イオンの次世代ネットスーパーでAI活用!人工知能で24時間稼働可
最終更新日:2023/12/22
少子高齢化に伴う人手不足が深刻化している現代において、業務効率化は多くの企業にとって重大な課題となっています。そのような中で、イオンが「24時間稼働のネットスーパー」の実現に向けて着手したことで注目を集めているのをご存じでしょうか。
AIの活用によって24時間稼働のネットスーパーが実現されれば、人手不足という大きな問題を一気に解決できる可能性があるのです。では、具体的にどのような方法によってネットスーパーが実現されようとしているのでしょうか。今回は、イオンのAIを活用したネットスーパーの仕組みについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
2023年に実現を目指すイオンの次世代ネットスーパー
(参照:おうちでイオン イオンネットスーパー)
イオン株式会社は2020年8月、2023年に最先端のAI・人工知能とロボットを活用した24時間稼働のネットスーパーの実現を目指していることを発表しました。この次世代ネットスーパーの実現に向けてイオンが動き出したのは2019年末だったといいます。
イオン株式会社は、英国テクノロジーおよびネットスーパー企業であるOcado Group PLCの子会社「Ocado Solutions」と日本国内における独占パートナーシップ契約を締結し、2019年12月に「イオンネクスト準備株式会社」を設立したことで、プロジェクトが本格始動しました。
イオンが目指している次世代ネットスーパーは、国内では初となるCFC(顧客フルフィルメントセンター)の中に、約5万品目の商品が取り揃えられる予定だといいます。その中で、AI(人工知能)とロボットを駆使することにより、24時間稼働に加え、より効率的なピックアップを実現するそうです。
敷地が広大であればあるほど、注文された商品のピックアップには時間がかかってしまうわけですが、CFC内のロボットに関しては、Ocado Solutionsの技術を活用することによって、50点の商品を約6分間で処理できるといいます。千葉市緑区誉田町に建設されるCFCの建築面積は2万7500平方メートルですので、いかに効率的なピックアップを実現できるかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
なお、2023年の事業開始時には、千葉県で約700人の雇用を計画しているといい、千葉県における地域経済活性化にも大きく貢献するとして注目を集めています。
イオンが業務提携した「ocado(オカド)」とは?
(参照:Ocado: The online supermarket)
先ほども少しご紹介しましたが、イオンが計画している次世代ネットスーパーでは、パートナーシップ契約を締結したOcado Solutionsの技術が活用される予定です。この「ocado(オカド)」とは、一体どのような企業なのでしょうか。
「ocado」は海外企業であるため、日本人にとってはあまり聞き馴染みのない企業かもしれません。ただ、イギリスではネットスーパー事業で大きな成功を集めており、世界的にも大規模な企業として認知されているのです。
「ocado」の創業は2000年で、イギリス発のオンライン型ネットスーパーとして事業を開始しました。オンライン特化型のスーパーとしては世界最大規模であり、2017年の売上は13億4,6000万ポンド(日本円で1800億円超)となっています。この数字からも、ネットスーパーのパイオニアであることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
そんな「ocado」の大きな特徴としては、店舗スペースがないという強みを生かして圧倒的な商品数を抱えていることが挙げられるでしょう。グルテンフリーやビーガン向け食品だけでなく、高級ブランド食品なども幅広く取り揃えており、その数は49,000種類に上るといいます。こういった圧倒的な品揃えが魅力であるため、利用者層も非常に幅広く、高齢者の利用者も非常に多くなっているそうです。
また、独自のネットスーパー運営ソリューションを開発・運用しているという点も大きな特徴のひとつでしょう。イオンが次世代ネットスーパーで利用しようとしているのも、まさに「ocado」が独自に開発したネットスーパー運営ソリューションなのです。
OcadoはAmazonと同じ中央集約型倉庫
現在、イオンでは顧客の最寄り店舗から商品が発送される仕組みが構築されていますが、ocadoのネットスーパーは「中央集約型倉庫」から商品が発送されています。これは、Amazonでも取り入れられている仕組みであり、いわばocadoとAmazonは競合関係にあるというわけなのです。
中央集約型倉庫と聞いて、Amazonのフルフィルメントセンターをイメージされる方も多いのではないでしょうか。Amazon独自の技術が集約されているフルフィルメントセンターは、日本国内にも10カ所以上点在しており、ocadoと同じようにAIやロボットを活用する形で徹底的に効率化が図られているのです。
2023年での実現が予定されているイオンの次世代ネットスーパーでも、このocadoやAmazonと同じように中央集約型倉庫の建設が予定されていますが、現時点ではocadoとAmazonの両社の違いを活かしながら、日本でのビジネス展開を行っていく予定だといいます。
ちなみに、ocadoと競合関係にあるAmazonでは、Amazonフレッシュというサービスが世界的に展開されており、日本でも2017年からサービスが開始されています。Amazonフレッシュは、朝8時から深夜0時までの間で受取時間を指定することができ、最短4時間で配送してもらえるという点が大きな特徴です。
Amazonすでに日本国内でも小売業として成功を収めている企業ですので、2023年にイオンの次世代ネットスーパー実現した場合、間違いなくAmazonが最大の競合となるでしょう。
AI・人工知能を活用したネットスーパーは小売業を大きく変える存在に
今回は、AI・人工知能を活用したイオンの次世代ネットスーパーについて詳しくご紹介しました。AIやロボットを活用することによって、より利便性の高いショッピング環境が整っていくということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
日本でも、すでにAmazonが多くの人に利用され始めており、大半の買い物をAmazonで済ませるという人さえも多くなってきている状況です。そのような点を踏まえると、今後インターネットショッピングが主流になっていく可能性も極めて高いといえるのではないでしょうか。
ただ、多くのメリットがあるように見える半面で、配送や人件費などのコストが高いというデメリットがあることから、多くの企業が苦戦を強いられている状況にあることも事実です。そのため、イオンが次世代ネットスーパーとして成功を収めれば、時代が大きく変化していくかもしれません。
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