コールセンターのAI導入・活用事例からメリットをわかりやすく紹介
最終更新日:2024/02/29
少子高齢化や団塊世代の退職に伴い、人手不足に悩むコールセンターが増えてきました。また、コールセンターの稼働率向上や、人員のリテンション(引き留め)に悩む企業も少なくありません。このような悩みを解決する方法として、AIの導入・活用が挙げられます。
本記事では、コールセンターにおけるAI導入について、メリットや手順、注意点などを解説します。
コールセンターが抱える課題
コールセンターが抱える課題としては、主に以下が挙げられます。
- 新人教育に時間がかかる
- オペレーターによって対応レベルに差が出やすい
- 離職率が高い
- SNSでの悪評拡散
コールセンターでは、教育にかかる時間や対応品質の差、離職率の高さなどが課題であり、スキルの高い人材を安定的に確保することが難しい現状があります。しかし、コールセンターにAIを導入することで、安定的な人材確保が困難である課題を解決できる可能性があります。
コールセンターに導入できるAIの種類と導入・活用事例
コールセンターに導入できるAIの種類の例として、以下のものが挙げられます。
- チャットボット
- ボイスボット(AI自動応答)
- 声紋認証
- FAQシステム
- AI検索システム
- 音声認識・議事録作成ツール
- テキストマイニング・VoC分析ツール
一口にAIといっても、種類によって対応できることは異なるため、自社の課題に合わせて導入するAIを選ぶことが大切です。
ここでは、AIの種類ごとに、特徴や活用シーンなどを紹介します。
チャットボット
チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、ユーザーの問いかけに合わせて返事をしてくれるプログラムのことを指します。
チャットボットをコールセンターに導入することでと、CX(顧客体験)改善、CA(コールエージェント:オペレーター)負担軽減といったメリットを得られる可能性が高まります。
チャットボットにできることの具体例は、以下の通りです。
- チャットによる自動での顧客対応
- サポート業務の効率化
チャットボットは自動応答プログラムなので、顧客対応を自動化できるほか、煩雑なサポート業務を一部担わせることで、業務の効率化も図れます。
チャットボットは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 24時間ユーザーからの問い合わせに対応したい
- 単純な内容ながらも問い合わせ数が多いため対応に時間や手間がかかる
- 問い合わせ対応の人手が足りない
チャットボットなら、コールセンターに問い合わせ対応の人員を置くことが難しい時間帯にも自動応答が可能となるため、24時間対応できます。
また、チャットボットには複雑な受け答えはできませんが、単純な内容であればスムーズに応答できるため、単純かつ数の多い問い合わせに向いているといえます。
チャットボットの導入・活用事例:ピーシーアシスト株式会社
コンピュータースクール「Winスクール」を運営するピーシーアシスト株式会社は、問い合わせフォームにアクセスしたものの、申し込みに至る前に離脱する人が多いという課題を抱えていました。また、電話による予約作業では最短でも3分かかっており、コールセンター全体の手間や負担も小さくなかったのです。
そこで導入したのが、チャットボットです。問い合わせフォーム画面にチャットボットを自動で表示させることで、疑問や不明点をすぐに解消できる状態に改善しました。
チャットボットの導入により、顧客が疑問点をすぐに解消できるようになりました。オペレーターは、顧客がチャットボットに入力した情報を確認しながら予約事務を実施できます。結果として、電話だと最短で3分かかっていた予約作業が、チャットの導入により最短1分に短縮されたのです。
ボイスボット(AI自動応答)
ボイスボットとはユーザーがAI(人工知能)を搭載されている音声認識のソフトウェアを用いて、音声認識や自然言語処理、対話型AI(人工知能)などの技術を活用し、顧客の発話の内容を解析するシステムです。
ボイスボットはコールセンターやカスタマー業務などで使用されることが多く、男性の音声、女性の音性などといった使い分けはもちろんの事、要望に応じて別の合成音声と連携を使い分けることも可能です。実際に、多種多様なボイスボット技術が活用されています。
ボイスボットにできることの具体例は、以下の通りです。
- 電話による問い合わせの一部自動化
- 24時間の電話対応
- 顧客の待ち時間短縮
ボイスボットの音声認識機能を活用することで、人員が割けない時間帯にも電話対応が可能であるほか、問い合わせ業務を一部自動化することも可能です。
また、コールセンターによってはオペレーターにつながるまで時間がかかり、顧客の待ち時間が長くなってしまいかねません。そこで、ボイスボットの導入により、すぐに電話につながる、あるいは必要な場合のみオペレーターに繋げられるため、待ち時間の短縮が可能です。
ボイスボットは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 電話による問い合わせが多く人手が足りていない
- 電話による問い合わせを24時間行っている・今後24時間体制にしたい
- 単純な内容の問い合わせが多く、毎回オペレーターが対応するのが無駄に感じる
ボイスボットは複雑な応対は難しいですが、単純な内容の問い合わせであれば瞬時に対応できるため、単純かつ数の多い問い合わせに専念させることで、オペレーターとのすみわけができ、コールセンター業務の効率化に繋がります。
ボイスボット(AI自動応答)の導入・活用事例
ヤマト運輸は2021年4月23日から、AIオペレーターによる個人向け集荷依頼の電話対応サービスを開始しました。
ヤマト運輸のAIオペレーターは、音声認識・音声合成・会話制御の仕組みの組み合わせにより、自然な対話応答が可能。法人向けの同サービスはすでに2020年11月に開始されていましたが、利用客からの評判がよかったため、対象を個人客にも拡大しました。
AIオペレーター導入の大きな目的は、電話の待ち時間の短縮による顧客のストレス軽減。すでに好評を得ているサービスですが、今後AIオペレーターによって対応できる範囲のさらなる拡大を目指しています。
声紋認証
声絞認証とは、話者の声の特徴を解析し、個人を特定する生体認証技術です。
声紋認証にできることは、具体的に以下の通りです。
- 電話による本人確認の手間削減
- セキュリティの強化
声紋認証により、本人確認にいちいちオペレーターを割く必要はがなくなります。また、声紋は一人ひとり違うため、オペレーターのミスを防ぎ、セキュリティの強化も可能です。従来、本人確認には生年月日の入力をはじめ手間のかかる操作が必要でした。しかし、声紋認証を搭載したボイスボットであれば、本人確認もスピーディーに進めることが可能です。
そのため、声紋認証は以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 高度なセキュリティ対策が求められるため本人確認が必要不可欠であり、電話対応の手間や時間が大きくなっている
- 人手不足に悩んでいる
企業によって求められる本人確認手段はさまざまですが、セキュリティリスクを避けるためには、オペレーターの耳で確認するよりも声紋認証で確実に本人確認できる方がメリットは大きいです。
また、声紋認証の導入により、本人確認を自動化できるため、人手不足の悩みも解決できます。
声紋認証の導入・活用事例:アフラック生命保険株式会社
生命保険会社のアフラックは、コールセンターに声紋認証を導入しています。
従来の本人確認では、証券番号・名前・生年月日・住所の確認が必要であり、本人確認だけで約2分の時間がかかっていました。毎回本人確認が必要なため手間が大きく、すぐに答えることができずに時間がかかるといった問題を抱えていたのです。
声紋認証の場合、一度登録すれば以降は声のみで本人確認が可能になりました。また、スマートフォンから自身で登録する方法と電話で登録する方法の2種類があり、好きな方法で簡単に登録できます。
声紋認証の導入により、本人確認に要する時間の短縮・ストレスの軽減を実現させた事例です。
FAQシステム
FAQシステムとは、「よくある質問」に対する回答をあらかじめ用意しておくことによって、システムにアクセスしたユーザーが疑問を自己解決できる仕組みです。
FAQシステムにできることは、以下の通りです。
- 問い合わせの前に顧客自身で疑問を解決しやすくなる
- 顧客向けだけでなくオペレーター向けFAQシステムを用意することで、質問に対する回答を探しやすくなる
顧客が自分で疑問を解決できれば、コールセンターに問い合わせる必要がなくなるだけでなく、手間がかからないため顧客満足度の向上にもつながります。また、オペレーター側にもFAQシステムを用意し、質問と回答を一対一対応にしておくことで、応対業務の効率化も可能です。
FAQシステムは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 単純な問い合わせが多くオペレーターによる対応が非効率に感じる
- 質問の種類が多く回答を出すのに時間がかかりがち
- 顧客から「わかりにくい」という声が多く届いている
FAQシステムを用意することで顧客が自分で問題を解決できれば、同じような問い合わせにオペレーターを割く必要がなくなります。また、オペレーターの技量によって回答がわかりにくいケースでも、問題の解決が可能です。
顧客からの質問は多岐にわたるケースが少なくありません。それに備えてFAQシステムを用意しておけば、瞬時に質問の内容に合わせた回答が可能になるため、時間短縮にもつながります。
FAQシステムの導入・活用事例:株式会社レオパレス21
FAQシステムの導入・活用事例として、レオパレス21のコールセンターの事例を紹介します。
レオパレス21は声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite3(アミボイス コミュニケーション スイート スリー)」を導入しました。この声認識ソリューションの導入により、FAQ機能などの活用が可能になったのです。
FAQ機能を用いることで、質問に応じた適切な画面の表示が可能になり、スムーズな案内が実現しやすくなりました。問い合わせへの応対がスムーズになり、コールセンター業務の効率化・時間の短縮につながっています。
AmiVoice Communication Suiteはこちら
AI検索システム
AI検索システムとは、AIが調べたい情報を従来よりも高速・高精度で検索することができるシステムのことです。顧客からの問い合わせや社員からのよくある質問に自動応答し、自己解決に導きます。
AI検索システムにできることは、以下の通りです。
- 調べたい情報を高速で検索し、結果を表示する
- チャット感覚で調べ物ができる
AI検索システムの導入により、調べたい情報を高速・高精度で検索できるため、質問に対する結果をスピーディーに表示できます。質問する側にとっても、チャットと同様の感覚で回答を調べられるため、オペレーターとの通話が煩わしいというケースにも対応可能です。
AI検索システムは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 発生する調べ物の種類が多く検索に時間がかかりやすい
- 顧客からの問い合わせが多く対応に時間がかかっている
- 質問のパターンが決まっているためオペレーターの対応では非効率的
調べることが多いと検索に時間がかかりがちですが、AI検索システムなら高速・高精度な検索が可能なので、調べ物を効率化できます。
また、よくある質問に自動応答できるため、パターン化された質問が多い場合により威力を発揮します。定型かつ単純な質問に対してオペレーターの対応が必要なくなるため、業務の効率化が可能です。
検索システムの導入・活用事例:株式会社ユーコット・インフォテクノ
検索システム導入・活用事例として、株式会社ユーコット・インフォテクノの事例を紹介します。
同社は「問い合わせ件数の減少率が停滞」「時間外の問い合わせ対応が不十分」「教師データの準備が間に合わない」などの問題を抱えていました。このような課題を解決するため、富士通株式会社が提供しているZinrai「FAQ検索」の導入に至ったのです。
Zinrai「FAQ検索」の導入により、検索のヒット率と検索速度が格段にアップ。問い合わせの対応時間を50%削減することに成功しました。また、AIの学習機能により、時間外の対応に対する強化・問い合わせの削減なども実現しています。
AI導入前と後で、問い合わせの対応時間を50%削減という結果を出したという好事例です。
音声認識・議事録作成ツール
音声認識・議事録作成ツールは、音声認識機能を活用することによって、議事録を簡単に作成することができるツールを指します。大きなメリットは、業務スピードの向上が期待できるという点です。そのため、議事録作成担当者の負担を軽減できるだけでなく、社内全体の業務スピードも向上させられます。
音声認識・議事録作成ツールにできることは、以下の通りです。
- 通話内容をリアルタイムでテキスト化
- アップロードした音声のテキスト化
通話内容をリアルタイムでテキスト化できるため、業務効率の向上が可能です。また、アップロードした音声をテキスト化することにより、マニュアル作成もできるため、情報の共有も楽にできます。
音声認識・議事録作成ツールは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- 通話内容を確認する作業に時間がかかっている
- 通話内容を活かしたマニュアル作成や、実際の通話を基にした改善などが実施できていない
- 聞き間違いや漏れによるミスが発生している
音声認識・議事録作成ツールであれば、通話内容をリアルタイムでテキスト化できるため、通話内容の確認にも時間がかかりません。テキスト化により、聞き間違いや抜け漏れによるミスも防ぐこともできます。
また、コールセンターではオペレーターの属人的な応対スキルに頼るケースが少なくありません。その点、熟練したオペレーターの応対内容をテキストかすることでマニュアル化でき、コールセンター全体の業務改善に役立てられます。
音声認識・議事録作成ツールの導入・活用事例:株式会社JALカード
音声認識・議事録作成ツールの導入・活用事例として、株式会社JALカードの事例を紹介します。同社は、手作業による通話データの書き起こしやFAQの検索に多くの手間がかかっている課題を抱えていました。このような課題を解決するため、株式会社アドバンスト・メディアが開発したコールセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite」の導入に至ったのです。
「AmiVoice Communication Suite」の導入により、通話データの書き起こしやFAQ検索にかかる作業時間を大幅に軽減することができました。また、書き起こした通話データ記録を人材研修に活用することで、オペレーターのスキルの底上げも実現している好事例です。
参考URL:https://www.advanced-media.co.jp/newsrelease/4530
テキストマイニング・VoC分析ツール
テキストマイニング・VoC分析ツールとは、自然言語処理の手法を使って、文章を単語(名詞、動詞、形容詞等)に分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析することで有益な情報を抽出していくツールのこと。共起キーワードや係り受け解析、階層的クラスタリングといった機能を搭載するツールを活用すれば、より有益な情報を抽出することも可能です。
テキストマイニング・VoC分析ツールにできることは、以下の通りです。
- 顧客からのメールやチャットでのやり取りなどのテキストから必要な情報を抽出
- 電話でのやり取りをテキスト化したものから必要な情報を抽出
顧客の問い合わせ内容は多岐にわたり、説明が複雑で分かりにくいケースも少なくありません。テキストマイニング・VoC分析ツールを活用することで、必要な情報だけ抽出できれば回答の自動化も可能になり、業務効率の向上が期待できます。
テキストマイニング・VoC分析ツールは、以下のような課題を抱えるコールセンターにおすすめです。
- テキストデータは豊富に有しているものの分析ができていない
- 判断の遅れやニーズの把握ミスが目立つ
- 問い合わせ対応に関するフィードバックや改善が遅れている
テキストデータが豊富であっても、何が必要かつ有益な情報であるか分析されていないケースは少なくありません。そのような状況では、判断の遅れによりニーズの把握が的確にできず、顧客満足度を下げてしまいます。テキストマイニング・VoC分析ツールにより問い合わせにおける重要な情報を抽出することで、こうした事態を避けることが可能です。
また、一見異なる問い合わせに見えても共通点があるケースは少なくありません。こうした点を見つけてコールセンター全体で共有することにより、業務改善にも繋げられます。
テキストマイニング・VoC分析ツールの導入・活用事例:株式会社ベルシステム24
テキストマイニング・VoC分析ツールの事例として、ベルシステム24が提供する「DXダイレクトセンター」を紹介します。
DXダイレクトセンターは、音声認識・テキストマイニング・データ分析の組み合わせにより、電話応対の内容を有効活用できるツールです。さまざまなクライアントによる導入事例がありますが、代表的な成果として、以下の3つが挙げられます。
- 生産性向上:保留時間を6%改善
- 成約件数・訪問アポイント増:感情解析の活用により応対が改善、顧客満足度の向上および成約件数の増加を実現
- 営業アポイント獲得率向上:分析したデータの活用により応対品質が改善、営業アポイント獲得率が約200%アップ
テキストマイニングの導入により、コールセンターでのさまざまな効果が実現しています。
コールセンターにAIを導入するメリット
ここでは、コールセンターにAIを導入するメリットとして以下の4点を紹介します。
- 顧客満足度・CXの改善
- オペレーターの負担軽減
- 運営管理とマーケティングの改善
- 業務属人化の防止
コールセンターにAIを導入することで、顧客満足度の向上やマーケティングの改善が可能です。加えて、オペレーターの業務負担の軽減や属人化の防止など、人員体制面でのメリットも享受できるでます。
顧客満足度・CXの改善
コールセンターにAIを導入することで、顧客対応の速度を高めることが可能です。利用者はよりスムーズに回答を得られるようになり、ストレスも大きく軽減されるため、顧客満足度向上に繋げられます。
また、電話の必要性を最小限に抑えられるようになることも、大きなメリットです。電話をかけてオペレーターを話す手間を省くことができるだけでなく、営業時間外にも気軽に問い合わせを行えるようになるため、「いつでも問題を解決できる」という安心感を与えられます。
オペレーターの負担軽減
これまでのコールセンターでは、オペレーターが一つひとつの問い合わせに対応しなければなりませんでした。そのため、オペレーターの負担が非常に大きく、場合によってはクレーム対応に追われるケースもあることから、精神的にも大きな負担になってしまうケースが多かったのです。
その点、AIを導入することで、多く寄せられる定型的な質問にはAIが回答していく環境を構築できるため、業務負担を軽減することが可能です。また、FAQシステムを導入すれば、オペレーターが回答に迷ったときのサポートも行ってくれるため、対応の品質によるクレームも減ると考えられます。
運営管理とマーケティングの改善
コールセンターにAIを導入することで、過去の問い合わせをデータとして蓄積していくことが可能です。蓄積されたデータを有効活用すれば、マーケティングの改善につなげることもできます。より良いサービスを生み出すことにも活用できる点は、AI活用の大きなメリットだといえます。
業務属人化の防止
コールセンターへのAI導入は、業務属人化の防止にも効果的です。
コールセンターが抱えやすい問題のひとつに、オペレーターによる対応範囲や品質の差が挙げられます。日々膨大な問い合わせに対応する中、オペレーター同士の情報共有が追い付かず、結果として属人化しやすくなってしまうのです。
属人化の解消には、FAQシステム・検索システム・議事録作成ツールなどが便利です。問い合わせに対応して終わりではなく、問い合わせの内容や対応、電話での話し方などをテキストで手軽に共有できるため、業務属人化の防止に役立ちます。
コールセンターにAIを導入するときの手順
ここからは、コールセンターDX化の手順についてご紹介します。
- 課題と問題点の可視化
- 業務フロー・ビジネスプロセスの見通しと検討
- 計画の立案と製品・サービス比較
1.課題と問題点の可視化
まずは、現状のコールセンターの状況を把握し、課題と問題点を可視化していく必要があります。課題と問題点を可視化できなければ、「どのようなシステムを導入することが最適なのか」を明確にできないからです。
「スタッフごとに顧客対応の品質が異なる」「顧客対応にかかる時間が長い」「顧客との会話データを有効活用できていない」など、課題・問題点によって講じるべき施策も変化するため、まずは課題と問題点をしっかりと可視化することからはじめましょう。
2.業務フロー・ビジネスプロセスの見直しと検討
次に行う必要があるのは、業務フロー・ビジネスプロセスの見直しです。どのような課題に取り組む必要があるのか明確にしたうえで、「その課題を解決するために必要な作業は何か」を明確化していきます。この部分が漠然としたままだと、課題を解決するのが難しくなってしまうので注意してください。
具体的に、どの業務やプロセスを改善する必要があるのかといった点を明確化することが大切です。基本的にコールセンターの業務は「顧客対応」「事務作業」「組織マネジメント」の3つに分けられるため、現状の課題がその3つのどれに当てはまるのかを明確化していくことをおすすめします。
3.計画の立案と製品・サービス比較
「課題を解決するために必要な作業は何か」を明確にしたら、計画の立案と、その計画に必要となる製品・サービスの比較を行っていきます。製品・サービスごとに異なる特徴を持っているため、「自社の課題を解決する上で必要な機能を備えた製品・サービスは何か」をじっくりと見極めていくことが必要です。
ちなみにAIsmileyでは、コールセンター向けAIソリューションを比較検討できるカオスマップを無料でお配りしています。さまざまなソリューションの特徴を比較することができますので、ぜひお気軽にご活用ください。
コールセンターにAIを導入するときの注意点
コールセンターにAIを導入する際は、以下の点に注意することが必要です。
- AIに学習させる準備期間が必要
- 利用頻度が低いと精度が向上しない
- 人的リソースを確保する必要がある
AIの精度を高めるためには、AIにデータを学習させるための準備期間を十分に設けることが求められます。そして導入後はしっかりと活用してデータを蓄積し、継続的に精度を高めていくことも重要です。加えて、継続的に利用するうえではメンテナンスも不可欠となるため、定期的なAIのメンテナンスを行うための人的リソースを確保するようにすることをおすすめします。
AIを導入したらオペレーターは不要?
AIを導入した場合でも、オペレーターの仕事が完全になくなることはありません。AIの技術は進歩を続けている途中であり、AIにも得意な分野・苦手な分野は存在します。そのため、AIによって業務効率化できる部分はAIに任せつつ、人にしかできない仕事にリソースを割くという考え方が適切であるといえます。
人手不足が深刻化する昨今においては、いかにAIを有効活用できるかが企業の成長を大きく左右する鍵となるでしょう。
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