いです。

また、サービスによっては無料トライアルが用意されていることもあります。

  • 初期費用:0円~55,000円程度が目安
  • 運用コスト:月に150円~500円程度が目安

コストを確認した上で自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。

まとめ

MDMはモバイル端末の一元管理を可能にし、セキュリティの向上や業務効率の向上に寄与します。導入の際には紹介した注意点や選定ポイントを考慮し、自社のニーズに合ったMDMを選びましょう。

AIsmiley編集部

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