EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは?MDMやMAMとの違い
最終更新日:2024/01/24
EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは、従業員の利用するデバイス・アプリ・コンテンツを管理者が一元管理する機能です。テレワークやワーケーションなどの働き方が多様化した現在、情報漏洩リスク対策としてEMMは注目を集めています。
今回の記事では、EMMの特徴・メリットとデメリット・導入時の注意点・MDM、MAM、MCMとの違いについて詳しく解説します。
EMMとは?
EMMとは「Enterprise Mobility Management」の略で、日本語にすると「エンタープライズモビリティ管理」となります。
EMMは、従業員の利用するスマートフォンやPCといったデバイスと、アプリやデータなどのコンテンツを、管理者が一元管理するサービスです。このサービスは、モバイルワーク(自宅でのリモートワークや客先への常駐など)の増加に伴い、利用する企業が増加しています。
EMMは、以下のニーズに応えます。
- 情報漏洩リスク対策
- 従業員の作業時間の監督
- 従業員がアクセスできるサイトの管理
EMMとMDMの違いは?
EMMは以下の機能を一元管理しています。
- MDM(Mobile Device Management=モバイルデバイス管理)
- MAM(Mobile Application Management=モバイルアプリケーション管理)
- MCM(Mobile Contents Management=モバイルコンテンツ管理)
MDMはデバイスのみ管理するのに対し、EMMは管理できる領域が広いのが特徴です。MDM・MAM・MCMについては次の章で詳しく解説します。
EMM製品の機能
ここでは、MDM・MAM・MCMについて紹介します。
MDM(モバイルデイバス管理)機能
MDMは「モバイルデバイス管理」のことで、従業員が使用しているモバイル端末自体を一元管理する機能です。
MDMの特徴は以下の通りです。
- デバイス利用者の情報収集が可能
- 紛失時に端末をリモートロックする・データ削除するなどセキュリティ対策が可能
- パスワード設定やOSアップデートなど、管理者による端末の一元管理が可能
MAM(モバイルアプリケーション管理)機能
MAMは「モバイルアプリケーション管理」のことで、従業員が使用している端末内のアプリケーションとそのデータを管理する機能です。
MAMの特徴は以下の通りです。
- 業務用と私用のアプリ・データを別に管理が可能
- BYOD対策として有効
※BYOD (Bring Your Own Device):個人が所有しているPCやスマートフォンを業務に使う利用形態
MCM(モバイルコンテンツ管理)機能
MCMは「モバイルコンテンツ管理」のことで、従業員が使用している端末内のコンテンツを管理する機能です。
MCMの特徴は以下の通りです。
- クラウドやサーバー上のコンテンツに安全にアクセスが可能
- データに対して「閲覧のみ」「端末外へ保存不可」など細かな設定が可能
EMM製品導入のメリット
EMM製品を導入するメリットは以下の通りです。
- モバイルワークの増加に伴うセキュリティの不安を低減する
- BYOD(Bring Your Own Device)のセキュリティ対策が可能となる
EMM製品導入のデメリット
EMM製品を導入するデメリットは以下の通りです。
- 導入までに時間がかかる
- 導入コストがかかる
- 維持コストがかかる
自社のニーズと照らしあわせて最適なサービスを選択することが大切です。
また、EMMは高価なため、状況に合わせてMDM・MAM・MCMを単体で導入することも検討してみましょう。
EMM製品導入の注意点
ここでは、EMM製品導入時に注意すべき点を紹介します。
管理しやすいものを選ぶ
EMMを導入する際には、従業員が業務を円滑に行えるかどうか確認することが必要です。
適切なEMM製品を導入できなかった場合、作業効率が悪くなったり、BYOD(個人のデバイスを業務に使用する)との相性が悪く不満が出たりする可能性があります。
導入時には、従業員の理解が得られ、情報管理部門が円滑に対応できるものを選択することが重要です。また、あらかじめ管理の意図を従業員に周知し、徹底させることも大切です。
サポートが充実しているものを選ぶ
EMM製品の導入後に問題が発生した場合、迅速なサポートが重要です。製品を選ぶ際には、ベンダーのサポート体制や対応実績を確認し、信頼できるものを選択するようにしましょう。
また、マニュアルが充実しているか、24時間対応のヘルプデスクが存在するか、日本語に対応しているかなども確認することが望ましいです。
マルチデバイスに対応しているものを選ぶ
EMM製品を選ぶ際には、パソコン・スマートフォン・タブレットなど、マルチデバイスに対応しているかどうかを確認しましょう。また、マルチOS対応の製品を選択することも大切です。
まとめ
EMMは、今後の情報化社会には必須の機能となります。
モバイルワークの増加に伴うセキュリティの不安を低減し、BYOD対策を可能にする一方で、導入コストや維持コストがかかるため、慎重な選択が必要です。
管理のしやすさ、サポートの充実度、マルチデバイス対応など、様々な観点から適切なEMM製品を選ぶようにしましょう。
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