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最終更新日:2025/05/14
OpenAIは、最新AIモデルの「o3」を2024年12月20日(アメリカ現地時間)に公開しました。数学や科学的推論、プログラミングの能力を中心に、前作の「OpenAI o1」に比べて大幅な飛躍を遂げています。また、AGI(汎用人工知能)実現の可能性を大きく広げたと話題を呼んでいます。
※【2025年4月最新情報】ChatGPTの新モデル「OpenAI o3」と「o4-mini」の詳細や違いについては、以下の記事をご覧ください。
OpenAIの最新モデル「o3」と「o4-mini」とは?
本記事では、OpenAIの最新AIモデル「o3」の主な特徴・機能・料金体系・具体的な活用事例などについて解説します。「o1」モデルとの違いやAGI達成への可能性についても説明しますので、ぜひご覧ください。
OpenAIは、2024年12月20日(アメリカ現地時間)に最新モデルの「o3」を公開しました。12日間にわたるイベントの初日に「OpenAI o1」を発表したばかりのタイミングですが、「o3」は従来までのモデルが抱えていた課題を解消し、革新的な性能を備えた最先端モデルとして位置付けられています。
「o3」では、「段階的に推論を積み重ねる」という人間の思考プロセスに近いようなアーキテクチャが採用されています。AIの「考える」という概念を根本から覆し、複雑かつ高精度が求められるような専門家レベルの問題をも難なく解決できる可能性があります。
関連記事:OpenAI、新たなAIモデル「o3」を発表。AGIのベンチマークにおいてもハイスコアを記録
「OpenAI o3」は、既存のAIモデルをはるかに超える性能を持つと言われています。ここでは、「OpenAI o3」の具体的な機能や特徴について解説します。
最新の「o3」モデルでは、AGIの実現に向けたベンチマーク(ARC-AGI)において画期的な評価を示しました。「人間が簡単に解けるが、AIには困難な課題」を通じて、AGIに近い思考能力を評価したテストでは、人間と同等レベルの推論力を含め、人間にとって簡単に解けても従来のAIモデルでは困難だった領域を測定します。
テストの結果は、人間の水準とされる85%を上回る87.5%の正答率を打ち出しました。これまでの「ChatGPT-3」や「GPT-4o」では数%前後に留まっていたスコアが、「o3」を用いることで少ない推論回数でも75.7%という高スコアを記録。大量の計算資源を投入したモードでは87.5%に到達し、従来のAIでの課題を打開する可能性が高まっています。
関連記事:AGI(汎用人工知能)とは?AIとの違いやAGI実現による社会への影響を解説
OpenAIの「o3」は、プログラミングや数学など論理的思考を必要とする分野で高い精度を発揮します。
数学の国際試験「Amy」では96.7%の正答率、ソフトウェア開発ベンチマーク「SweetBench Verified」では71.7%の正確性を記録。前モデル「o1」を大きく上回る性能で、幅広いプログラミング言語に対応し、エラー検出やコード最適化が可能です。
さらに、化学や物理などの理系分野でも活用が進み、大学院レベルの問題に87.7%の正解率を達成。研究支援にも期待されています。
AIが進化する中で、安全性の確保は重要です。OpenAIは、「o3」「o3-mini」における安全性を強化するために、「外部安全性テスト(Deliberative Alignment)」を導入しました。
このテストは、モデルが推論能力を使って、プロンプトの意思を推論し、安全性を高める仕組みです。AIがタスク解決に用いる「チェーン・オブ・ソート(Chain of Thought/COT)」という生成プロセスを評価して、ユーザーがAIの根拠をある程度把握できるよう配慮されています。
モデルの安全性が高まれば、推論過程の透明性や説明可能性の向上にも役立ちます。その結果、より多くの研究者がモデルの評価に参加できるようになりました。
o3とo4-miniの違いを、用途別にわかりやすくまとめました。あなたの業務や目的に最適なモデルを選ぶ参考にしてください。
特徴 | o3 | o4-mini |
推論力・正確性 | ★★★★★(最高レベル) | ★★★★☆(小型モデルでは最高) |
処理スピード | やや遅め(その分正確) | 高速・レスポンス重視 |
ツール | Python、ブラウザ、コード、画像など | 基本ツール+簡易画像解析 |
価格(API) | 高め(精度重視) | 安価(高頻度用途向き) |
OpenAIの「o3」と「o4-mini」は、どちらも非常に優秀なモデルです。
精度や深い分析が必要ならo3、コストや処理速度が重要ならo4-mini。用途に応じて、あなたの業務に最適なモデルを選んでください。
※【2025年4月最新情報】ChatGPTの新モデル「OpenAI o3」と「o4-mini」の詳細や違いについては、以下の記事をご覧ください。
OpenAIの最新モデル「o3」と「o4-mini」とは?
前モデルの「o1」と「o3」モデルの比較表を以下に示します。
モデル | 推論速度 | ARC-AGIスコア | ARC-AGIスコア |
---|---|---|---|
o1 | 中 | 7.8%~32% | 中 |
o3 | 高 | 75.7%~87.5% | 高 |
ARC-AGIスコアだけを比べても、圧倒的にo3モデルの性能が突出しています。また、推論速度や処理速度が飛躍的に向上し、幅広いタスクへの円滑な対応が実現します。
o1モデルについては、下記記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
関連記事:OpenAI、新モデル「OpenAI o1」シリーズ発表。数学、科学、医療など複雑なタスクの推論が可能に
従来のChatGPTを超える「o3」は、さまざまな分野での実用が期待されています。ここでは、どのようなジャンルや場面で活用できるか、具体的な事例として、以下の3つを紹介します。
o3」は、新しいコードの生成や既存コードの最適化、バグの特定と修正など、幅広い開発タスクをサポートします。初心者からプロまで使える柔軟性があり、開発の効率化に大きく貢献します
レベルに合わせたパーソナライズ学習プランの自動作成や質問対応を、教師には授業計画や教材作成の支援を提供します。教育の質と学習効率を大きく高めるツールとして注目されています。
診断支援や検査データの解析に活用され、医師の負担軽減やミス防止につながります。病歴や画像診断データをもとに、治療方針の提案や個別化医療の実現にも役立ちます。
上記以外の活用例として、以下が挙げられます。
AIの能力を活かしつつ、安全性と精度を確保した医療の提供を後押ししてくれます。
「OpenAI(ChatGPT)o3」の登場は、AI技術の進化とAGIの実現を目指す上でも、大きな成果を達成した革新的モデルです。ARC-AGIにおける「o3」が獲得したスコアはその証拠であり、数学やプログラミング、科学的な推論など多くの分野で目覚ましい評価を得ています。
コストや未解決のタスクなど、問題は残されているものの、「o3」が一般公開されればAI技術の歴史が塗り替えられる可能性もあります。「o3」モデルの料金体系や正式な公開スケジュールの発表が、世界中で発表されています。
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料金プランの詳細についてはまだ明らかにされていません。ただ、これまでの動向から推測すると、最初はChatGPT PROもしくはPlusの有料プランユーザーを対象に、「o3」モデルと「o3-mini」モデルが公開される可能性が高いです。
利用可能時期についても未発表ですが、公式サイトによれば、「o3-mini」の公開は2025年1月下旬に設定されています。
ユーザーのフィードバックを収集し、データを基に継続的な改良を行いながら、安全性を確立した上で正式公開となることが推測されます。一般ユーザーの個人利用からプロユースまで幅広く対応できるよう設計されており、公開スケジュールの発表に注目です。
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