チャットボットの導入事例10選と導入の流れ、費用の目安と課題
最終更新日:2024/01/05
企業へのチャットボットの導入により、人件費の削減や過去に蓄積したデータの活用、顧客満足度の向上といった効果が期待できます。本記事では、実際の導入事例を交えながら、チャットボット導入の流れや費用目安、課題などについて解説します。
チャットボットについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
チャットボットとは?意味や機能、仕組みの種類についてわかりやすく解説
チャットボットの導入事例10選
チャットボットの導入で業務効率化を実現した企業は多くあります。以下で紹介する導入企業の実例を参考に、自社に導入するイメージを掴んでみてください。
なお、下記記事でもAIチャットボットを導入した企業の事例を業種・業界別に紹介しています。併せてご覧ください。
業界・業種別AIチャットボット導入活用事例6選!企業の課題と導入効果まとめ
JR東日本
JR東日本では、忘れ物の問い合わせ受付対応にチャットボットを活用しています。導入前は電話のみの対応でしたが、LINE公式アカウント「JR東日本Chat Bot」が開始されたことで、チャットでの問い合わせが可能になりました。「お忘れ物チャット」という名称で2019年からサービスを開始しており、可愛い犬のアイコンが目印になっています。
利用者は、LINEを使ったチャットで忘れ物の問い合わせができます。利用者からの問い合わせはLINEで自動受付となり、対応担当者が問い合わせに一致する忘れ物があるかどうか確認します。担当者が確認した結果は、LINEのプッシュ通知を使って利用者にお知らせされます。
電話にはないチャット形式のメリットとして、利用者の都合に合わせて問い合わせができる点や、結果を確認できる点、テキストで問い合わせ履歴が残って見返しやすい点があります。また、対話形式のため初めての方でも使いやすく、企業が利用者と双方向コミュニケーションを取りやすい点もメリットです。
なお、お忘れ物チャットは2021年3月をもってLINE受付を終了し、現在はWebでの対応となっています。
福島県会津若松市
福島県・会津若松市の自治体では、「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」というチャットボットを活用し、市民の疑問に答えるサービスを提供しています。問い合わせ窓口としてLINEを利用し、質問が「会津若松市+」の公式アカウントに寄せられると、AIの「マッシュくん」が自動的に回答する仕組みです。
この問い合わせサービスでは、休日・夜間診療の病院検索やごみの出し方、除雪車の運行状況、サービスの使い方、住民票などの証明書や役所の担当窓口に関する疑問など、市内で生活するうえで役立つ情報を提供しています。
チャットでの問い合わせ対応により、市民の方々は気軽に小さな疑問を解決できるようになります。電話の場合は受付時間を気にしたり、空き時間を調整したりする手間があります。一方、チャットなら24時間いつでも疑問を解決できるため便利です。対話形式で質問への回答が返ってくるため、自治体公式サイトにアクセスして情報を調べる手間も省けます。
アスクル株式会社
アスクルは、問い合わせ対応にチャットボットの「アオイくん」を活用し、顧客の手間を削減することに成功しています。
2019年にアオイくんと注文データの連携が行われ、顧客の注文情報を個別に参照できるようになりました。連携前は一律の対応しかできませんでしたが、連携後は顧客への個別対応と分かりやすい案内が可能になっています。これにより、アオイくんが対応可能な問い合わせの範囲が拡大し、業務効率化が実現しました。
具体的な効果として、顧客からの領収書発行依頼や請求書の再発行、注文キャンセルの対応、配送状況の確認、配送日時の変更手続きなどをアオイくんが行うことで、問い合わせ処理が円滑化しました。アオイくんは細かいキャラクター設定があり、顧客とのちょっとした雑談に活かされています。また、親しみを持ってもらうためにアオイくんのメッセージも定期的に更新されており、顧客から好評を得ています。
株式会社 SHIBUYA109 エンタテイメント
SHIBUYA109は、公式LINEアカウント「109MEN’S」でファナティック社の「WazzUp!(ワズアップ!)」を導入し、自動接客チャットツールの運用を2017年から始めています。ワズアップ!はLINEを活用したチャットボットで、接客サービスの自動化に必要な機能を提供しています。
利用者はワズアップ!で、ショップスタッフに話しかけるようにさまざまなことを質問できます。新作商品や気になる商品の再入荷情報、商品ランキング、ニュース情報などを受け取ることも可能です。
利用企業にとっては、利用者の好みや興味に合わせた情報を低コストで配信できるツールでもあり、機能の活用により販促効果や集客効果が期待できます。
東京都
東京都では、住宅・不動産に関するFAQの解決にチャットボットを活用しています。2021年には、不動産取引のFAQに回答する「宅地建物取引業免許及び宅地建物取引士の申請等チャットボット」を開始し、翌年2022年には「賃貸住宅チャットボット」を導入しました。これにより、さらなるサービス向上を目指しています。
不動産取引に関しては、宅地権建物取引業や宅地建物取引士の資格に関する手続きの問い合わせが可能です。賃貸住宅については、退去時の敷金精算や原状回復、入居時の修繕などの相談を受け付けています。それまでは電話や予約制の窓口での相談にて受け付けていましたが、チャットボットの導入で24時間365日いつでも相談可能になりました。
LayerX
LayerXは、2023年3月に新卒採用の選考において、「ChatGPT」と「Notion AI」の活用課題を必須化することを発表しました。例えば、ChatGPTの限界などについて述べたり、証明できるプロンプト文を提出したり、といった設問が検討されています。最新の技術に対する理解と、自社の行動指針を具現化する人材との出会いを求める狙いから、これらの課題を取り入れることを同社は決定しました。
ChatGPTとNotion AIは採用選考だけでなく、入社時の研修プログラムにも組み込まれる予定です。この取り組みは、新入社員のプロンプトエンジニアリング能力の向上を目指す意図があります。
LayerXの事例については下記記事でも取り上げているため、併せて参考にしてみてください。
LayerX、新卒採用選考にChatGPT・Notion AIの活用課題を必須化すると発表
大分県別府市
大分県別府市では、LINEを使った「日英対応ごみ分別案内サービス」を提供しています。別府市には約3,000人もの外国人留学生が生活しており、文化の違いなどから、ごみの分別に関する問題が発生することがあります。そのため、別府市はごみの分別検索サービスを提供する際に、日本語だけでなく英語にも対応してリリースしました。導入の結果、外国人留学生を含む利用者の利便性が向上する結果が得られています。
サービスを利用する際は、「別府市LINE公式アカウント」でごみの品名を検索すると、ごみの分別方法が表示されます。英語対応しているため、英語でのやり取りで回答を得ることも可能です。また、表記のゆれにも強く、ひらがなや漢字、カタカナなどで品名を入力しても、AIが推測して正確な回答を提供します。ただ導入するだけではなく、継続的な分析や改善、AIのチューニングにも取り組むことで、回答の精度を向上させる努力も行われています。
なお、下記記事でも「日英対応ごみ分別案内サービス」について取り上げています。併せて参考にしてみてください。
日本航空株式会社
JALの英語版AIチャット自動応答サービスである「AIChat」は、新型コロナウイルスの影響を受けて問い合わせの増加が予想されたため、24時間利用可能な自己解決コンテンツとして提供されました。このサービスは予約・購入、手荷物、搭乗、減便・運休、検疫体制、入国制限の質問にタイムリーに回答します。
この事例では、導入から2ヶ月で回答カバー率92%を達成しました。短期間で高いカバー率を実現できた理由は、日本語版のチャットボットを先に稼働させており、英語版はそのノウハウと知見を活かして構築を進めたことにあります。
日本語版のチャットボットは、顧客満足度の向上に貢献しています。具体的には、電話受付時間外や混雑時の顧客対応の強化につながり、自己解決の促進、問い合わせ数削減(オペレーター負担の軽減)、通話時間短縮といった効果が出ています。英語版でも同様の効果が出ていると考えられます。
JAL導入のAIChatについては下記記事でも紹介しているため、併せてご覧ください。
JAL導入の英語版チャットボット「AIChat」、回答範囲カバー率92%達成
大阪府堺市(株式会社Compass)
Compass社は、堺市のひとり親家庭向けのAI就職マッチングサービスをLINE上で提供しています。LINE公式アカウント「堺市『ひとり親×仕事』サポート」にてサービスを利用可能です。マッチングにおいては、求職者の性格や価値観、企業の働き方や社風なども考慮されます。国家資格を保有するキャリアコンサルタントが応じる就職・転職相談や、求人情報の配信もアプリ上で可能です。
サービスによって、求職者は24時間365日、窓口に行かなくても自分の好きなタイミングで就職や転職の相談が可能になります。家事・育児・仕事で忙しいひとり親の方でも使いやすい形で提供されています。
なお、下記記事でもCompass社が提供する就職マッチングサービスについて取り上げているため、併せてご覧ください。
Compass、堺市のひとり親家庭向けAIジョブマッチングサービスを開始
GMOインターネットグループ株式会社
GMOインターネットグループは、ChatGPTを業務に活用していることを2023年3月に発表しました。発表のプレスリリース自体も、ChatGPTが生成した文章を活用して作成されています。
同社はChatGPT以外にも、「Notion AI」「GitHub Copilot」「New Bing」といったAI技術も活用しています。技術の具体的な活用事例としては、文章の自動生成や自動翻訳、アイディア出し、文章の要約、Excel関数の構築、プログラムの生成やデバッグなどがあり、さまざまな業務改善や新サービスの検証を行っています。さらに、全社員がChatGPTを業務活用することを推進するため、社内で賞金総額1,000万円のコンテストが開催されることも決定しました。
なお、下記記事でもGMOインターネットグループのChatGPT活用事例について紹介しています。併せてご覧ください。
GMO、ChatGPTの業務活用を開始。1000万円の賞金コンテストも開催決定!
チャットボット導入の流れ
まず、チャットボットを導入する際には、明確な導入目的と達成したい目標を設定することが重要です。ユースケースや解決したい課題を洗い出し、どの部署や業務に配置するかも決定します。目的や課題を明確にすることで、必要な機能や製品の選定がしやすくなります。例えば、定型の問い合わせ業務の煩雑さが課題で、自動化して人件費を削減したい目的がある場合、低コストで運用できるシナリオ型の製品が適していると判断できます。
目的・目標を決めたら、チャットボットを導入するプラットフォームと運用担当者を明確にしましょう。代表的なものとして、Webサイトやコミュニケーションアプリなどがあります。導入したいプラットフォームに対応している製品を選択する必要があるため、準備段階で決めます。
プラットフォームや担当者が決まったら、条件と合う製品を選定しましょう。無料トライアルがあれば試してみて、使用感を確かめてから導入製品を決めるのがおすすめです。
導入する製品が決まったら、運用体制を整え、チャットボットのシナリオやQ&Aの設定をしたり、AI搭載型なら学習などをさせたりします。質問や回答のルールや応答パターン、フローチャートなどを設定し、チャットボットが適切に動作するようにしましょう。
設定が完了したらテスト運用を行い、FAQに漏れがないか、チャットボットの動作に問題がないかなどを確認し、調整します。動作確認が終了したら、実際の運用環境に導入して作業は完了です。
種類別で見るチャットボットの導入費用目安
主なチャットボットの種類と、導入に必要な大まかな費用は以下の通りです。チャットボットの種類によって費用相場が変わるため、費用対効果が見合ったものを導入するためには、自社の業務に適したチャットボットを選択することが重要です。
シナリオ型チャットボットの場合
「シナリオ型」「ルールベース型」「非搭載型」とも呼ばれるチャットボットです。AI非搭載のシステムであり、問い合わせのパターンやシナリオを手動で設定する必要があります。AIや機械学習とは異なり、事前に設定したルールに基づいて動作するのが特徴です。
AI非搭載のシナリオ型チャットボットの相場は、AIと比べて安価な傾向があります。初期費用は無料の製品もありますが、基本5万円ほどかかります。
月額費用は5万円以上が相場です。問い合わせで別途見積もりの取得が必要なケースもあります。製品の機能やプランによって費用は変動し、限定的な機能を利用する場合、数千円で導入と運用が可能なものもあります。
また、ベンダーによってはオプションサービスを提供している場合があります。利用する場合は別途費用が発生するため、本当に必要かよく検討しましょう。
AI搭載型チャットボットの場合
AI搭載型のチャットボットは、自己学習を行う人工知能機能を搭載しています。膨大なデータを学習することで回答の精度を向上させられる特徴があり、自由記入の問い合わせや幅広い質問内容に対応するのに適しています。
AI搭載型チャットボットの導入にかかる費用は、初期費用が5万~10万円、運用費用が月額10万~100万円が目安です。あくまで目安のため、製品や利用状況、オプションによって上下する可能性があります。
AI搭載型は初期設計が必要なため、初期費用が高くなる傾向にあります。AIのチューニングなどの専門的な工程が必要であり、作業はベンダーのエンジニアが主に担当します。実際の作業の有無・内容はベンダーによって異なりますが、基本的には初期費用の内訳に含まれています。一方、非搭載型の場合、FAQデータさえあれば、そのあとは自社で設定が可能という点で異なります。
なお、下記記事でもAI・人工知能の導入費用について詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
AI非搭載型チャットボットの課題
AI非搭載型は安価な反面、AI搭載型と比べてやや融通の利かない点があります。
完全に自動化することは難しい
チャットボットは業務効率化や顧客満足度向上のために導入されることが多いですが、AI非搭載型の場合、質問の内容によっては自動化ができないため、そうした問い合わせが発生する可能性も考慮する必要があります。
AI非搭載型は、事前に登録した質問と回答のパターンやシナリオを参照して、利用者の問い合わせに回答します。登録したパターンやシナリオに応じた問い合わせには対応可能ですが、登録範囲外の内容に対しては正確な回答ができません。そのため、寄せられる問い合わせが多種多様な場合や、内容が複雑な場合、個別対応が求められる場合にはあまり有効ではありません。
一方、シンプルな問い合わせが多い場合や、質問の種類がそれほど多くない場合には適しています。
FAQデータの学習が必要
AI非搭載型チャットボットが顧客の質問へ適切に回答するためには、事前に充実したFAQデータやシナリオ、パターンを設定しておく必要があります。回答パターンが用意した質問よりも少ない場合、顧客満足につながる対応が難しくなるおそれがあります。また、設定したシナリオ以外の質問が寄せられた場合も適切に対応できません。
自己学習機能がないため、運用側でFAQデータの定期的なメンテナンスをする必要があります。質問に柔軟に対応できるよう、類語や言い換えに対応するための辞書や、過去にあった質問データの用意も必要です。このように、非搭載型は何事も人の手で最新の状態に保たなければならないという課題があります。
表記のゆれに対応できない
表記ゆれとは、同じ意味で異なる表記や表現が存在することです。例えば、「注文する/購入する」や「支払う/支出する/お金を払う」などの表現があります。
AI非搭載型のチャットボットでは基本的に、表記ゆれに対応できません。表記ゆれの表現が事前に設定されている場合は回答可能ですが、設定範囲外の表記ゆれは認識できないため対応が不可能です。それゆえ、シンプルな質問や頻繁に寄せられる定型的な問い合わせに向いています。非定型で幅広い内容や複雑な質問に対応したい場合は、自己学習が可能なAI搭載型のチャットボットのほうが適しています。
チャットボットの導入で失敗を防ぐポイント
チャットボットは確かに業務効率化や顧客満足度向上に効果的ですが、やみくもに導入しても期待するほどの効果を得られない可能性があります。以下のポイントを留意し、適切に導入を進めましょう。
操作性・使いやすさに優れたサービスを選ぶ
ITリテラシーが高い人だけが使える製品を選択してしまうと、ほかの人が扱えず、業務が属人化しがちです。そのため製品選定の際は、属人化を避けるためにも、多くの従業員が使いやすいかどうかを確認する必要があります。
判断基準の一例として、初心者でも使いやすく、従業員全員が直感的に操作できるか、操作が煩雑でないか、画面表示が見やすいかなどを考慮しながら選択してください。使いやすい製品は担当者の作業負担を軽減できるほか、操作習得のトレーニングも短縮できます。ITリテラシーは個人によって異なるため、無料トライアルを試して現場の従業員が問題なく利用できるか確認しましょう。
また、サポート体制が充実している製品を選ぶと、運用中にトラブルが発生した場合や、使い方が不明な場合でも安心して相談できます。運用に不安がある場合は、サポートの有無も確認して選びましょう。
メンテナンスを行う
チャットボットは導入後もメンテナンスが必要です。導入直後から完璧に質問に回答できるわけではなく、運用中のデータを蓄積し分析を行い、より優れたサービスを提供するための改善を進める必要があります。
チャットボットは万能ではないため、対応できなかった質問や想定外のシナリオが運用中に発生することがあります。回答の精度を向上させるためには、改善活動が不可欠です。改善を怠るとチャットボットの利便性が低くなり、顧客の利用が進まず、オペレーターの対応負担が予想よりも減少しない場合があります。その結果、導入の効果が思うように現れない可能性があります。
導入を成功させるためには、回答パターンの追加やシナリオの再設計、顧客の疑問解消の確認などを定期的に行い、改善を実施することが重要です。そのため、導入時には運用計画や効果検証、改善体制の構築まで含めた計画を立てるようにしましょう。
対応できない場合の対策を用意する
チャットボットは、常に利用者の質問に対して的確に回答するわけではありません。オペレーターによる個別対応が必要なケースも考えられるため、回答が不十分な場合も想定し、対策を講じる必要があります。そのためには、FAQの一覧ページや関連する質問への誘導、有人オペレーターへの切り替えなどの体制を整えることが重要です。もしチャットボット以外の解決策がない場合、利用者が疑問を解決できずに離脱する可能性があり、顧客満足度の低下やクレームの発生につながることがあります。
そのほかの対応策として、事前に有人対応とチャットボットの対応範囲を明確にしておくことも有効です。チャットボットのみで対応可能な場合と、有人対応が必要な場合を区別することで、利用者の問い合わせ先や導線が明確になります。これにより、利用者の疑問解決が円滑になり、混乱の回避ができます。
さらに改善の工夫として、チャットボットに解決したかどうかを確認する質問を取り入れて、データを収集する方法もあります。解決できなかった質問の情報を集めることで、今後の運用に役立てることが可能です。これにより、サービスの改善につなげられます。
AI搭載型の導入を検討する
AI搭載型のチャットボットを選ぶメリットは、機械学習機能によって精度の高い回答が可能になることです。幅広い内容の問い合わせや表記ゆれにも強く、多くの質問に柔軟に対応できます。もう一方のAI非搭載型の場合、事前に設定した質問への回答やシナリオ通りの対応は得意ですが、設定がない質問には回答できないデメリットがあります。こういった違いがあるため、チャットボットの向き不向きを考慮せずに導入すると失敗します。
ちなみに、AI搭載型のデメリットについて触れると、導入に時間がかかる点が挙げられます。回答精度は機械学習を繰り返して徐々に上がっていくため、初めから的確な回答ができるわけではありません。精度の高い回答をさせるには、AIが学習する時間と、学ばせる膨大なデータの用意が必要です。準備がないとAI搭載型の強みを活かせないため注意しましょう。学習するほど精度が上がる性質ゆえ、長期の運用を前提にしたほうが合理的です。
AI搭載型と非搭載型のどちらが適しているかは、導入する業務によって異なるため、対応させたい問い合わせ内容や費用対効果を見て判断しましょう。
以上、チャットボットの活用事例や導入方法、知っておくべきポイントについて解説しました。ひと口にチャットボットといっても、AIの有無により費用や向き不向きなどが異なるため、本記事で紹介した事例やポイントも踏まえ、自社に適した導入形態を検討してみましょう。
まとめ
チャットボットの種類は、AI搭載型と非搭載型の2つがあります。非搭載型は定型的なやり取りが得意で、非定型的なやり取りはAI搭載型が得意です。チャットボットを導入する場合は、業務に最適なタイプを選ぶようにしましょう。また、他社の導入事例を参考にして導入方法を検討するのもおすすめです。
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