生成AI

最終更新日:2022/08/09
富士通が、顔などの情報が写っていない映像からでも、人の歩き方をもとに人物を高精度に照合できる歩容照合技術を開発しました。
このAIニュースのポイント
富士通株式会社が、顔などの情報が写っていない映像からでも人の歩き方(以下、歩容)をもとに人物を高精度に照合できる歩容照合技術を開発したことを発表しました。
近年、AIを活用した映像解析により、カメラ映像から顔や全身などの特徴に基づき特定の人物を効率良く照合する技術開発が進んでいます。中でも、顔や服装といった特徴が視認できないような映像でも、人の歩容の特徴をもとに人物照合可能な技術の活用が期待されていますが、照合時に使用するカメラに映る人のサイズや歩く位置などのデータが学習時と異なると照合精度が低下してしまうという課題がありました。
この課題は、より多くの映像データをモデルに再学習させることでこの課題を改善できます。しかし、カメラ映像に映る人のサイズや歩く位置などのすべての条件を網羅した再学習は困難であり、実用化に向けた大きな障壁となっていました。
今回富士通は、照合時に使用するカメラ映像内の人のサイズや歩く位置などの条件が、学習時の映像データと異なる条件であっても正確に照合を可能にする、汎用的に適用可能な深層学習モデルを開発しました。
この技術は、事前に取得した人物映像から得られる歩容情報の登録時と、新たに用意した人物映像を入力する照合時の2段階で構成されます。
同技術は、登録時に人の複雑な行動を認識するAI技術「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」の姿勢推定技術を用いて、人の関節点の移動における時系列情報を抽出。また、関節点情報の変換や歩容特徴量抽出にも対応しています。
照合時には、新たに入力された人物映像に対して、登録時と同様に、汎用的に照合可能な空間に投影して変換された関節点情報から歩容特徴量を抽出します。あらかじめ登録した人物映像の歩容特徴量と、新たに入力された人物映像の歩容特徴量との類似度を比較することで、人物を照合します。
この技術の開発にあたり富士通は、社内外の最先端テクノロジーを自ら実践・体験する事業所「Fujitsu Uvance Kawasaki Tower」において、2021年10月から12月末まで、約1,700人を対象に収集した複数のカメラ映像から作成した大規模なデータセットで開発技術を評価しました。
その結果、カメラ映像に映る人のサイズや歩く位置が異なるといった場合、これまでの技術では50%未満の精度でしたが、この技術では約90%の高い精度で人物を照合することができました。
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出典:PR TIMES
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