画像認識に「+1」の価値を実現するEDGEMATRIX株式会社が、今年新たに3つの映像エッジAIパッケージをリリース予定であることが分かりました。今回はその第一弾として、「施設防犯パッケージ」についての詳しいお話をお伺いしました。
画像認識に独自の「エッジAI」を取り入れ、プラットフォームサービスとして「映像エッジAI」の基盤製品サービスを提供する会社として2019年に創業。創業以来、ドコモや清水建設、ソニーなど大手企業からの投資を受け累計19億円を調達。「映像エッジAI」領域のパイオニアとして、市場から注目を集めている。大規模集客施設や交通施設の現場をはじめ幅広い業界へ向けて製品サービスを展開しており、今年新たに3つの映像エッジAIソリューションパッケージをリリース予定。
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人々の安全を守るために「+1」の価値を
――多くの場面で画像認識が活用されていますが、御社の掲げる「+1」の価値とはなんですか?
――松井さん
私たちは「映像エッジAIが作る安心・安全で豊かな社会」をコンセプトにビジネス展開をしています。従来、防犯カメラは録画に使われており、事件にいち早く対応するには、人による常時監視が必要です。これらのカメラに当社の「映像エッジAI」サービスを「+1」し、AIが低コストかつ高セキュリティに代行するという価値を提供しています。
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高いセキュリティとプライバシーの保護を同時に実現
――「映像エッジAI」はどのような点で「+1」の価値を実現しているのでしょうか?
――鈴木さん
従来の映像解析はクラウド上の処理が主流のため、伝送することで生じる通信コスト、処理の遅延、画像圧縮による映像の劣化も課題になります。
これを解決するのが「映像エッジAI」です。現場のカメラにデバイスを設置することで、撮影したデータをその場で処理することができるようになります。これにより、処理の遅延や認識率の低下を防ぐことを可能にします。
――コストを削減しつつ、より安心・安全な環境作りを実現しているんですね。
――鈴木さん
映像データをクラウドに残さないという点も大きな特徴です。異常を検知したときのみ録画をする、映像は残さず人数のみを記録するなど、個人情報の保護にも十分な配慮をしています。録画映像は一定の時間や容量を超えたら自動で削除することができ、セキュリティとプライバシーの両方を担保します。
――現代のニーズにとても合うサービスですね。御社ならではの強みはありますか?
――松井さん
ケータイ時代にはiモード、スマートフォンであればiPhone AppStoreのような「映像エッジAI」のプラットフォームとして提供しているので、さまざまな種類のAIアプリを利用できます。ストアを用意しており、そこから目的に合ったアプリを選び利用できるため開発の手間もいりません。そのほか、カメラ一体型ではなく、汎用的なIPカメラをデバイスに接続し利用するので、広い狭い、明るい暗いなど、その現場環境に適したカメラを使う画像認識が行えます。
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導入費用や手間を削減した新サービス「施設防犯パッケージ」
――課題に合わせてカスタムできるのは嬉しいですね。その分手間や料金もかかるのでしょうか?
――鈴木さん
そういったお声を受け、今回「映像エッジAI」のパッケージをリリースする運びとなりました。今回のパッケージは、カメラ、エッジAIデバイス、プラットフォームサービス、さらに設置作業まで全てセットになっています。そのため料金も一律であり、どのように組み合わせれば良いのか悩まずに導入することができます。費用や工数の手間を懸念されている方へ向けて、簡単かつリーズナブルに導入できるサービスを提供し、利便性を体験していただきたいと思っています。
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――その第一弾が「施設防犯パッケージ」なんですね。どのような活用方法を想定されていますか?
――松井さん
まず第一としては、工場や倉庫施設のほか、資材置場、畜舎など屋外で人の目が届きにくい施設の盗難防止にご活用いただけます。監視カメラの導入をしている現場は数多くありますが、被害にあった後に対応をするケースがほとんどで、未然に防ぐという対策は難しいとされています。「施設防犯パッケージ」をご利用いただくことで、被害拡大の防止に貢献できればと考えております。
――高性能なサービスを気軽に導入できる絶好の機会ですね。
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今後の展望、パッケージサービスの体験価値とは
――鈴木さん
現在の日本でAIによる防犯システムが普及しないのは、コストに見合った価値が提供されていないからだと考えています。だからこそ、「映像エッジAI」をパッケージ提供して、映像を使うAIも簡単に低コストで導入できるという事を伝えていきたいんです。
――とても素敵な展望ですね。第二弾、第三弾ではどのようなパッケージを考えていますか?
――松井さん
災害時の河川の氾濫検知、状況確認等への展開も想定しています。水位が上昇し一定のラインを越えると、危険領域として通知が発行されます。これにより、最適な避難経路を案内することが可能になります。
異常検知時のアラート機能やリアルタイムでのモニタリング機能も搭載しているため、インターネット環境さえあれば離れた場所からでも現場の状況を瞬時に確認することができます。また、具体的な計画はこれからですが、介護現場における高齢者の転倒防止や、観光地における駐車場の混雑案内などを想定しています。今後も利用シーンを限定することなく、幅広い業界に特化した「+1」の価値を提供できるよう邁進してまいります。
――なるほど。御社のビジョンを実現するための第二弾、第三弾のパッケージのリリースを楽しみにしております!本日はありがとうございました。
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取材を終えて
昨今、AI技術は様々な形で日常に浸透し、日々の生活を支えています。しかしその一方で、それらを悪用した犯罪や事故が増えているのも現状です。
今回のようなサービスが普及することで、より安心・安全な環境づくりが進み、私たちの日常は更に豊かになるはずです。「+1」の価値を実感することができる日が、今からとても楽しみですね。
EDGEMATRIX株式会社による新サービス第一弾「施設防犯パッケージ」は、2021年9月のリリースが予定されています。興味のある方は是非この機会に導入をし、その利便性を体験してみてはいかがでしょうか。
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