【インタビュー】FastLabelのアノテーションツールで画像認識精度が30%向上-農業×AI-
最終更新日:2024/02/16
収穫ロボットのAIにおける教師データ作成
※以下インタビュー全文となります。
※本記事はFastLabel株式会社の寄稿記事です。
―FastLabel) 貴社の部署でお取り組みされているAIのプロジェクトについて教えてください。
―石川様
ミニ房トマトの自動収穫ロボットを開発しています。その中でも房の位置や、切断点を検出するためにAIを用いています。詳しくはデンソーオウンドメディアをご覧ください。
―石川様
これまでは、ソフト(開発)メンバーがアノテーションデータを作成しており、ソフトウェア開発期間短縮のためのアノテーション作業効率化が課題でした。
―FastLabel) 弊社のアノテーションツールを使う前は、どのような形でアノテーションを実施していたのでしょうか?また、その体制についても教えてください。
―石川様
フリーのアノテーションソフトを個人のPCにインストールし、個人でアノテーション作業を行い、wiki上で進捗共有を行っていました。
―FastLabel) ご検討にあたって、比較検討されましたでしょうか?その際に比較したポイントと、FastLabelのツールが魅力的だと感じた理由について教えてください。
―石川様
比較したポイントは価格とサポート、複数人作業のしやすさです。FastLabelさんは対応してないデータ形式へのサポートや、既存データへのインポートに対応している点が魅力的だと感じました。
―FastLabel) 昨年の秋ごろからお使いしていただいてると思いますが、実際利用されてみてのご感想を教えてください。
―石川様
アノテーションデータが一括管理できている点が素晴らしいと思いました。これまで散らばっていたデータをプロジェクトごとに整理してまとめることができてよかったです
実際使ってみて、やはり使い勝手が良いと感じています。
―FastLabel) 元々アノテーションに関して課題に考えていたことが、解消されていますでしょうか?
―石川様
アノテーションデータをクラウドで一括で管理できている点、開発効率という点で課題を解消できています。
―FastLabel) アノテーションの効率という点ではどうですか?
―石川様
石川様)具体的な数字を言うことは難しいですが、ツールだけではなく、アノテーションの代行も合わせて委託できているという点で、ソフトウエアの開発のサイクルスピードが格段に上がりました。
―FastLabel) 今おっしゃられたように代行サービスも今回ご利用をいただいたと思いますが、どういった課題感があり、ご依頼をいただいたのでしょうか?
―長谷川様
アノテーションの必要数に対して、深刻なリソース不足があったからです。 チームメンバー全員で分担して進めていたが、そのやり方にも限界を感じており、今回依頼をさせていただきました。
―FastLabel) 今まで外注などは行っていましたか?
―長谷川様
ツールの導入をどうするべきかの問題と、時間の制約の問題もあり、なかなか外注には踏み切れていませんでした。
―FastLabel) 実際アノテーションサービスをご利用いただいて、いかがでしたか?
―長谷川様
打ち合わせも含めて非常に迅速に対応してもらい、その質の高さも結果に現れており、コスト含めて満足しています。代行サービスによるアノテーションもFastLabelのプラットフォームを使えるので、進捗の確認やコメント機能を使ったコミュニケーションもスムーズで、便利に使うことができました。
―FastLabel) トマトの実や茎の部分をどこまで囲うのかなど定義づけが難しいと思うのですが、定義づけのコミュニケーションに関してどう感じましたか?
―長谷川様
仕様が難しいため、作業者が増えるほどそのレベル感がまちまちになってしまうこともあり、質が安定しなかったのですが、FastLabelさんのプラットフォームを使って進捗の確認をコメントで行うことでダイレクトに作業者とコミュニケーションが取れるため、仕様に対する質が上がったと実感しています。
―FastLabel) FastLabelで納品させていただいたアノテーションを通じて、AIの精度等に良い影響はありましたか?
―長谷川様
実際のロボットで、アノテーションしたデータを学習させたAIのモデルをテストしたところ、まず見た目で明らかにロボットの動きがより知的に変わったのに驚きました。また実際に成功率のデータも大きく向上していました。ある一例として、画像認識のとある性能として、20ポイント(30%)近く向上しており、嬉しく思っています。
―FastLabel) 今後FastLabelに期待することや活用イメージについて教えてください。
―長谷川様
自動アノテーション機能などの、より高度なアノテーション機能やより多くのデータ形式に対応してくださることに期待しています。FastLabelのツールでは、作業者によるばらつきを防ぐことができるので、さらに自動化等の高度な機能ができることを期待しています。
―FastLabel) 長谷川様、石川様にとって「アノテーション」とは?AI開発におけるその重要性などをお話いただけますと嬉しいです。
―長谷川様
世の中ではAIのモデルをどう作るかが注目されがちですが、実用するにあたっては教師データがAIの性能の限界を決める最も重要なものと言っていいのでは、と実感しています。ある意味モデルの開発以上に重要なのが、教師データの設計や質の向上だと思っているので、今後もアノテーションは重要な位置を占めていくと感じています。
―石川様
教師データの枚数やアノテーションの精度によってAIモデルの性能は大きく変化するので、リソースを割いてでも枚数や精度向上に努めるべきポイントだと思います。
―FastLabel) 貴社AI開発・事業における今後の展望を教えてください。
―石川様
ミニ房トマトの認識で培ったAI技術を他の農作物に展開することで、様々な野菜、果物の自動収穫を実現し、社会貢献していきたいと考えています。
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