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最終更新日:2023/12/19
LGWANとは?
LGWANは、地方自治体や政府機関が機密性の高い情報を安全に扱うための専用ネットワークです。私たちが普段使用しているパブリックネットワークとは別に構築されており、社会保障や税金情報の連携システムとしても機能しています。
本記事では、LGWANの概要からメリット・デメリット、LGWAN-ASPの仕組みまで詳しく解説します。LGWANについて理解を深めるために、ぜひ参考にしてください。

LGWAN(エルジーワン)とは、「Local Government Wide Area Network」の略称で、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互接続するネットワークのことです。行政専用ネットワークとして整備されており、地方公共団体同士のコミュニケーションや情報共有の円滑化により、情報の高度利用を図ることを目的としています。
私たちが普段利用しているインターネット接続とは切り離された閉鎖的な通信網で、高度なセキュリティが確保されています。また、地方公共団体間の回線を集約することによって、運用コストの削減にも成功しています。
2000年度の実証実験の後、2001年からは都道府県、2003年からは全市区町村が接続を開始しており、現在はほぼすべての地方自治体で利用されています。また、2017年11月からは、LGWANを利用したマイナンバー制度における情報連携等の本格運用が開始されています。
LGWANを利用してやり取りされている主な内容は、以下の通りです。
- 地方公共団体間、地方公共団体と政府機関間のメールの送受信
- マイナンバーを用いた情報連携(税情報や社会保障の給付状況(年金情報、生活保護情報)等)
- 地方税の電子申告の受付、国税庁から地方公共団体への申告情報の提供
- マイナンバーカードを活用した各種証明書のコンビニ交付
- 防災・人命に係る緊急情報(J-アラート)
引用元:総務省自治行政局「自治体の情報システムについて」
地方公共団体が別々に管理している納税情報や年金、生活保護などの社会保障情報の共有が、LGWANによって円滑化すると期待されます。また、地方公共団体と政府機関との連携がスムーズになり、今後はマイナンバーを基にすべての情報が紐付けられ、LGWANによって共有されていくことが推測されます。
LGWANは、各地方公共団体と政府機関、さらには住民との間でスムーズな情報交換手段を確保することを目的としています。高度なセキュリティを維持した行政専用の閉域ネットワークであるLGWANは、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続し、コミュニケーションの円滑化や情報共有を通した情報の高度利用などを促すことにつながります。
また、その背景には2015年の年金機構の情報漏えい事件が発覚した後、自治体情報セキュリティ対策検討チームが設置されたことや、2015年10月のマイナンバー法の施行が関係しています。LGWANをインターネットから切り離すことで、セキュリティリスクの分断やインシデントへの即応体制の強化といった目的もあります。
LGWAN構築の基本方針は、以下8つの項目に集約されています。
- 全ての地方公共団体を収容可能な行政団体に閉じたネットワーク
- 高度なセキュリティを確保
- 情報通信分野における標準的な技術を使用
- 政府共通ネットワークとの相互接続
- 全ての地方公共団体が現実的に負担できる費用で運用
- 各市区町村や都道府県におけるネットワーク規模、多様な情報化の進度や方法の違いを吸収
- 地方公共団体が持つ既存設備の有効活用
- 電子メール、掲示板機能等、業務の横断的サービスを提供
引用元:総合行政ネットワーク全国センター(総合行政ネットワーク(LGWAN)の概要)
LGWANは、地方公共団体間の回線を集約し、高いセキュリティの元で独立させています。また、政府共通ネットワーク(各府省庁間のクローズドネットワーク)とは直接接続されていませんが、LGWANとの相互接続により、地方公共団体と政府機関が電子メールや掲示板機能などを用いて通信を行えます。
LGWANでは、以下の構成要素が含まれます。
現在のLGWANの構成は「第4次LGWAN」と呼ばれます。第4次LGWANでは、従来と同様にLGWAN接続ルータから都道府県ノードを使う「都道府県ノード経由冗長方式」と、LGWAN接続ルータから直接LGWANに接続する「直接接続方式」の2つを併せたハイブリッド方式が採用されています。
なお、POIは東日本と西日本の2拠点に設置され、片方に障害が発生してもLGWANが停止しないよう配慮されています。
LGWANでは個人情報など機密性の高い情報を扱うため、強固なセキュリティ対策が必須です。具体的には、下記5つを用いて運用されています。
LGWANの各種サーバ群は、ファイアウォールによって不正アクセスの脅威から防御されています。また、LGWANの通信経路は暗号化されており、盗聴を防止しています。
さらに、LGWAN内のすべての通信は侵入検知機能(IDS/Intrusion detection System)により監視されています。SOC(Security Operation Center)による不正な侵入の検知と監視は、24時間365日稼働しています。
公開鍵暗号方式(PKI/Public Key Infrastructure)とは、秘密鍵と公開鍵を使って平文を暗号化する、安全性が高い暗号方式のことです。インターネット上で安全にやり取りを行うためのセキュリティインフラを採用し、組織認証を実施して情報の盗聴や改ざん、なりすまし、事後否認などを防止しています。
LGWANで利用できる主なサービスは、以下の通りです。
LGWANにより、スマホなどのデジタル端末によるオンライン上での手続きが簡略化され、各自治体における事務業務の負担軽減やサービス向上が見込まれます。また、情報発信が簡単に行えるようになるため、地域住民に対する情報共有が進みます。
口座振替やコンビニ収納などに対応できる支払い管理システムは、情報管理を促し、督促などのスムーズな実施につながります。

LGWANの構築が求められる背景として、「2040年問題」到来への懸念や「スマート自治体」の実現が挙げられます。それぞれの項目について詳しく解説します。
総人口の減少や少子高齢化が進むことで、さまざまな社会問題が2040年に著しく表面化することを「2040年問題」と呼んでいます。総務省統計局の調査データによると、2040年には生産年齢人口(15~64歳)が全人口の53.9%まで減少するとされており、深刻な労働力不足に陥る可能性が懸念されています。
また、日本はすでに65歳以上の人口が総人口の21%を超える超高齢化社会です。2040年には65歳以上が35.3%、75歳が20.2%という未知の領域に突入すると言われています。そのため、若者が高齢者を支える現行の社会保障制度を維持することが厳しくなります。
団塊世代の後期高齢化による2025年問題では、社会保障費用の不足が問題点でしたが、2040年問題では制度の持続可能性が問題視されています。
そこで、LGWANを構築、運用することで、効率的なサービスの提供や向上が可能となり、業務負担の軽減や手続きの簡略化につながると考えられます。情報共有やコミュニケーションの円滑化が進むことで、女性やシニアを含む潜在労働力の活用も促せる可能性があります。
LGWANは、「スマート自治体」の実現にもつながっています。スマート自治体とは、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの高度技術を駆使して、人間が行っている業務や処理を自動化・簡略化できる自治体のことです。
具体的な方策には、電子化・ペーパーレス化の促進や業務プロセス、システムの標準化、セキュリティ等を考慮したシステム・AI等のサービス利用などが含まれています。
総務省は、2040年までにスマート自治体の実現を掲げています。テクノロジーの導入と活用によって効率的にサービスを提供できれば、人口減少による影響を最小限に抑え、住民福祉の水準を維持できる可能性が高まります。
前述のLGWANの基本方針は、スマート自治体の実現に向けた大きな役割を担っており、2040年問題の解消にもつながると考えられています。

LGWANの導入・運用により、行政事務の効率化や住民サービスの向上に加えて、各自治体における重複投資の抑制といったメリットが考えられます。それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
LGWANは、地方公共団体間の相互接続に加え、政府共通ネットワークとも相互に接続できることで、行政事務業務の効率化や迅速化を促します。従来は、地方自治外が個別にシステムを構築して保守運用する必要があり、手間がかかっていました。
また、各自治体同士の連携が取りにくく、情報の共有や更新が難しい状態でした。LGWANではあらかじめ用意されているASPを利用するため、システム構築が不要になり、業務負担も軽減されます。
LGWANは汎用性のある情報通信インフラであるため、地方自治体ネットワークでの重複投資の抑制につながります。 今までは、地方自治体間で共用できるものがなく、個別の回線を使って相手とやり取りする必要がありました。
LGWANの構築によって、各地方自治体におけるネットワークが集約され、互いに通信できることで、従来のような手間が不要になっています。また、システムや設備をまとめることで重複投資を抑えて、独自の回線や端末を用意するためのコストも削減できるでしょう。
LGWANの導入により、政府と地方自治体が今まで以上にスムーズに連携されるため、住民サービスの向上も期待できます。住民生活に必要な申請・届出などの手続きの電子化が進み、利便性が高まります。
また、行政情報の提供などサービスの品質向上にも寄与します。加えて、高いセキュリティ性が保たれているため、個人情報など重要な情報が盗聴などで漏えいすることを防止できます。地震や台風など災害時も想定して環境が整備されており、緊急時でも必要な業務を継続することが可能です。

LGWANにはメリットが多数ある一方で、閉鎖的ネットワークがデメリットとなる可能性もあります。外部ネットワークとは切り離されており、インターネットとは別で利用しなければなりません。
そのため、LGWANからインターネット接続のネットワークへファイルの授受などを行う際に、手間が増えてしまうでしょう。

LGWAN-ASP(Application Service Provider)とは、公益法人や民間企業など地方公共団体に対して、LGWAN経由でアプリケーションやサービスを提供する仕組みです。地方自治体がより経済的に、標準的なシステムを導入することを目的としています。
開発された電子申請システムやグループウェアなどの高性能システムを利用できるため、独自開発するよりも時間やコストを節約できます。また、デジタル化に伴う自治体ごとのIT化格差の軽減や、高品質なアプリケーションツールの共同利用の実現につながります。
LGWAN-ASPは、以下4つのサービス層から構成されています。
上記のうち、地方公共団体が直接利用するのは、最初の「アプリケーション及びコンテンツサービス」です。実際に提供されている主なサービスには、次のようなものがあります。

自治体が民間企業提供のアプリケーションを活用する際のポイントとして、主に以下2点が挙げられます。
アプリケーションを効果的に活用するためには、LGWANやLGWAN-ASPの特徴、機能などを正しく理解することが大切です。システムの目的や構成、提供サービスについて把握することで、適切なアプリケーションの提供が実現します。
LGWAN対応のクラウドサービスは多数ありますが、インフラ基盤の構築や運用支援などサポート体制が充実したものは、効率的なアプリケーションの構築・運用につながります。また、スモールスタートも可能なため、必要な範囲でサポートを利用すれば無駄なく導入・運用できるでしょう。
LGWANは、通信の暗号化や専門家による24時間365日の監視などにより、高いセキュリティを備えた地方公共団体向けのクローズドネットワークです。行政機関とのコミュニケーションや情報共有の円滑化を促すだけでなく、一般市民の生活における各サービスの向上などの効果も期待できます。
また、LGWANの導入・運用が進めば、2040年問題の解消やスマート自治体構想の実現にもつながると考えられます。民間企業が提供するアプリケーションを自治体で採用する際には、LGWANやLGWAN-ASPの構成設計をよく理解した上で、サポート体制なども含めて比較検討することが大切です。
自治体向けのAIサービスを提供する企業一覧を、下記よりダウンロードいただけます。
また、カテゴリ別の自治体でのAI導入事例カオスマップも無料配布しています。自治体におけるDXの推進に向けて、ぜひご活用ください。
LGWANは、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互接続するネットワークのことで、インターネットとは切り離された閉鎖的な通信網です。地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)により、非常に高いセキュリティが確保されています。
LGWAN-ASPの接続料金は、接続開始の際に発生する一時費用と、年度ごとの利用料金としての経常費用に分かれています。一時費用は、サービスの提供範囲などによらず単価は一律ですが、接続後のサービス内容変更などで別途発生する場合があります。経常費用の詳細は、「総合行政ネットワークASP接続料金」に記載されています。
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