生成AI

最終更新日:2024/04/11
近年はさまざまな業界でAIが導入され始めており、日本の大きな課題ともいえる人手不足の解消にも貢献しています。AIには、さまざまな分野で活用できるという特徴があり、一見AIとは関わりが薄そうに見える農業や漁業といった分野においても活用され始めているのです。
そのような中で、最近は道路の点検にもAIが活用され始めており、注目を集めています。今回は、道路を点検するAIがどのような仕組みで成り立っており、またどのようなかたちでコスト削減につなげているのかを詳しくみていきましょう。
NTTフィールドテクノでも、AIを活用した道路点検システムの提供を行っています。NTTフィールドテクノが提供している「道路路面診断ソリューション」の特徴としては、ディープラーニング技術を活用し、画像認識によるひび割れ検出を実現できる点や、独自のロジックによって平たん性指標(IRI値)の算出が行える点などが挙げられるでしょう。
また、IRI値(平たん性を評価する尺度)やひび割れ率、路面画像といった情報は、Web上の地図に表示させることができるため、道路の状況をより客観的に評価できます。どのような順序で修繕を行っていけば良いか、より効率的に計画を立てられるという点は、このソリューションの大きな魅力といえるでしょう。
株式会社リコーでも、光学技術やデジタル技術、そしてAI技術を活かした「路面モニタリングサービス」を提供しています。リコーが2019年8月にリリースした路面モニタリングサービスは、複数のカメラが搭載されている一般車両を走行させて路面の状態を撮影し、機械学習を活用した分析によって「撮影から測定結果解析の自動化」「報告書作成の自動化」を実現するというものです。
先ほどもご紹介した通り、日本国内に存在する道路のうち、約8割以上は市町村が管理していますが、その中には高度成長期に敷設されたものも多く、老朽化が進んでいるものの点検しきれていない道路が多く存在します。そのような道路の効率的かつ低予算で修繕できるような仕組みが必要であることから、この路面モニタリングサービスが開発されたそうです。
一般的に、老殿維持や管理を行うための指標としては「ひび割れ率」「わだち掘れ量」「平たん性」という3種類のデータが求められるため、大きな電源を搭載できるマイクロバスサイズの大型専用車両が用いられます。ただ、リコーの路面モニタリングシステムであれば、ステレオカメラを搭載した一般車両でデータを計測できるため、省電力、軽量、小型化を実現できるのです。
また、道路の中には道幅が狭いものもあるため、大型車両では走行するのが難しいというケースも少なくありません。そのような道路に関しても、リコーの路面モニタリングシステムであれば点検が可能になるため、点検対象を大幅に広げられるというメリットもあるでしょう。
なお、リコーでは、笹子トンネルの事故をきっかけに義務付けられたトンネル点検を、より効率的に行う新技術の開発にも着手しているといいます。老朽化が進んでいるトンネルの維持や管理の重要性が増している昨今ですが、トンネル点検には人手が必要となるだけでなく、交通規制を設ける必要もあるなど、多くの手間と時間を要するのが課題となっています。
そのため、リコーが開発中の新システムでは、被写界深度拡大カメラを搭載した一般車両によって走行しながらトンネル内の壁を撮影し、画像をデジタル化することができるそうです。この技術であれば人手を要する作業の多くを新システムに代替できるため、さらなる効率化とコスト削減が期待できるでしょう。
今回は、道路を点検するAIの仕組みやメリットなどについて詳しくご紹介しました。AIの活用によって業務効率化やコスト削減を実現できるだけでなく、場合によっては道路の点検対象も大幅に広げられる可能性があるということもお分かりいただけたのではないでしょうか。
今後、少子高齢化はさらに加速していくことが予測されており、人手不足も深刻化していく可能性が高いといわれています。そのため、今回ご紹介したようなかたちでAIを活用していくことには大きな価値があるといえるでしょう。
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