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日本一のAI県へ!おおいたAIフェスタイベントレポート Innovation LAB 地方創生の取り組み

最終更新日:2024/04/05

2022年10月2日(日)に大分駅前広場で「おおいたAIフェスタ」が開催されました。

株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ(以下、NTTPC)が、AIコラボレーションプログラム「Innovation LAB」のパートナーである「株式会社Fabo」、「株式会社Archaic」、「株式会社Roxy」とともに参加し、各社の先進的なAIサービスについてのデモンストレーションが行われました。

このイベントの様子をNTTPCのメディアパートナー、AIsmileyが写真を中心にお届けします。

※新型コロナウイルス感染予防対策を行い、ソーシャルディスタンスを確保した上で撮影しています。

おおいたAIフェスタ開催!

 

本イベントは、大分県下の企業や団体、学校ならびに個人の方々に、AIによる先端技術を身近に感じていただくためのイベントです。大分県と公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所が開催しました。

オープニングでは、大分県商工観光労働部長の利光秀方氏とおおいたAIテクノロジーセンター長で元Google米国本社副社長兼Google日本法人代表取締役の村上憲郎氏が挨拶を行いました。

 

――村上氏

今回のイベントの開催に当たり、様々な方のご協力をいただきました。

NTTPCさんやNVIDIAさんに至っては、県の様々な方々に使用していただける最新のサーバー環境を提供してもらっています。改めて御礼を申し上げます。

AIという少し距離のある技術ですが、様々なAIに関する挑戦に取り組んできた県の方々には御礼を申し上げたいと思います。

このAIフェスタを通じて、AIがどこまで来ているのか感じていただければと考えております。

地方創生の一環として、考える

AIをもっと身近に感じることができる1日になってほしい

続いて、大分県商工観光労働部長 利光秀方 氏が大分県におけるAIや先端技術の取り組みについて話されました。

――利光氏

大分県では、スペースポートやアバターなどの先端技術に関する取り組みを推進しています。先端技術もすでに夢や研究開発の段階を超えて、まさに私たちの社会に効率化や様々なメリットをもたらす基礎段階に入っています。

とりわけAIについては、すでに皆様の周りにも多数活用されており、我々の生活やビジネスの高度化などに活用されています。大分県としてもAI開発の推進には力を入れています。

ビジネス向けには、セミナーの実施や研修会の開催、AI開発に必要なGPUを活用できる環境整備に取り組んでいます。

県民の皆様の中には、AIというのはまだ映画の中の世界、もしくはその一部の研究者やIT技術者だけが研究しているジャンルだと考えていらっしゃる方もいるかもしれません。そのような皆様に、このおおいたAIフェスタを通じて、AIの持つポテンシャルやAIが活用されて、私たちの生活を良くしているという実態を感じていただきたいと思っています。また若い方や子どもたちには、今回のおおいたAIフェスタを通じてAIや先端技術に興味関心を持っていただき、将来のAIや先端技術を担う人材になっていただきたいと考えています。

現地ブース紹介

おおいたAIフェスタでは、合計8団体が出展、NTTPCはInnovation Labとして「株式会社Archaic」「株式会社Roxy」と共にブースを展開しました。

出展企業一覧

・株式会社Archaic
・株式会社Roxy
・NTTドコモ
・ソフトバンクグループ
・津久見商工会議所
・株式会社APC
・柳井電機工業株式会社
・シェルタス

地場産業の企業に無料AIを活用してほしい

 

株式会社Archaicは、Innovation LABとして出展されています。ブースでは、CEOの横山 淳氏がAI Open Cameraの説明を行っていました

――今回展示されている製品について教えてください

――横山氏

今回、展示しているのはAI Open Cameraです。既存の監視カメラをマーケティング用のカメラにも活用できるエッジAIとして提供しています。

こちらの製品は、カメラに写っている人物の解析をしています。

年齢や性別、お客さまがどの程度いらっしゃるのか、何分くらい店に滞在しているのか、解析しています。
また、お客さまの滞留時間や店舗内での移動距離なども分かる製品となっています。

 

通常であれば、このような画像認識AI製品は、専用のワークステーションや高性能コンピューターで動く製品が大半ですが、このAI Open Cameraは、ノートパソコンなどでも軽く動かせるものです。

監視カメラとノートパソコンさえあれば、AI Open Cameraをダウンロードするだけで、他に一切必要せずにすぐ使い始めることが出来ます。

 

――展示されている画面について教えてください

――横山氏

この画面には、カメラで追跡している方々が映し出されています。これをトラックドセカンドと言います。画面内にどのぐらい存在していたかを計測しており、店舗に置き換えれば来店されたお客さまの滞在時間がわかります。

また、単に追跡するだけでなく、特定のお客さまがなぜ店内に長くいたのか等の行動解析も可能です。

例えば、お店からすぐに出て行かれた方がいる一方で、70秒近く店舗内に滞在していた方がいるとします。
AI Open Cameraの画面内では、その客さまが何秒くらいどこの場所にいたのかリアルタイムで表示されています。さらに、過去を遡ってその人の行動を確認することができますので、どの時間、どこにいたのかを振り返って解析することができます。
プレビュー機能なども用意しているので、弊社の製品を使用していただくことで、お客さまのふるまいを理解して売上向上などに活用していただければと考えています。

 

――この製品の特長などあれば教えてください

――横山氏

この製品の最大の特徴は、初期費用も月額費用も完全無料で提供している所です。先ほど申し上げた通り、専用のコンピューターやGPUが不要となり、ノートパソコンと監視カメラがあれば動くものとなっています。

世界と比較して、日本はAIの活用が遅れていると考えています。そのため、我々のようなAIを開発している会社などが、無料AIのような大胆な試みを仕掛けていかないと日本は変わりません。日本を変えるという強い思いでこの製品を出しています。

――どういう企業にAI Open Cameraを導入してほしいと考えていますか。

――横山氏

地場の産業や地元商店街の店舗など、企業体力がないところやAIによる業務効率化などに手が回らない企業に使用してほしいと考えています。

イオンを始めとした大手のショッピングモールは、自社での実証実験や、様々なベンダーと取り組みを実施しています。よってAI Open Cameraは、企業体力のない地場の企業や、AI導入やDXを実現したいものの各種デジタル化をする暇がない企業にこそ使用してほしいと考えています。

大分県内においても、数店舗から10店舗程度展開されている企業でも、なかなか手が回ってないケースが多いです。

 

 

AI Open Cameraは完全無償なので知識やノウハウがなくともトライアルで使用していただければと考えています。

トライアルを通じて、AIの実態やAIで可能なことを実感していただき、必要に応じて機能が豊富な有償製品へのアップグレードを検討頂ければと思います。きっと無償の製品でも「ここまで実現することが出来るのか」と、AIの良さがわかると思います。

最近の例では、商店街の組合でダウンロードしていただき、複数の店舗で使用して頂いたケースもあります。

この手の製品は一般的にありますが、サブスクリプションサービスが大半で、月額10~20万円を支払う形となっています。そのため、一時的な使用には不向きなものとなっています。我々の製品は、無料なので、短期やスポットでの使用が可能です。人流が貴重なデータとなる展示会など、期間限定のイベントを運営される企業の方々から熱い視線を頂いています。

 

――今後の方向性などについて教えてください

――横山氏

現在、様々な会社から開発に関して多数の要望や使い方のレクチャーに関する問い合わせが来ています。お客さまからの要望を受け、私たちで請負開発をするケースもあります。導入サポートや撮影したデータ解析などのコンサルティングなどを通して、私たちとAI導入先の企業がWin-Winとなる関係を目指しています。

人出不足の解消・品質安定化にAIを活用


株式会社Roxyのブースでは、代表取締役社長 石黒貴之氏がAIに興味がある学生やビジネスマンの方々にRoxy AIについて説明をしていました。

――今回展示されている製品について教えてください

――石黒氏

今回は、外観検査に関するプロダクトを展示しています。
主に製造業の現場で使いこなせるAI検査として、誰でも簡単に扱うことのできるAI検査製品サービス「Roxy AI」の展示をしています。デモンストレーションの事例として、しらす検査の事例を展示しています。

 

――この画像にどれくらいのゴミなどが含まれているのですか?

――石黒氏

状況によりますが、小魚以外にも魚糞や木くず、海洋ゴミなどが混入しています。
特に、釣り針などは口に入れてしまうと大変なことになります。また、小さくてもフグには毒があるので、非常に危険な存在で必ず取り除かなければなりません。

一般的な中小企業だと人手で作業しており、大体2人から3人でゴミの取り除きを実施しています。また、機械で半自動的に作業を行っている所もありますが、金属系なら金属探知機で検知することができるものの、木くずやフグなどの小魚には反応しません。

お客さまによっては、長年の経験から手早く仕訳をしている方もいますが、年々高齢化が進み、若い人たちでも出来ないか?ということで開発しました。

操作は簡単で、マウスクリックで検知できる仕組みとなっています。導入された企業からは「ITに疎い方でも理解・操作ができる」という点を非常に大きく評価いただいています。

現地の企業のAIの取り組み

今回のおおいたAIフェスタでは、「Innovation LAB」以外でも珍しい取り組みをしている企業のブースもありました。地場の企業およびSIerにとってもAIのプロと知り合えるチャンスとなっています。その中でも、お酒造りにAIを組み込む開発を行っている柳井電気工業株式会社の吉村氏にお話をお伺いしました。

 

――今回展示されている製品について教えてください

――吉村氏

今回は、酒造りに関する取り組みを展示しています。匠の技として感覚で判断していたお米の吸水率をAI技術の活用で指標をリアルタイムに示すことにより、経験の浅い杜氏の手助けができるシステムを展示しています。

お酒造りでは、最も重要なのが「洗米・浸漬」の一つである「限定吸水法」と呼ばれる工程です。この吸水率に関しては、人間の目でお米の白さ具合を判断しており、杜氏しかできない工程です。
この工程は、ただでさえ杜氏が減少している中において、習得するまでに約10年かかると言われています。

この吸水率が、0.1~2%変わるだけでお酒の味が変化します。

経験値のある杜氏はしっかりと判断できるのですが、次の世代の杜氏を育てるために、今回展示している技術を活用していただき、日本の伝統を守りたいと考えています。

 

――このシステムはどういうシステムなのですか

――吉村氏

杜氏が目視で判断しているところに着目して、下から照明を当ててカメラで1秒に1枚撮影し、パソコンで継続的にデータを送って解析しています。写真を基に今お米の吸水率が何%かを予測しているのです。そのため、あくまでも指標として参考にしていただいています。状況などによって誤差もあるのですが、予測ができるということが分かったので、引き続き検証を進めながら小型化を進めています。最終的には、スマートフォンで撮りながら今吸水率が何%かわかるものが出来ればと考えており、引き続き開発中です。

 

――このシステムの開発において、大変だったところはありますか

――吉村氏

タグ付けに苦労しました。杜氏によると『色で吸水率がわかる』ということで、それを信じて画像認識AIを開発しました。タグ付け作業をする際に変化する色ごとに杜氏へ吸水率を確認し、この学習モデルを作りました。このタグ付けの作業が、杜氏と私たちが一番苦労した所です。データからも、杜氏が色で判断しているということが間違いないと確認できました。

――どんな企業にこのAIを活用してほしいでしょうか?

――吉村氏

現在の利用実績はまだ1社なので、沢山の酒蔵に使用して頂きたいです。様々なお米の種類を集め、データを収集し、精度向上につなげていきたいと考えているため、協力していただける酒蔵を探しています。

 

日本一のAI県、大分県


閉会に先立ち、NTTPC Innovation LAB担当の高島綜太氏がコメントを述べました。

――高島氏

2年ほど前の2021年1月頃、大分県のAI導入を推進するために、NVIDIAのGPUを様々な企業で簡単に活用していただける協定を弊社と大分県で締結しました。

こういう協定はたいてい締結後に尻すぼみになることが多いのですが、大分県はまったく違いました。利用協定の締結後、大分県ではAIに関する様々なプロジェクトやイベントが進行しています。

本日のこのAIフェスタというイベントも、1つの集大成だと感じています。大分県の企業はもちろんのこと様々な企業が全国各地から集まり本当に魅力的なプロダクトが展示することができました。

AIと言えば大分県、日本一の温泉街ならぬ日本一のAI県「おおいた」ここにありと、全国に発信できたイベントになりました。

人工知能が一般的に浸透してきた

閉会の挨拶では、公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所の所長 青木栄二氏がコメントを述べました。

――青木氏

今日一日、通りすがりの方々がこのイベントどう見ているか気になりずっとウォッチしていました。やはりAIを好意的にとらえている方が多く、人工知能が浸透してきていると感じました。

ひょっとすると5年後には、その辺の自動車が全て自動運転になっている可能性が高いと考えています。
アメリカのとある地域では、NVIDIAのGPUを搭載した自動運転車が多数走行しています。

そういう時代だからこそ、大分から始めようよということで、大分市では、既に自動運転バスが走行しています。それくらい身近なところにAIは来ています。

3、4年前からAIに関する取り組みは行っていましたが、コロナ禍により一般の製造業やサービス業などにAIの普及や展開が出来ませんでした。
ただ、今後は、このAIフェスタをきっかけにAIが浸透していくのではないかと思います。

今回のイベントに参加してみて

大分県で行われた「おおいたAIフェスタ」の様子を写真中心にお届けしました。イベントを通して、NTTPCの大分県での取り組みや、Innovation LABの取り組み、また大分県のAIの利活用の状況等をなど取材させていただきました。
大分県では、NTTPCとの協定を背景として様々なAIの取り組みを実施中であり、教育面をはじめとしてその先進的な取り組みの一部を垣間見ることができました。
また、AIが身近なせいか、AI-ラジコンカーのレースにおいても、AIに勝つことを意識した戦い方が展開されており、会場が活気に溢れて大きな勢いを感じました。

Innovation LABについて

「Innovation LAB」は、NTTPCが展開しているAI共創パートナープログラムです。
同社は、2021年1月に大分県、公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所と三者協定を締結し、官民で利用できるGPUプラットフォームを提供することによって、今回の「おおいたAIフェスタ」のような全国と地方をつなぐ地方創生の場を支援中です。

「Innovation LAB」のミッションは、先進的なAI技術を通して社会や産業にイノベーションを起こそうとしている企業・団体を支援すること。そして多種多様な強みをもつ人々が集まり「持続的なパートナーシップ」を形成することで、ひとつの企業によるそれを上回る、新たな価値を“共創”することです。興味がある方は、ぜひ下記のボタンからアクセスしてみてください。

Innovation LABに興味がある方はこちら

インタビュー:伊藤 大樹
文:佐藤 正一

伊藤大樹

AIsmiley編集部。大手介護企業に新卒入社後、ホールディングスの管理部門で子会社の人事・労務管理業務に従事。
2018年8月に株式会社アイスマイリーに入社、インサイドセールスとAIニュースのコンテンツディレクターを担当。インサイドセールス、コンサルティングチームの構築から、サイト設計コンテンツ企画を行う。

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