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東京理科大学、エッジ側に搭載可能な学習機能を備えたハードウエアを開発

最終更新日:2024/11/05

東京理科大学の河原尊之教授と大学院生の藤原優哉氏は、エッジでの学習機能を持つ人工知能の実現に向けて、新たなハードウェアを開発しました。

このニュースのポイント

  • 東京理科大学の研究者2名が、エッジでの学習機能を備えたAI実現のための手法を発表
  • 学習演算の軽量化と回路規模削減の実現する技術を開発
  • データセットを用いた学習で技術評価を行った結果、88%を超える精度を確認

東京理科大学工学部電気工学科の河原尊之教授と、同大学院工学研究科電気工学専攻の藤原優哉氏は、エッジでの学習機能を備えたAIの実現のための手法を発表しました。

提案されたのは「三値勾配二値化ニューラルネットワーク(TGBNN)」というニューラルネットワークの効率を向上させるための手法で、スピントロニクス技術(電子の自動回転で情報処理する技術)を活かしたMRAMアレイ(磁気抵抗メモリ)を利用して、従来の限界を超える可能性を示しています。

現在、AIやIoTの普及に伴い、コンピューティングリソースの増大が社会問題となりつつあります。そのため、エッジでの学習機能を備えたAIの実現が望まれており、回路規模・消費電力を抑えたエッジでの演算処理技術の開発が急務です。

このような背景において、ソフトウェアの観点からはコンピューティングリソースを低減できるBinarized Neural Network (BNN) というネットワークの重みが二値化されたアーキテクチャが重要となります。

一方、ハードウェアの観点からは、Computing in Memory(CiM)技術の活用が求められます。CiMはメモリ素子と演算素子が1つのチップ上で統合された構造で演算処理を行うという概念で、こちらもコンピューティングリソースの大きな低減が期待されている技術です。

メモリ素子と演算素子を1つのチップ上で統合したCiMとして利用したMRAMアレイを用いることで、今回「三値勾配二値化ニューラルネットワーク(TGBNN)」実現の先鞭をつけることに成功しました。

このように、性能を保持したまま学習演算の軽量化と回路規模削減の実現する技術を開発し、データセットを用いた学習で技術評価を行った結果、88%を超える精度であることがわかりました。

この結果から、今回発表された手法を用いることで、エッジでの学習機能を備えたAIの実現が期待されます。

出典:PR TIMES

AIsmiley編集部

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