生成AI

最終更新日:2025/12/17
Geminiとは?料金や使い方を紹介
生成AIの競争が激しさを増す中で、Google が提供する最新AIモデル「Gemini」への注目が急上昇しています。ChatGPT の対抗馬として比較検討の対象に挙がるケースも増えており、ビジネス・教育・開発など幅広い分野で導入が進んでいます。
本記事では、Gemini の概要から特徴、できること、料金、導入ステップ、他AIとの比較、活用事例まで総合的に解説します。これから Gemini を業務に活かしたい企業や担当者の方が、5分で理解できる構成になっています。

Gemini は、Google が開発した大規模言語モデル(LLM)で、文章や画像、音声、動画、コードなど複数の形式の情報を横断して処理できる「マルチモーダルAI」として設計されています。従来のテキスト中心のAIモデルとは異なり、人間が扱う複雑な情報をそのまま理解し、より自然で柔軟な応答が可能です。
文章作成や要約だけでなく、画像の内容を読み解き、構図の説明や改善案を提示したり、音声を文字へ変換したり、動画の内容を短時間で要約したりと、多様な分野で活用できます。また、コード生成やデバッグ、データの統計分析にも対応しており、ビジネス・教育・開発・個人利用まで幅広いシーンで役立つ点が特徴です。
すでに Google Workspace を利用して日常的に Gmailや Docs、Sheets を業務に取り入れている企業にとって、Gemini は非常に導入しやすいAIとして機能します。Google アカウントと連携し、既存の業務フローに自然にAI機能を組み込めるため、導入のハードルが低く、短期間で効果を実感しやすい点が魅力です。
Geminiには、利用目的に応じて 「Nano」「Flash」「Pro」「Ultra」 の4種類のモデル体系が用意されています。スマートフォンに搭載される軽量モデルから、データセンターで高度な推論を行う最上位モデルまで幅広く、ユーザーの用途に合わせて最適なパフォーマンスを選べる点が特徴です。
| モデル | 主な用途 | 動作環境 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Gemini Nano | スマホでの要約・返信生成・オンデバイスAI | 端末内で動作 | 軽量・省電力・オフライン対応 |
| Gemini Flash | 高速レスポンスが必要なアプリ・チャットボット | クラウド | 高速処理に最適化されたバランス型 |
| Gemini Pro | 文章生成・分析・画像理解・業務活用全般 | クラウド | 多用途に対応するメインモデル |
| Gemini Ultra | 複雑な推論・専門分析・大規模データ処理 | データセンター | Gemini最上位モデル・高精度 |
Gemini Nanoは端末内で動作する小型モデルで、スマホ上での文章要約や自動返信の生成など負荷の小さいタスクに向いています。Flashは高速処理を重視したモデルで、リアルタイム性を求められる業務アプリケーションに適しています。Proは高度な推論や分析能力を備え、一般的なAI活用にもっとも幅広く使われるモデルです。UltraはGoogleが提供する最上位モデルで、専門的な分析、長文・大量データの処理、複雑な推論タスクに強みがあります。

Geminiは、注目されるべき特徴があります。その特徴について解説しましょう。
Gemini が評価される理由の一つに、扱える情報の種類が非常に広い点があります。例えば、画像を読み込ませればその状況説明や改善ポイントの提案が受けられ、データ表を入力すれば傾向分析や簡易レポートなどを生成できます。複数の形式の情報を一つのモデルで処理できるため、資料作成やレポート生成といった実務の効率化に直結します。
Docs や Sheets、Gmail、Drive などと密接に連携しており、長文の下書き生成やメール返信案の作成、表データの分析などが自然に行えます。これまで分断されていた作業が一連の流れとしてスムーズにつながるため、導入後すぐに効率化の実感が得られやすい点が強みです。
Gemini はコードの生成や改善提案にも強く、制約条件や既存コードの構造を理解したうえでコードを生成できます。単純な生成だけでなく推論能力が高いため、仕様や課題を自然言語で伝えるだけで設計案を提示することもでき、開発部門での利用価値が大きく広がっています。
Geminiの大きな特長のひとつが、Googleサービスを直接参照できる 「拡張機能(Extensions)」 です。この機能により、ユーザーはAIに指示するだけでGoogleマップのスポット情報を取得したり、YouTube動画を探したり、フライトの運行状況を確認することができます。検索作業やアプリ間の移動を行わずに必要な情報へアクセスできるため、業務効率が大幅に向上します。
たとえば、営業先への最適なルートをGoogleマップから取得したり、研修用の動画をYouTubeの中から要件に合う形で提案してもらうことが可能です。また、出張手配の際にはフライト情報をリアルタイムで照会し、最適な候補を提示させるなど、ビジネスシーンでも活用範囲が広がっています。
Extensionsは現在も対応サービスが増えており、Google Workspaceとの連携と合わせて業務の自動化を進めやすい環境が整っています。
Geminiは、従来のAIモデルと比較して非常に大きなコンテキストウィンドウを扱える点が特徴です。モデルによっては 数十万〜百万トークン規模 の入力に対応しており、本1冊分のテキストや1時間以上の動画の内容を丸ごと解析できる能力を備えています。
たとえば、長編レポートを読み込ませて要点だけを抽出したり、会議動画を解析して議題ごとに重要ポイントを整理するなど、従来のモデルでは難しかった大容量データの処理が容易になっています。また、複雑なドキュメントや複数資料をまたいだ内容の整合性チェックも可能で、企業の資料作成や調査業務で大きな効果を発揮します。
ロングコンテキスト対応は、AIが単なるアシスタントではなく、より高度な「参照・分析・要約・推論」を行うための基盤となっており、Geminiを選ぶ大きな理由のひとつです。

Geminiでできることには、以下のような点があります。具体的にできることについては、こちらの記事をご覧ください。
旅行計画の作成や、ブログ執筆の文章下書き、家事の効率化アイデアの提案など、日常生活の幅広いシーンで役立ちます。特に、テキスト以外の情報を柔軟に扱えるため、画像整理や説明の自動化といった使い方は他AIとの差別化ポイントです。
また、他にもGemini Liveを日常生活に活用する例もあります。詳細はこちらの記事でも紹介しています。
Gemini Liveとは?できることから使い方まで詳しく解説
企業での利用では、会議の音声データから議事録を生成したり、既存資料を読み込ませて要点を整理したり、営業資料のドラフトを作成したりと、時間のかかる定型業務の負荷が大きく削減できます。また、データ表を読み込ませるだけで、主要指標の傾向や改善案を示すなど、分析業務にも応用できます。
他にも文字起こしやリサーチでの活用例もあるので、以下の記事も合わせてチェックしましょう。
Gemini Deep researchとは?使い方や料金を解説
Geminiで画像生成できる!活用方法や無料版での制限など注意点を解説
講義資料やPDFを読み込ませて要点を整理し、レポートの構成案を生成するなど、学習支援ツールとしての活用が進んでいます。図や画像の内容説明を行えるため、視覚情報を含む教材の理解を補助する使い方も効果的です。
開発者は、仕様書を自然文で渡すだけでコード骨子を生成できるため、プロトタイピングのスピードが大きく向上します。また、エラー原因の特定や改善提案を得ることで、レビュー効率も向上します。

Geminiを検討する際、多くの企業が ChatGPTやClaudeと比較するケースが多いです。具体的な比較項目としては、下記があります。
| 項目 | Gemini | ChatGPT | Claude |
|---|---|---|---|
| モーダル対応 | 文章・画像・音声・コード | 文章・画像 | 文章中心 |
| Google連携 | 非常に強い | 弱い | 弱い |
| 料金 | 無料~19.99USD | 無料~20USD | 無料~20USD |
| 得意領域 | 実務の自動化・資料作成 | 創造性・柔軟な文章生成 | 長文処理・要約 |
| 入力可能な情報量(コンテキストウィンドウ) | 数十万〜数百万トークン(Ultraは動画1時間・本1冊規模) | 最大100k〜200kトークン(モデルにより変動) | 最大100万〜200万トークン(強力な長文処理が特徴) |
Gemini は Googleサービスとの連携力が非常に強く、資料作成やデータ分析など実務を中心とした用途に向いています。
一方、ChatGPT は柔軟で創造的な文章生成に強く、Claude は長文処理と一貫性の高い説明が得意です。どのAIが最適かは業務内容により異なりますが、日常的にGoogleサービスを使っている企業であれば Gemini の優位性は大きくなります。
より詳細な比較については、下記の記事も合わせてご覧ください。
GeminiとChatGPTの比較|生成AIツールの違いと選び方を徹底解説

Geminiの料金とプランについては、次のようになっています。
| プラン | 主な特徴 | 向いているユーザー |
|---|---|---|
| 無料版(Basic) | 基本的な文章生成や簡単なタスクが利用可能。高度機能は制限あり。 | AIを試したい個人、日常利用 |
| Gemini Advanced(有料版) | 高性能モデルが利用可能。長文処理・画像対応・データ分析が強化。 | 業務で本格的にAIを使う個人・小規模チーム |
| Workspace版 | Gmail / Docs / Sheets と連携し、業務フロー全体を効率化。 | Google Workspaceを使う企業 |
| API版 | 自社システムにAI機能を組み込める。機能拡張向け。 | 開発部門、プロダクトにAIを組み込みたい企業 |
Gemini の料金体系は、まず無料で使える「Basic」から始まり、より高度な処理を求める場合は「Advanced」にアップグレードする形になっています。特に業務でAIを使いたい場合や、長文・画像・複雑なタスクを扱う場合には有料版が適しています。企業で利用する場合は、Google Workspace と連携できる「Workspace版」を選ぶことで、メール作成や資料作成、スプレッドシート分析といった日常業務をまとめて効率化できます。
さらに、自社プロダクトや業務システムにAIを組み込みたい企業向けには「API版」があり、顧客対応、検索、レコメンド、業務フローの自動化など、企業独自の用途に合わせた開発が可能です。
Gemini APIやGemini Advancedの詳細については下記の記事をご覧ください。
Gemini AI Proとは?料金・できること・無料トライアルを解説
Gemini Advancedとは?できることやメリットを解説
Geminiは、Googleアカウントを使って簡単に始めることが可能です。主な手順は、以下の3ステップです。
Googleアカウントをまだ持っていない場合には、Googleアカウントを登録した後、Geminiにアクセスしましょう。
まず、Google GeminiのWebサイトを開きます。Googleの検索バーに「Gemini」と入力することでもすぐにページを開けます。「Geminiを試す」というボタンをクリックしましょう。

「利用規約とプライバシー」が表示されたら、下までスクロールします。

右下の「同意する」ボタンをクリックして進みます。

これで、Geminiの登録は完了です。以下の画面が表示されたら、メール配信を希望する場合はチェックを入れて「続ける」を選択しましょう。

チャット画面が表示されたら、プロンプトを入力していきます。

Geminiを利用する上では、メリットとデメリットがあります。そのメリットとデメリットについて紹介します。
Geminiの最大のメリットは、Googleサービスとの高い統合性と、実務で使いやすいマルチモーダル対応にあります。すでにGoogle Workspaceを利用している企業にとっては、既存の業務フローを大きく変更することなくAIを導入できる点が、大きな価値となります。
GeminiがGmail、Docs、Sheets、DriveといったGoogleアプリと密接に連携し、日常業務の中に自然に組み込める設計になっているためです。新たなツールを導入する際に課題となりやすい「操作方法の習得」や「社内定着」についても、普段使い慣れたGoogle環境の延長線で利用できるため、学習コストを抑えやすい特徴があります。
具体的には、Gmailのメール内容をもとに返信文を自動生成したり、Docs上で報告書や提案書の下書きを作成したり、Sheetsに蓄積されたデータを分析して要点を整理するといった活用が可能です。また、文章だけでなく画像や表データも扱えるマルチモーダル対応により、資料作成や分析業務の幅が広がり、複数ツールを行き来する手間を減らすことにもつながります。
このように、Geminiは「既存のGoogle業務環境を活かしながら、無理なくAI活用を進めたい企業」にとって、導入しやすく実務効果を得やすい点が大きなメリットです。
一方で、Geminiを本格的に活用するためには、いくつか注意しておくべきポイントもあります。特に、無料版と有料版の機能差や、業務システムとの連携方法については事前の理解が欠かせません。
まず理由として、無料版のGeminiでは利用できる機能や処理量に制限があり、長文処理や高度な分析、業務での継続利用には十分でない場合がある点が挙げられます。そのため、資料作成やデータ分析など、日常業務で安定的に活用したい場合には、有料プランの利用が現実的な選択肢となるケースが多いです。
例えば、Google Workspace上で大量の文書を扱う場合や、複数の資料をまとめて分析したい場合には、処理能力やコンテキスト量の制限がボトルネックになることがあります。また、自社の業務システムや独自ツールと連携させる場合には、APIを使った追加開発が必要となるケースもあり、導入前に目的や活用範囲を整理しておくことが重要です。
このように、Geminiは非常に高いポテンシャルを持つ一方で、「どの業務に、どのプランで使うのか」を明確にした上で導入を進めることで、投資対効果を最大化しやすいAIだと言えます。

Google は Gemini を検索サービスだけでなく、Workspace やAndroid、YouTube といったサービスにも深く組み込む方針を示しており、今後さらにAI体験が生活や業務の中心に組み込まれていくと考えられます。企業としては、データ整備や業務プロセスの再構築、AIリテラシー向上など、AI活用の基盤づくりが求められます。Gemini の継続的なアップデートに備え、早期に導入フェーズへ進むことが中長期的な競争力につながります。
Gemini は Google の中核AIモデルとして、文章・画像・音声・コードなど幅広い情報を扱える強力なマルチモーダルAIです。特に Google Workspace との連携力が高く、実務の効率化と相性が良い点が大きな魅力です。
まずは無料版で試し、必要に応じて Gemini Advanced や Workspace を活用し、業務全体の最適化へ段階的に進めることをおすすめします。
他のAIサービス同様、Geminiも進化の途中であり、最近では最上位モデルのアップデートとスマホアプリがリリースされたばかりです。今回紹介したGemini活用事例も参考にして、自社における生成AIサービスの活用についてぜひご検討ください。
ChatGPT Plusは、OpenAIの代名詞でもあるLLMを搭載したAIチャットサービスの有料プランで、最新「GPT-4」が利用できる点が特徴です。
Google のGeminiとOpenAIのChatGPT Plusではまず、利用料金が異なります。
Geminiは無料、Gemini Advancedは月額2,900円ですが、ChatGPT Plusは月額20ドル(約3,000円)です。
また、学習データについて、Geminiでは非公開ですが、ChatGPT Plusは2023年4月までと公開されています。
さらに、音声入力がアプリ以外でも利用できるのはGeminiだけです。
Gemini Nanoは、スマホでも利用可能です。
GeminiアプリはAndroid向けのみですが、iOSではGoogleアプリ上でGeminiを利用できます。
なお、Google社のスマートフォン「Pixel 8 Pro」には、Geminiが搭載されており、初のAI 内蔵スマートフォンとして話題を集めています。
Geminiは日本語に対応しており、プロンプトの入力や出力も日本語で行うことが可能です。
2024年2月のアップデートで、GoogleのBardに導入されていた「Gemini Pro」が、日本語など英語以外の40以上の言語に対応したと発表されています。
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