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最終更新日:2024/12/16
AGI(汎用性人工知能)とは?
人工知能(AI)の進化は、汎用人工知能(AGI)の開発へと向かっています。AGIは、人間と同等またはそれ以上の知能を持ち、様々なタスクを自律的に学習し解決する能力が期待されています。
この技術は、科学、医療、ビジネスなど多岐にわたる分野で革新をもたらす可能性を秘めていますが、同時に社会構造の根本的な変化や人間の暮らしに影響を与えるリスクも伴います。本記事では、AGIの可能性と社会への影響について掘り下げます。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説

AGI(汎用人工知能/Artificial General Intelligence)とは、AIの種類の一種です。非常に高い知能を持っており、汎用性が高く、「人間に近い思考回路や感情を持つAI」として、ビジネス分野において大きな注目を集めています。
AGIは、人間のように思考し、感情を理解する能力を持っている点が、従来型のAIとは一線を画しています。AGIは、思考の結果「楽しい」や「悲しい」といった人間が持つ特有の感情を理解して、まるで人間が感情を表すように表現を模倣することが可能です。また、人間の感情を理解した上で、AIなりの行動を選択することもできます。
人間以上の思考能力を持ちながら、人間の感情に寄り添った行動ができる人工知能は、これまでのAIとは大きく異なります。創作物に登場する「感情を持つロボット」などは、AGIの代表例といえますが、これらが現実世界に登場したことをイメージすると分かりやすいと思われます。
AGIの登場によって、AIによる行動の幅が広がり、ビジネスへの応用も広がることが期待されています。

強いAIとAGIの違いは感情の処理や人間と同じように行動できるかという点について違いがあります。「強いAI」と「弱いAI」について詳しく見ていきましょう。
現代に存在するAIは主に2種類あり、AGIの登場によって「強いAI」と「弱いAI」という表現が用いられるようになりました。「強いAI」とは、AGIのことを指しており、前述のように人間に近い思考回路や感情を持ち、自分自身で多くの情報を処理して行動するAIにあたります。
一方の「弱いAI」とは、従来のような「高い思考能力を持つが、感情を理解せず、人間と同じように行動することが難しいAI」のことを表します。このような弱いAIのことを「特化型AI」と呼ぶこともあります。
機械学習やディープラーニングなど、ある分野に関する高度な学習が可能であり、なおかつ感情を理解せず独自の行動を取ることができないAIは、弱いAIに分類されます。現状において、ビジネスに用いられているAIの大半は「弱いAI」です。
現状は弱いAIのみが活用されている市場ですが、AGIの登場によって、今後、強いAIが投入される可能性が出てきています。
広義に言えば、AGIもAIの一部です。AGIは「弱いAIを発展させ、人間に近い思考回路や感情を理解する能力を獲得したAI」であり、AIの発展形であるともいえます。
AGIとAIの違いを理解するための一例として、将棋におけるAI活用が挙げられます。将棋の世界では、近年、AIによるパターンの分析が進んでおり、人間の指し手を分析して次の最善手を導き出したり、現状の対局者同士の勝率を分析したりすることが可能になっています。
また、人間がAIと対局したり、ある対局の棋譜を読み込ませて、詳細な分析をすることもできます。
しかし、このような分析は、あくまでも「数値的な分析」でしかありません。AIは「局面から無数のパターンを分析し、最善の一手を導き出すための思考」をしているだけであって、「対局者の感情を読み取り、最善の手を指している」わけではないのです。
一方、AGIが採用された場合、「対局者の感情を理解し、相手の感情を踏まえた上で最善の手を選択する」ことができるようになる可能性があります。
AGIは、人間の知能を模倣し、あらゆる知的タスクを人間と同等にこなすことができるAIのことを指します。これに対し、ASIは人間の知能をはるかに超える能力を持つAIで、人間が理解や想像もできないような方法で問題を解決することができます。
AGIが実現すると、人間と同じように学習、理解、判断ができるようになりますが、ASIはこれを大幅に上回り、科学、工学、医学などの分野で人類が達成できなかった進歩をもたらす可能性があります。しかし、ASIの出現は人類にとってリスクも伴い、人類の未来に大きな影響も与える可能性があります。
ASIについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ASI(人口超知能)とは?基本定義と社会への影響、課題について解説

AGIが実装されると、「AIが自ら判断して人間に近い行動を取る」ことが可能になります。例えば、仕事をしている人間の顔色や表情から疲労度を読み取って、疲れていると判断したらコーヒーを淹れるなどの行動を取ることができます。
このような用途を応用すると、医療現場で患者の顔色や表情からその日の体調を読み取り、一人ひとりに合わせた最適な処置を選択するなどの使い方が可能になります。
1つの分野に対して高度な知能を獲得する特化型AIとは異なり、AGIはさまざまな分野で高い成果を出すことが期待できます。AIが自ら多種多様な知識をインプットし、その知識を自ら発展させて応用的に利用できるようにすることで、ビジネスや日々の生活など、多くのシチュエーションで活躍させることができます。
このほかに、AGIで実現できることとして、以下のようなものがあります。
AGIが高度な言語理解能力を持てば、人間と自然に対話し、コミュニケーションを取ることが可能です。これにより、カスタマーサポートや医療相談など、あらゆる場面で人間とAIの対話が日常化し、ユーザーは困難な問題でもAIをパートナーとして活用できるようになることが予想されます。
AGIは、大量のデータと知識に基づいて創造的な発想を行うことが可能とされています。アート・デザイン・音楽などの分野で新たな作品やアイデアを生み出したり、ビジネスの戦略立案においても、革新的なアプローチや商品の開発アイデアを提供することが期待されます。
従来のAIは特定のタスクに特化していますが、AGIは人間と同等またはそれ以上の柔軟性と適応力を持ち、異なるタスクを横断して自律的に対応することが可能です。例えば、医療・教育・法律・エンターテインメントなど、あらゆる分野に応用でき、 状況に応じた最適な解決策を見出すことができます。
AGIが得意とするのは、膨大なデータを解析し、地球規模の課題に対処することです。気候変動・エネルギー問題・食糧不足などのグローバルな課題に対して、AGIは最適な解決策を見つけるためのシミュレーションや予測分析を行い、国際的な協力や政策策定の支援に貢献する可能性があります。

AGIが国内外で求められている背景には、社会構造が複雑化し、さまざまな価値観を持つ人が登場していることが挙げられます。
技術の発展・変遷が高速化し、企業は常に市場の変化に対応し続けなければならない時代になりました。このような時代の中で、従来型の「弱いAI」を活用している現場では、市場が変化するたびにAIのプログラムを変更しなければなりません。
しかし、プログラムの再構築には膨大な手間とコストがかかり、常に最新の変更を加え続ける負担は非常に重いといえます。
このような背景の中で、AGIが活用されるようになれば、「AGI自身が思考し、最善の選択肢を選び、人間をサポートする社会」を実現できると期待されています。プログラムを再構築しなくても、常にAGIが自分で社会の変化に対応し、正解を導き出せるようになるのです。
日本においては、2025年までにDX推進が進まないことによって経済損失を招く可能性が指摘されている「2025年の崖」や、少子高齢化が進み、労働人口がますます減少することによって起こる「2040年問題」への対応のために、AGIの活用が期待されています。
「ChatGPT」や「DALL-E 2」などの生成系AIサービスを手掛けるOpenAI社のCEOサム・アルトマン氏は、2023年2月24日に「汎用人工知能(AGI)についての展望」というロードマップを発表しました。
ロードマップでは、AGIが「人間よりも賢いAI」であることを前提とし、誤用を防ぎ、正しい開発を行う必要があることを示しています。確かにAGIは、人間を超える知能を活用してさまざまな分野で活躍する見込みがあります。
ただし、ユーザーとユースケースを慎重に監視しなければ、AIが未来を判断し、世界に深刻な悪影響を及ぼしかねないとも指摘されています。AGIの調整を十分に行うとともに、人間が適応するために時間が必要だと語られています。
シンギュラリティ(技術的特異点)とは「AIが人間の知能を超える分岐点」のことです。「2045年問題」とも呼ばれるように、シンギュラリティが2045年頃に訪れると考えられていますが、今後の技術発展のスピード次第では早まる可能性もあります。
シンギュラリティの訪れにより、人々の生活やビジネスがより豊かで便利になる一方で、AI技術により人間の仕事が奪われる可能性があります。また、脳や臓器などを人工物で代替できるようになり、機械と人間の境目が曖昧になっていくリスクも懸念されています。
人間とAIの共存を目指し、具体的な対策やルール整備を進める必要があるでしょう。

AGIを構成する要素は、「機械学習」「認知アーキテクチャ」「認知ロボティクス」の3つに分かれています。これらの3つの要素がそれぞれ高度に発達することによって、AGIは従来のような「弱いAI」の枠組みを抜け出し、人間に近い思考回路の獲得や、感情の理解が可能になります。
ここでは、AGIを構成する3つの要素がどのようにAGIへ影響をもたらすのかについて、詳しく解説します。
機械学習自体は、従来型の「弱いAI」でも取り入れられている要素ですが、AGIにとっても機械学習の概念は重要です。
AGIは機械学習を通して「失敗から学ぶ」プロセスを繰り返すことで、「知的なAI」へと進化していくのです。
AGIにとっての機械学習では、「ディープラーニング」と「強化学習」が併用されます。ディープラーニングにおいては、階層化ニューラルネットワークを活用して与えられたデータから最善の答えを導き出すことを繰り返し、AIとして高度な知能を獲得していきます。
強化学習では、人間から与えられたデータを参考にして、人間らしい感情や行動を学び取り、状況に合わせて最善の行動を学習していきます。
ディープラーニングで何層にも及ぶ高度な思考を繰り返し、人間には及ばない高度な知能を獲得しながら、強化学習によって「人間らしい思考回路」を獲得するのが、AGIにとっての主な学習方法です。
認知アーキテクチャとは、「人間の認知機能をモデル化する研究」を指しています。AGIにおいては、人間の思考回路のパターンを導き出し、「人間が物事を認知する仕組み(アーキテクチャ)はこのようなものである」というパターンを導き出して、そのパターンをAIに学習させることが重要になります。
人間の認知機能を正確に理解してAIに記憶させることで、AIはあたかも人間の思考回路を組み込まれているかのような、人間の感情に寄り添った思考ができるようになるのです。
認知アーキテクチャは、「記号主義的なもの」「分散表象的なもの」「その両者を折衷したもの」の主に3種類に分けられます。
記号主義的なものにおいては、「プログラミング言語」を操ることによって、AIに知能を獲得させることを目指します。これに対して、分散表象的なアーキテクチャは「ベクトル」の操作によって表現します。他にも、両者の特徴を汲み取って、力動的な観点からアプローチを試みるアーキテクチャもあります。
AGIは、人間のようにさまざまな課題に出会い、その度に自身の知能を応用して最適な解決方法を選択する必要があります。そのため、ロボットを活用してAIの認知を研究する「認知ロボティクス」は、AGIの発展にとって重要な役割を果たします。
本来のAGIは必ずしもロボットの形をしているとは限らず、単にコンピューター上で演算を行うだけの場合もあります。しかし、あえてロボットの姿を取らせて研究を進めることは、「ロボットは記号を具体的な概念として認識できない」という「シンボルグラウンディング問題」の解決にとっても重要です。
認知ロボティクスには、「認知発達ロボティクス」「記号創発ロボティクス」「社会的知能ロボティクス」の3つの種類が存在します。
認知発達ロボティクスは、人間や動物の赤ん坊が自ら周囲の環境の中で学習する仕組みをロボットに与え、認知機能を研究する学問です。記号創発ロボティクスでは、人間の言語を獲得するためのロボットに与え、人間らしい言語を獲得していきます。
社会的知能ロボティクスでは、身振り手振りや視線などを交えて、コミュニケーションを身につけます。

AGIの実現に向けて、AIには主に「フレーム問題」と「チューリングテスト合格騒動に関わる問題」の2つの課題が残されています。
ここでは「人間の判断の曖昧さをAIがどのように表現するべきか」が議論されているフレーム問題や、「AIが思考して答えを導くことと、AIが思考しているように見せかけることは異なる」という観点から議論される「チューリングテスト合格騒動に関わる問題」について解説します。
フレーム問題とは、「AIが思考する場合、考えられる全てのパターンを計算してしまい、処理が過熱して停止してしまう」という問題のことを指しています。
例えば、人間が自宅から近所のコンビニに向かう場合、過去の経験から最適な経路を感覚的に判断できます。
しかし、AIが自宅から近所のコンビニに向かう経路を計算しようとすると、何万、何十万と存在する無数のルートを全て計算した上で最適な経路を選択しようとしてしまうため、膨大な処理が必要になってしまいます。
人間であれば「自宅を出てから最初の分岐路を左に曲がり、直進する」というシンプルな判断だけでスーパーにたどり着けるところを、AIは「自宅を出てから最初の分岐路を右に曲がる場合と左に曲がる場合」の両方の経路を計算し、さらにその先の道についても新たな計算を行ってしまいます。
このような問題を解決するために、「AIに情報の重要度と優先度を与える」という取り組みが研究されています。例えば「AIの現在地から半径300m以内の情報を優先的に処理する」などの優先度を指示することで、範囲外の情報を計算する必要がなくなり、処理落ちを防止できます。
チューリングテスト合格騒動に関わる問題においては、「AIが自ら思考して答えを出すこと」と「AIが思考しているかのように見せかけること」は異なるということが議論されています。
そもそもチューリングテストとは、「機械は考えることができるのか?」という問題提起から発展した、質疑応答形式の思考実験を指しています。チューリングテストにおいては、「機械は人間的な要素を持っているか」を判断するために、人間の審査員1名と、1種のプログラムの二者間で、ディスプレイとキーボードを使って会話を行います。
このテストは壁が隔てられた状態で行われ、審査員がプログラムと人間を見分けられなければ、「そのプログラムは人間的な要素を持っている」と判断されます。
しかし、2014年6月にイギリスのレディング大学で実施されたあるチューリングテストにおいて、チューリングテストに合格したAIが「会話の時間が短く、審査員にプログラムと人間を誤認させただけであり、実際は自分で思考していない」と判断されたのです。
このように、AIが本当の意味で人間のように思考して判断を下すようになるためには、さまざまなハードルを乗り越える必要があります。前述のように、AGIを構成する「機械学習」「認知アーキテクチャ」「認知ロボティクス」の3つの要素について、技術の向上が必要不可欠です。

孫正義氏は「SoftBank World 2024」の講演で、人間の知能を1万倍も超える超知性(ASI)が10年以内に実現すると予測しました。また、汎用人工知能(AGI)は数年以内に登場し、進化を重ねる中で発明を行い、やがてAI同士が組織的に活動を始めると述べました。
特にOpenAIが開発した新モデル「o1」は、物理や数学の難問において人間の博士号を上回る正答率を達成し、「思考」して回答を導き出す次世代AIの可能性を示しています。
また、2~3年以内に「パーソナルエージェント(PA)」が登場し普及すると予測しました。PAは健康管理や病院予約などを代行するAIで、エージェント同士が連携する「A to A」の時代も訪れると述べています。AGIはさらに進化し、感情理解や長期記憶を持ち、最終的には個性や倫理観を備えた「パーソナルメンター」になると展望を語りました。
さらに、AIの最終的な目標は「人々の幸せを最大化すること」であり、倫理基準を重視した安全な進化が求められると強調。AIによる「知のゴールドラッシュ」が始まり、ビジネスの世界では「早い者勝ち」の競争が加速すると警鐘を鳴らしました。
この内容について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
孫正義氏、超知性AIにより「知のゴールドラッシュ」の到来を予想。SoftBank World 2024レポート
AGIの発展によって、従来では考えられなかった高度な知能の実現が現実的になってきています。自ら情報を学習し、さまざまなシチュエーションに対応できるAGIは、日常生活やビジネスにおいて多くのメリットをもたらすでしょう。
一方で、AGIが人間を超える知能を持つことは、社会にとって急速な変化を及ぼし、人間の社会構造を根本から覆してしまうリスクも抱えています。
2045年頃にシンギュラリティの到来が予測されていることからも、今後、AGIと人間の共存は避けられないと考えられるため、共存・共生するためのルール整備を進めていき、「AIがもたらす変化に人間が適応するための猶予」を確保することが大切です。
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