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最終更新日:2025/10/07
NPUとは?CPU/GPUとの違いを解説
「AI搭載パソコン」という言葉を耳にする機会が増えたものの、その核となる「NPU」がどのようなものか分からず、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、NPUの基本的な役割や性能の見方、従来のプロセッサーとの違いをわかりやすく解説します。AIパソコン選びで後悔しないために、まずはNPUの基礎知識を身につけましょう。

NPUは、AI処理に特化した新しいタイプのプロセッサーです。従来のCPUやGPUとは異なる特徴を持ち、AIの推論処理において高い効率性を発揮します。
NPUは「Neural network Processing Unit」の略称で、AIの推論処理に特化したプロセッサーです。脳の神経細胞を模したニューラルネットワークという仕組みを使い、データからパターンを学習して結果を導き出す処理を実行します。
従来のCPUやGPUでも同じ処理は可能ですが、これらは幅広い用途に対応するための汎用的な構造を持つため、AI処理における「電力あたりの処理効率」ではNPUに劣ります。NPUは、パソコンやスマートフォンなど身近な端末に搭載され、AI対応アプリケーションをローカルで実行する際に重要な役割を担っています。
TOPSは「Tera Operations Per Second」の略で、1秒間に実行できる演算回数を兆単位で示す指標です。たとえば「40TOPS」であれば、1秒間に40兆回もの演算ができるという意味になります。TOPSが大きいほど、AI処理の速度が速いことを表しています。
マイクロソフトが提唱する「Copilot+PC」では、NPU単体で40TOPS以上の性能が要件として定められています。ただし、パソコン全体の性能はTOPSだけで決まるわけではありません。CPUの処理能力やメモリ容量、ストレージの速度なども影響するため、こうした要素も考慮する必要があります。

NPUは、CPUやGPUとは異なる構造と得意分野を持っています。それぞれのプロセッサーが担う役割を理解することで、NPUの存在意義がより明確になります。
ここでは、NPUとCPU、GPUとの具体的な違いについて見ていきましょう。
CPUは複雑な命令を順次処理する演算ユニットを少数配置した構造で、パソコンの「頭脳」として動作します。一方、NPUは単純な演算ユニットを多数並列・多段に配置し、大量の処理を同時に実行する構造です。
CPUはさまざまな命令の実行やシステム制御を得意とし、NPUはAIの推論という特定の処理に強みを発揮します。NPUがAI処理を専門に担うことで、CPUは本来のOS制御やアプリケーション実行といったタスクに集中でき、パソコン全体のパフォーマンスが向上するのです。
| プロセッサー | 構造 | 得意な処理 |
|---|---|---|
| NPU | 単純な演算ユニットを多数並列・多段に配置 | AIの推論処理(並列処理) |
| CPU | 高性能な演算ユニットを少数配置 | 複雑な制御や命令の逐次処理 |
GPUは画像処理のために開発された経緯があり、陰影や光の反射といった演算をスピーディに並列計算できる特徴を持ちます。現在ではデータセンターにおけるAIの「学習」段階で広く活用されています。
対してNPUは、個々のデバイス内でAIの「推論」処理を実行することに特化しており、低い消費電力でスピーディな処理を実現します。得意な演算領域の違いから、インターネット上のサーバーで動くクラウドAIではGPUが、パソコンやスマートフォンといった手元の端末で動くエッジAIではNPUが、それぞれ中心的な役割を担う傾向にあるのです。
NPU搭載パソコンは、AI処理の効率化によってさまざまな利点をもたらします。
ここでは、NPU搭載PCがもたらす主な4つのメリットについて見ていきましょう。
NPUがAI処理に特化して実行することで、リアルタイムの画像認識や音声解析、自然言語処理といった処理が高速化されます。具体的には、オンライン会議におけるカメラ映像の背景合成や目線補正など、瞬時の反応が求められる機能がスムーズに動作するようになるのです。
従来のCPUだけでは負荷が大きすぎて処理が追いつかなかった場面でも、NPUの専門性が活きて快適な動作を保ちます。将来的には、より高度なAI機能を持つアプリケーションが登場すると予想されており、NPU搭載PCならそれらを快適に利用できる可能性があるでしょう。
これまではCPUが担っていた負荷の高いAI処理を、NPUが肩代わりすることで、CPUのリソースが解放される効果があります。
結果として、AI処理を実行している最中であっても、他のアプリケーションの動作が遅くなりにくく、複数のタスクを同時に進めるマルチタスク環境が快適になるのです。
NPU非搭載のパソコンでAI処理を行うと、CPUの処理能力がAI処理に割り当てられてしまい、他の作業が重くなってしまう恐れがありました。NPU搭載PCではそうした問題が改善され、高性能なGPUを搭載していなくても動画編集といったAI処理を快適に行えます。
NPUは、「INT8」と呼ばれる8ビット整数のような低精度の演算を得意としており、CPUやGPUよりも低い消費電力でAI処理を実行できます。CPUが32ビットなど精度の高い演算を行うのに対し、機械学習においてはそこまでの高い精度が求められない場合も多く、低精度演算でも処理の質にはほとんど影響がありません。
この省電力性能は、ノートパソコンやスマートフォンなどバッテリー駆動のデバイスにとって、長時間の利用につながる大きなメリットとなります。AI機能の利用が一般的になった場合でも、バッテリー駆動時間が短くなる懸念が少ないため、外出先での使用も安心です。
NPUを搭載したパソコンでは、デバイス内でAI処理が完結する「エッジAI」が可能になります。従来のクラウドAIでは、AI処理を行う際に一旦データをインターネット経由でクラウド上にアップロードする必要がありましたが、その過程で不正アクセスや情報漏洩のリスクが潜んでいました。
NPU搭載PCなら、機密情報やプライバシーに関わるデータをクラウドに送信せずに処理できるため、セキュリティリスクを低減できます。加えて、インターネット接続が不安定な環境や、通信できない状況下でも、AI機能を安定して利用できる点もメリットといえるでしょう。

NPU搭載パソコンには多くのメリットがありますが、購入を検討する際にはいくつか注意すべき点も存在します。
ここでは、NPU搭載パソコンを選ぶ際に確認しておきたい3つの留意点について解説します。
特にQualcomm社のNPUを搭載したパソコンは、従来のIntelやAMDのアーキテクチャと異なる設計になっているため、古いアプリケーションが正常に動作しない可能性があります。「Prism」などのエミュレーターを介して動作させることは可能とされていますが、完全な互換性が保証されているわけではなく、まだ検証されていない部分も多く残っています。
そのため、業務で使用する特定のソフトウェアや、日常的に利用しているアプリケーションがある場合は、NPU搭載パソコンでの動作実績をあらかじめ確認することが大切です。互換性の問題で業務に支障が出ては本末転倒ですので、慎重な対応が求められるでしょう。
NPU搭載パソコンの普及は始まったばかりであり、NPUの性能を最大限に活用できるAI対応アプリケーションはまだ多くありません。OS標準の機能や一部のソフトウェアから対応が進んでいるものの、多くのサードパーティ製アプリケーションが本格的に対応するまでには時間がかかる可能性があります。
そのため、NPUの恩恵を受けられる場面が限定的であり、期待していた機能が使えないケースもあるでしょう。NPU搭載パソコンの購入は、現在の機能だけでなく将来的な発展への投資という側面もあると理解し、過度な期待は避けることが大切です。
NPUを搭載した最新のパソコンは、同程度の基本性能を持つNPU非搭載パソコンと比較して高価になる傾向があります。安価なモデルでも13万円程度から、上位モデルになると30万円を超える製品も存在するのです。自身の用途がWebブラウジングやドキュメント作成が中心で、高度なAI処理をあまり必要としない場合、オーバースペックとなり費用対効果が低くなる可能性があります。
また、本格的な画像生成AIなどを利用したい場合は、NPU搭載パソコンよりもGPUを搭載したゲーミングPCやクリエイター向けパソコンの方が、現状ではコストパフォーマンスに優れている場合もあるため、用途に応じた選択が重要です。
NPU市場には、いくつかの主要メーカーが参入しており、それぞれ独自の技術と特徴を持つ製品を展開しています。
ここでは、主要4社のNPUについて名称や搭載製品、特徴をまとめました。
| メーカー | NPU名称 | 主な搭載製品 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Intel | Intel AI Boost | Core Ultra シリーズ | ノートPC向けの「Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)」ではCopilot+要件を満たすモデルも登場しています。 |
| AMD | Ryzen AI | Ryzen AI 300 シリーズなど | デスクトップ向けCPUにもNPUを搭載しており、AI PCを自作することも可能です。 |
| Qualcomm | Hexagon | Snapdragon X Elite/Plus | スマートフォン向けCPUで培った技術がCopilot+ PCで採用され、話題となりました。 |
| Apple | Apple Neural Engine | iPhone, iPad, Mac (Mシリーズチップ) | Windows PCではありませんが、iPhone 8の時代からNPUを搭載している実績があります。 |
Intel社が開発したNPUは「Intel AI Boost」という名称で、同社の「Core Ultra」プロセッサーシリーズに搭載されています。特に、ノートパソコン向けの「Core Ultraプロセッサー(シリーズ2)」では、マイクロソフトが定めるCopilot+PCの要件を満たす性能を持つモデルも登場しており、AI機能を手軽に利用できる環境が整いつつあります。
Intel社は長年にわたってPC向けCPU市場で高いシェアを維持してきた実績があり、その信頼性と互換性の高さから、多くのパソコンメーカーがIntel AI Boost搭載モデルを製品ラインナップに加えています。幅広い選択肢から自分に合ったパソコンを選べる点が強みといえるでしょう。
AMD社のNPUは「Ryzen AI」という名称で、モバイル向けCPU「Ryzen」シリーズに搭載されています。特に、Copilot+PCの要件を満たす「Ryzen AI 300」シリーズは、高いNPU性能を誇り、難しいAI処理にも対応可能です。
AMD社は、エントリーモデルを除く「Ryzen 7040シリーズ」において、x86プラットフォームとして世界で初めてAIエンジンを搭載した実績を持ち、NPU技術の先進性を示しています。さらに、デスクトップ向けCPU「Ryzen 7 8700G」や「Ryzen 5 8600G」にもNPUが搭載されており、自作PC市場においてもAIパソコンを構築できる選択肢を提供している点が特徴的です。
Qualcomm社のNPUは「Hexagon」という名称で、もともと同社のスマートフォン向けCPU「Snapdragon」シリーズで実績を積み重ねてきました。その技術力が注目を集めたのが、Copilot+PCの登場時です。
PC向けCPU「Snapdragon X Elite/Plus」は、45TOPSという高いNPU性能を持ち、現時点ではCopilot+PCとして認証されている唯一のプロセッサーとなっています。スマートフォン市場で培ったモバイル技術により、省電力性能とAI処理性能を高いレベルで両立している点が、Qualcomm社のNPUの強みといえるでしょう。
Apple社は「Apple Neural Engine」という名称のNPUを、iPhoneやiPad、Macに搭載される自社設計の半導体「Apple Silicon(Mシリーズチップ)」に組み込んでいます。
Windows PCとは異なるプラットフォームですが、iPhone 8の時代からNPUを導入しており、業界の中でも比較的早い段階からAI処理への取り組みを進めてきた実績があります。
OSやアプリケーションとの緊密な連携により、独自のAIエコシステムを構築している点が特徴です。最新のM4チップでは38TOPSのNPU性能を誇り、Apple製品におけるAI体験の中核を担う存在として、写真編集や音声認識などさまざまな場面で活用されています。
NPUは、AI処理に特化したプロセッサーとして、パソコンやスマートフォンにおける新たな可能性を切り開いています。CPUやGPUと比較して「電力あたりの処理効率」に優れ、バッテリー駆動時間の延長やシステム全体の快適化を実現するのです。
NPU搭載パソコンは、AIアプリケーションの高速化、CPU負荷の軽減、省電力化、セキュリティ強化という4つの大きなメリットをもたらします。一方で、アプリケーションの互換性、AI対応ソフトの少なさ、費用対効果といった留意点も存在します。
Intel、AMD、Qualcomm、Appleといった主要メーカーが独自の技術でNPU市場に参入しており、今後さらなる発展が期待される分野です。
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