生成AI

最終更新日:2023/10/24
AI技術の発展に伴い、さまざまな業界で新たなAIサービスや機能などが生まれ始めています。それは、ペットロボットの領域においても例外ではありません。より魅力的な機能を備えたペットロボットも多くなってきているのです。
では、昨今のペットロボットには具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか。今回は、AIを活用したペットロボットについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AI搭載ロボットについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AIが搭載されたロボットの活用事例は?特徴・重要性も紹介
近年は高性能のペットロボットが数多く登場してきていますが、日本でもペットロボットの開発に力を注いでいる企業が存在します。その代表例として挙げられるのが、「MOFLIN」というAIペット型ロボットの開発を行ったスタートアップ、Vanguard Industriesです。2020年8月にkickstarterでクラウドファンディングを行う形でプロジェクトがスタートしました。
Vanguard Industries のCEOである山中聖彦氏は、大阪府立大学で機械工学修士号取得。その後、大企業との戦略的な定型によってイノベーションの実現を目指すVanguard Industriesの設立に至りました。Vanguard Industriesでは、遺伝的アルゴリズムや生産システム、サプライチェーンマネジメントといった研究に力を注いでおり、今回開発に至った「MOFLIN」を動かすAI・人工知能にも、遺伝的アルゴリズムが使われているといいます。
この遺伝的アルゴリズムというのは、生物の進化する仕組みをヒントにして提案されたアルゴリズムの一種であり、「答えが存在しないものにも最適解を求めていくことができる」という点が大きな特徴です。
MOFLINは、2019年にポルトガルで開催した「Web Summit」というイベントで初めて披露され、その際に多くの人々からポジティブな反応を得られたことから、今回の量産化が実現されたといいます。主な顧客ターゲットは、アメリカ、カナダ、EU、そして日本となっており、クラウドファンディングでは200万円が目標金額として設定されました。
このクラウドファンディングは2020年9月25日に締め切られ、目標金額を大幅に上回る約6400万円を達成しました。この金額からも、MOFLINの注目度の高さが窺えるのではないでしょうか。
私たちがペットとともに生活する中で、「可愛い」といった感情を抱くことは非常に多いかと思います。それは、AIを搭載したペットロボットに対しても抱くことができるものなのでしょうか。
そもそも「可愛い」という感情は、人によって捉え方も大きく異なるものであり、人や動物にだけ抱くものではありません。場合によっては、食べ物、美術品、文字の形といったものに対しても「可愛い」という感情を抱くことはあるからです。
そんな「可愛い」という感情の概念はどのように定義すれば良いのか明確ではないため、近年はAI・人工知能の領域においても研究が進められています。ちなみにMOFLINでは、人によって異なる「可愛い」の概念に合わせることができるよう、さまざまな行動を取るAIが備えられているそうです。
飼い主の接し方や環境などに応じて少しずつ個性が変化し、進化していくという仕組みになっています。そのため、MOFLINとの接し方次第で行動の取り方にも変化が生まれるということなのです。
ただ、飼い主が可愛いと感じた動きをもう一度やってくれるというわけではなく、現状ではCEOの山中聖彦氏でさえも方法を模索している段階だといいます。したがって、人によって大きく異なる「可愛い」の概念に関しては、まだまだ改善の余地がある領域といえるでしょう。
多くの注目を集めているAIペットロボットですが、動物と比較した場合にはどのよう魅力(メリット)があるのでしょうか。ここからは、AIペットロボットの魅力について詳しくみていきましょう。
動物の種類にもよりますが、お世話をしながら動物と一緒に生活していくためには、ある程度の時間的・経済的余裕がなければなりません。毎日のご飯、散歩、コミュニケーションなど、動物が健康で暮らすために必要なお世話をするための時間・お金が必要になるということです。また、旅行に行く際などは、動物のストレスにならない預け場所を探すなどの配慮も必要になります。
その点、AIペットロボットであれば人間の都合に合わせてくれるため、基本的に上記のような心配は必要ありません。また、動物アレルギーを気にする必要もなく、飼う場所も選ばないため、動物を飼うよりもハードルは低いといえるでしょう。
AIペットロボットの中には、特徴的な機能を備えているものも多く存在します。たとえば、ソニーが販売している犬型AIペットロボット「aibo」には、見つけて欲しい人を探すパトロール機能が備わっています。また、GROOVE X販売しているAIペットロボット「LOVOT」には、指定した場所の動画を撮影してくれる機能が備わっているのです。
こういったAIとしての使い方ができるという点も、AIペットロボットの大きな魅力といえるのではないでしょうか。
AIペットロボットは、やはり動物と比べると費用が安く済むケースが多いです。一般社団法人ペットフード協会が発表した「平成30年全国犬猫飼育実態調査」によれば、犬の生涯必要経費は1,793,005円だとされています。それに対し、犬の平均寿命である「14.29歳」を前提にソニーの「aibo」でかかる費用を算出すると918,000円となるのです。
もちろん、aiboと動物の犬では特性がそもそも異なりますので、一概に比べられるものではないかもしれません。ただ、費用という点だけにフォーカスすれば、AIペットロボットにも大きな魅力はあるといえるのではないでしょうか。
今回は、AI・人工知能を活用したペットロボットの特徴やメリットについて詳しくご紹介しました。AI技術の発展に伴ってAIペットロボットも進化していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
人によって捉え方が異なる「可愛い」という概念などは、まだ改善の余地がある領域と言えますが、将来的にその技術を実現する可能性も十分に考えられます。その場合、今以上にAIペットロボットが一般家庭に普及されるようになるかもしれません。今後、AIペットロボットがどのような進歩を遂げていくのか、ますます期待が高まります。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら