送電設備の異常をAIで検出!センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドが共同開発
最終更新日:2024/08/14
センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドが、鉄塔ボルト脱落・錆検出に関するAIを開発し、中部電力パワーグリッドが保有する送電設備の点検での導入を決定しました。
このニュースのポイント
- センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドが、新たな異常検出AIを開発
- 電線付属品の欠落をリアルタイムで検出したり、鉄塔に関する異常をランク別に分類した検出が可能
- 今後は送電設備だけでなく、変電設備の保守・保全業務も担えるアプリケーションへと開発を進めていく
株式会社センシンロボティクスと中部電力パワーグリッド株式会社は、これまで共同で送電設備異常を自動で検出するAIの開発を行ってきました。今回、新たにリアルタイム異常検出における対象範囲の拡大および鉄塔ボルト脱落・錆検出に関するAIを開発し、中部電力パワーグリッドが保有する送電設備の点検に導入します。
災害が発生する恐れのある異常は、公衆保安確保の観点から早急に発見する必要があります。2023年より、手元のモバイルデバイスに伝送されるドローンのリアルタイム映像から「電線」の素線切れ・溶損や「がいし」の破損・欠けといった異常をリアルタイムに検出するAIを開発し、現場運用を開始しています。今回は、新たに電線付属品である「ダンパ」の重錘脱落や「スペーサ」の把持部外れ等をリアルタイムに検出するAIを開発しました。
また、鉄塔に関する異常について「ボルト」の脱落や「鉄塔錆」を検出するAIを新たに開発しました。鉄塔の種別と塗装色別に学習・評価を実施しているため、様々な種類の鉄塔の異常を検出することができます。さらに「鉄塔錆」検出については、錆の度合いに応じたランク分類も可能です。
今回開発した異常検出AIは、2024年度中に「POWER GRID Check」への実装を行い、現場運用を開始します。開発したAIモデルは、今後も精度向上に向けた継続的な学習が必要となるため、ユーザーのフィードバックを元に、再学習やアルゴリズムの再選定を行い、AIを高性能化するスキームを構築します。
変電設備への業務適用も視野に共同研究開発を行っており、変電業務向けに確立した「計器指針検出AI技術」に関しても「POWER GRID Check」への実装を来年度以降で予定しています。送電設備だけでなく変電設備の保守・保全業務も担えるアプリケーションへと開発を進め、引き続き一般送配電事業全体への適用を目指します。
出典:PR TIMES
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