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最終更新日:2024/08/14
同一の商品やサービスの価格を需要に応じて変化させる「ダイナミック・プライシング」という仕組みをご存知でしょうか。動的価格設定や変動料金制とも呼ばれるこの仕組みは、いわゆる「時価」というものであり、航空券やライブチケットなどのほか、食品でも取り入れられようとしています。今回は、ダイナミックプライシングの事例についてまとめました。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例

ダイナミックプライシングとは、商品の価格を需要や供給、競争状況、市場の動向などに応じてリアルタイムで変動させる価格設定の手法です。特に、航空券、ホテルの宿泊料金、イベントのチケットなどで広く利用されています。この手法は、企業が収益を最大化し、在庫を最適に管理するための重要な戦略です。
ここからは、ダイナミックプライシングの実際の活用事例について紹介していきます。今回紹介する事例は以下の5つです。

需給に連動し、細かく値付けを変えるダイナミックプライシングは、欧米ですでに広く浸透しています。英国のプレミアリーグでは、早い時期から観戦チケットにダイナミックプライシングの仕組みを導入。チケット価格の弾力性が向上し、収益力が上昇した結果、リーグが活性化していい選手が取れるという好循環が生まれました。
ただ、ホテルや航空券に比べて、スポーツイベントのダイナミックプライシングは少々変数が複雑です。ホテルや航空券の場合、週末や年末年始、夏休みといった繁忙期は高値に、その他は安値にといった単純なアルゴリズムで値付けが可能です。一方で、スポーツイベントの場合は季節や曜日、天候のほか、スター選手がスタメン入りするかどうか、対戦カードはどうか、オリンピックやW杯などの大型イベントが控えているかなど、ファンを引き付ける他の側面からも考慮する必要があります。
スタメンなどは直前に発表されることも多いため、球団やクラブチームにもヒアリングを重ね、予測を織り込んでいく必要もあります。AIが登場したことで、こうした複雑なアルゴリズムにも対応できるようになったのです。
また、チケット価格に「天井」を設けるかどうかも、判断のしどころです。日本の場合、いくらプレミアチケットだからといって、青天井で価格が高騰してしまうと批判を呼ぶ可能性も否めません。一方で、米国などはそのあたりを割り切ってドラスティックに値付けしているといい、数百万円もの値段で取引されるチケットも珍しくないようです。
ただ、あまりに値段が高騰しすぎるとかえってファン離れを招く可能性もあります。マス向けのイベントでは上限値を設定するほか、ダイナミックプライシングによって価格が高騰するプレミア席と価格の安い席を設けるなど、主催者側のバランス感覚も必要といえるでしょう。

海外で人気を得ている配車サービス(ライドシェア)。アプリ上で配車予約をし、一般人が自家用車を使ってタクシー営業をするもので、日本では「白タク」と呼ばれて規制の対象ですが、欧米や中国、東南アジアなどでは広く浸透しています。
配車サービスの大手には、米「ウーバー」や「Lyft」、中国の「滴滴出行」、東南アジアの「グラブ」や「ゴジェック」などが挙げられますが、こうした配車サービスのスタートアップも、乗車料金にダイナミックプライシングを取り入れています。
東南アジアの配車サービスの覇者となりつつあるのが、マレーシア生まれ、シンガポール育ちの「グラブ」です。
グラブの進出国は、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジアの8カ国。同社では、ライドシェアの運賃は一律ではなく、需要や時間帯、天候、渋滞状況などに応じて変化します。ピーク時には、提示価格の横に赤い矢印マークが点滅し、価格が高騰していることを示しています。時には、朝夕のラッシュアワーの時間帯など、オフピーク時に比べて3倍以上の値段に変化することもあるそうです。
ただ、価格が高騰している時間帯に利用するかどうかの判断は、あくまでも利用者側にゆだねられています。グラブをやめてバスや流しのタクシーに乗る、時間帯をずらすといった選択肢も可能だからです。
利用者側と提供側、双方に価格の選択権があるという点は、ダイナミックプライシングの特徴といえるでしょう。
ここまでは、海外で行われているダイナミックプライシングの事例についてご紹介してきましたが、実は国内でもダイナミックプライシングを導入する企業が増えてきている状況です。

福岡県に本社を置くトライアルカンパニーが運営しているスーパーマーケット「トライアル Quick大野城店」では、夜間の完全無人化やスマートレジカートといった取り組みと併せて、ダイナミックプライシングを導入しています。
電子型のプライスカードをすべての商品に導入しているため、商品の需要と供給をリアルタイムで確認しながら価格設定を行なっていくことが可能です。
プライスカードが電子型でなければ、価格を変更するたびにスタッフが商品棚まで足を運び、価格変更の作業を行わなければなりません。しかし、電子型のプライスカードであればネットワーク上のパソコンから一括で情報を送信させることができるため、効率的に表示価格を変更させることができるわけです。
従業員の負担を増加させることなくダイナミックプライシングを実現できているという点は、大きな魅力といえます。
コスモエネルギーホールディングスでは、2019年8月から、顧客のガソリンスタンド利用状況に合わせた割引サービスを提案するためのアプリを導入しています。
このアプリでは、クーポンの利用状況から来店頻度や給油量といったデータを集めることによって、「値引き額が少ないと来店しにくい顧客に対しては値引き額を増やす」といったサービスを実現しているそうです。

ローソンでは、電子タグを活用した実証実験を「ローソンゲートシティ大崎アトリウム店」で実施しています。この実証実験は、商品に付いている電子タグから賞味期限が迫っている商品の特定を行い、電子型のプライスカードに新たな価格を反映させるという取り組みです。実験用のLINEアカウントでも商品の情報が通知される仕組みになっており、対象商品を購入した場合にはLINEポイントの還元が行われるといいます。
このように、近年は国内外でダイナミックプライシングを導入する企業が増えている状況です。今回ご紹介した事例からも、ダイナミックプライシングには多くのメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。しかし、必ずしもメリットばかりではありません。
ダイナミックプライシングの先進国であるアメリカでは、巨大ハリケーンが訪れた際に水の需要が高まり、一時的にAmazon内で水の価格が急騰したため問題視されています。このような状況においてダイナミックプライシングによる価格の急騰が起きれば、企業の信用が一気に失われてしまう可能性もあるのです。
そのため、AIに価格設定を任せるだけではなく、消費者からの信頼を高めていくための取り組みを積極的に行っていくことも大切になります。
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