生成AI

最終更新日:2024/02/14
さまざまな分野でAI・人工知能の導入が進む中、最近では婚活、人材発掘といったあらゆる分野でのマッチングにも活用され始めています。マッチングにAIを活用することによって、どのような変化が生じるのでしょうか。
マッチングにAIを活用することで得られるメリットや、実際にマッチングAIを導入した企業の事例などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
冒頭でもご紹介したように、近年はマッチングAIを求人・人材派遣・人材紹介といった分野で活用するケースが多くなってきています。では、人材分野でマッチングAIを活用すると、どのようなことが実現できるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
人材分野でマッチングAIを活用すると、さまざまなことを実現できるようになります。その一例として挙げられるのは、求職者マッチングや求人マッチングの精度を高められるという点です。
AIは、膨大なデータを学習することによって、高い精度での分析・予測を実現できるという特徴があります。そのため、マッチングにおいても「これまでに利用したユーザーのデータ」や「そのユーザーが入力した詳細データ」を有効活用することによって、より適切なマッチングを実現できるのです。
人材分野でのマッチングAIの仕組みとしては、まず依頼企業側のニーズをもとに「マッチング条件」を抽出していきます。抽出されたマッチング条件は数値化されるケースが多く、一般的に「スコア化」と呼ばれるものです。
そして、スコア化されたマッチング条件の組み合わせと、蓄積された過去のマッチング実績を比較することによって、最適なマッチング候補を表示させていきます。これにより、より効率的かつ高精度なマッチングを実現することが可能です。
AIを活用しない場合の違いとしては、やはり「マッチングの効率化」を実現できる点が挙げられるでしょう。従来のマッチングでは、データ収集や編集といった作業に加え、個人や企業へのサポート対応といった業務も発生します。そのため、人手不足の企業にとって大きな負担となってしまうのです。
その点、AIを活用すれば、蓄積されたデータを効率的に整理・活用できるようになるため、より効率的なマッチングを実現できるようになります。人手不足が深刻化している現代でもマッチングの効率化を実現できる点は、AIを活用しない場合との大きな違いといえます。
マッチングAIを活用することで得られるメリットとしては、まず「人材発掘に費やす時間を軽減できること」が挙げられるでしょう。先ほどもご紹介した通り、データのスコアかによって効率化できることで、マッチングにおける従業員の負担が軽減されます。
また、膨大のデータを活用することによって、マッチングの精度を飛躍的に高められる点も、大きなメリットの一つといえます。これまでのマッチングは人の手で行われていたため、偏見や差別が生まれてしまうケースもゼロではありませんでした。しかし、AIを活用すれば、明確な評価基準をもとにフラットなマッチングを実現できます。
マッチングAIの活用は、必ずしもメリットばかりというわけではありません。たとえば、AIを活用しても100%のマッチングを実現できるわけではない点は、一つのデメリットといえるでしょう。
また、マッチングの精度を高めるためには、さまざまな情報を網羅する必要があり、その分の手間がかかってしまう可能性もあります。より高い精度でのマッチングを実現したい場合には、データ収集に力を注ぐ必要がある点は、あらかじめ把握しておくべきポイントといえるでしょう。
そして、感情認識でのマッチングは難しい点も、マッチングAIにおけるデメリットの一つといえます。
仕事と人の出会いをマッチングする人材派遣の分野でも、AIの活用が進められています。技術者派遣に強みを持つフォーラムエンジニアリングでは、2016年からIBMの人工知能「Watson」によるマッチングサービスを展開。IT業界から自動車関連など、約5,000人ものエンジニアが登録しています。従来の人材派遣サービスでは、以下のような流れを踏むため、膨大な候補者データから絞り込む必要があり、非常に時間の掛かる作業でした。
エンジニアごとの人柄や嗜好はコンサルタントが判断していたため、最適な人材をマッチングするスキルが属人的になりやすかったといいます。
AIを活用した人材派遣サービス「Insight Matching」は、候補者とAIがチャット形式で対話します。候補者の業務経験とスキル、募集案件や企業とのマッチング度合いを示す「COMPAS」、候補者の入力情報から市場価値を測定する「SOEFIA」、Watsonの性格分析機能(Personal Insights API)が候補者の性格を把握する「SIDUS」の3つの機能が提供され、人材マッチングのための定量データを提供しています。対話では、履歴書だけでは得られにくい趣味や性格なども把握できるそうです。
こうして分析された情報をスコアリングし、適正を数値化して企業ニーズや業務内容にマッチングする候補者をコンサルタントに提案します。実際に「Insight Matching」の導入で商談時間が半分に短縮されるといった効果が現れているといいます。
現時点では、ユーザーとの対話はテキストベースですが将来的には音声での対話も導入するそうです。
近年は、人材発掘だけでなく婚活分野でもマッチングAIが活用され始めています。具体的にどのような形でマッチングAIが活用されているのか、詳しくみていきましょう。
婚活アプリ業界では昨今「AI」がバズワードになっています。ただ、多くのアプリは人工知能搭載をうたっているものの、実際は年齢や年収、趣味といった条件から割り出したペアをマッチングするに過ぎず、本当にAIを活用しているものは少ないともいいます。
そうした中、婚活支援サービス大手のパートナーエージェントはFRONTEOが独自開発した人工知能「KIBIT」を導入し、AIで成婚データの特徴を解析するサービスを開始しています。
KIBITは、会員の紹介文から人柄や価値観・好みといった定性情報やプロフィールデータの特徴を学び、過去の成婚実績データも踏まえて、可能性の高い候補者をスコアリング(点数化)。同社のコンシェルジュにデータを提示することで、一人ひとりに合わせた最適な提案が可能になるといいます。
人工知能の導入に踏み切った背景には、1人あたり100人以上の会員を抱える専任コンシェルジュの負担を軽減しつつ、より精度の高いマッチングを提供するという目的があります。とくに、年齢や年収、身長といった数値データのみで判断するとはじかれてしまう、「人柄」や「相性」といった側面でのマッチング強化につながったといいます。
KIBITを導入して半年が経過した2018年11月時点では、マッチングしたカップルのうち10組が成婚に至ったそうです。
ビジネスマッチングでAIを活用するケースも多くなってきています。その一例として挙げられるのが、製品・サービスを提供する会社と、その購入や導入を検討している企業のマッチングにAIを活用するというものです。企業ごとに抱えている課題は大きく異なります。中には、「そもそもどのような点が課題として浮かび上がっているのか」を適切に把握できていないケースも少なくありません。そのため、製品・サービスを提供する企業と、その購入・導入を検討する企業がマッチングすることは高いハードルとなっているわけです。
しかし、ビジネスマッチングにAIを活用すれば、より効率的に「課題解決に必要な製品・サービスを提供している企業」を見つけ出せるようになります。そのスピードを飛躍的に向上できる点は、双方の企業にとって非常に大きなメリットといえるでしょう。
NTTコミュニケーションズ株式会社は、門真プラットフォームに対し、門真市の中小企業と日本全国の企業間の製造業における受発注取引をマッチングさせるシステムを提供します。また、KPFは、本システムを活用した「KPF受発注システム」を、2022年11月1日より提供開始しました。
日本の中小製造業では、新型コロナウイルス感染拡大などに伴うメーカー各社の工場稼働停止・生産量の減少などにより、取引数が著しく減少しています。取引の活性化が急務な一方で、多くの企業は、従来の取引先や所在地周辺の企業との取引に限られることが多く、受発注先を知らないことにより機会損失を生じています。NTT Comは本システムの提供により、多くの企業が自社の強みを活かし、新たな領域で受注拡大することを支援していきます。
本システムは、AIにより受発注企業のマッチングを行うこと、案件登録から支払いまで受発注取引における一連のプロセスを支援すること、発注企業が指名した企業から見積りを取得できることなど、製造業における受発注をICT(情報通信技術)によりサポートするものです。
今回は、人材発掘や婚活といった分野での活用が広がるマッチングAIについてご紹介しました。AIが定量・定性データの両面から客観的に判断することで、人間によるマッチングでは思いもよらなかったような組み合わせが生まれるようになります。
より高い精度でのマッチングが実現され、新たな可能性が広がっていくことの魅力は非常に大きいものといえます。今後、どのような分野でマッチングAIが活用されていくか、ますます目が離せません。
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