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年収3000万円!AI人材とは?IT人材不足に対する国と企業の取り組み

最終更新日:2022/06/03

AI人材とは

年収3000万円!AI人材とは?IT人材不足に対する国と企業の取り組み

近年は世界的にDX推進の流れが加速しており、さまざまな業界のさまざまな企業で積極的にAIが活用され始めています。しかし、日本国内で見た場合、AIを有効活用できている企業は決して多くありません。また、AIの導入・活用を進めていきたいと考えているものの、人材不足が原因で一歩を踏み出せないというケースも多いのです。

このような背景もあり、最近では「AI人材」の需要が高まってきています。今回は、この「AI人材」について詳しく解説するとともに、各企業が取り組むAI人材育成の事例などもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

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■IT人材の不足

経済産業省の発表によれば、IT人材は2030年には最大で79万人不足する可能性があるといいます。デジタル環境の加速は、もはや世界のトレンドといっても過言ではない状況ですが、日本では人材が不足していることから、デジタル環境が加速しにくい状況となってしまっているのです。

ちなみに、経済産業省がみずほ情報総研株式会社に委託して行った「IT人材の需給に関する調査」では、IT 企業およびユーザー企業の情報システム部門等に属する職業分類上の「システムコンサルタント・設計者」、「ソフトウェア作成者」、「その他の情報処理・通信技術者」がIT人材と定義されています。

また、IT人材の不足は深刻化しているものの、ただ人の数だけが増えれば問題解決につながるというわけでもありません。企業が本当に必要としているスキル・知識・経験を持った人材でなければ、雇用するメリットが薄くなってしまうためです。そのため、IT人材の「質」という点も大きな問題点の一つとして考える必要があるでしょう。

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■AI人材とは?

AI人材とは、AIに関する専門知識を持つ人材のことです。企業がAIの開発・活用を進めていくためには、目的に応じた最適なシステムを開発していく必要があります。そのシステム開発を行うための知識や、システムを適切な方法で活用していくための知識を求められるのがAI人材なのです。

このAI人材は、現在日本だけでなく世界中で「育成・獲得」を巡った競争が行われています。特に、AIの可能性に早くから目をつけていた先進国では、すでにさまざまな形でAI人材の育成が行われている状況です。

その一例としては、アメリカが2013年に発表した「2020年までに初等中等教育段階のSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)分野の教員を10万人養成する」という計画が挙げられるでしょう。また、中国でも2010年からイノベーション人材を育成する改革試行プロジェクトが実施されています。

こういった先進国と比較すると、日本はAI人材の育成という観点では遅れをとっていると言わざるを得ないでしょう。

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■ITSSとITLS


引用:ITスキル標準センター:ITスキル標準概要:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

現代の若い世代は、生まれた頃からインターネットやコンピューターを日常的に使用してきた「デジタルネイティブ世代」と呼ばれ、AI人材不足の解消につながることも期待されています。しかし、この世代全員が十分なITリテラシーを有しているとは限りませんので、デジタルネイティブ世代を含めたすべての従業員がITリテラシーを高めていくことが大切になります。

このような背景もあり、経済産業省ではITSS(ITスキル標準)と呼ばれる教育・訓練を行う際の指標を作成しています。このような指標を作成することで、より明確に「ITサービスを提供する上で必要となるスキル」を可視化できるようになるためです。

ITSSは2021年時点で、IT領域の職種が11種類に分類されており、それをさらに38種類の専門分野に分けて定義する仕組みとなっています。その上で、個人のスキル・能力・実績に基づいて7段階のレベルを設定します。

このITSSに加えて、将来の成長や競争力強化に向けたビジネスの改善・刷新と効果的なIT活用・投資を進めるためのビジネスパーソン(非IT技術者)に求められるIT知識やスキル、情報活用能力などを示す「ITLS(ITリテラシースタンダード)」は、今後の日本におけるIT人材不足解消に欠かせないものといえるでしょう。

ITLSは、ITリテラシーの定義と知識領域について整理した「ITLSフレームワーク」と、これに基づき、講習を通じたITリテラシーの習得を想定した「ITLSモデルカリキュラム」で構成されているものです。

■AI人材の初任給は1000万円!?

人手不足が叫ばれる「AI人材」ですが、実際にAI人材として働き始めた場合、どの程度の収入を得られるのでしょうか。あまりイメージが湧かないことが原因で、AIという領域に興味が湧かない人もいるかもしれません。そのため、AI人材としてどの程度の収入を得られるのか、明確な数字を把握しておくことも大切なポイントといえるでしょう。

海外の場合、もともと年功序列の給与体系が一般的ではないこともあり、技術さえ持っていれば高収入を得られるというケースが多くあります。それに加え、AIエンジニアは深刻な人手不足でもあるため、日本以上に高額な給料が提示されることも多いのです。

ただし、日本のAIエンジニアの待遇は、海外と比べて遅れをとっていると言わざるを得ません。日本は、海外のAI先進国と比べて「AI活用」という点では遅れている傾向にあるためです。

とはいえ、最近では大手企業が思い切った改革に踏み切り始めているため、今後は少しずつAI人材の給料も高くなっていく可能性は高いでしょう。2016年に日本国内の求人について行われた調査によれば、AIエンジニアの平均年収は約666万円でしたが、これはあくまで2016年の数字です。

中には、AI研究開発エンジニアに月給125万を提示している例も存在するため、AI人材として年収2,000万円、年収3,000万円を目指していくことも決して不可能ではないでしょう。

■教育現場でも広がるAI人材教育

ハイテク産業で生き残るために、AI人材の教育に力を入れる国も多くなってきています。その代表例として挙げられるのは、台湾です。台湾は近年、電子機器産業のOEM(受託産業)集積地として発展してきました。

数年前にシャープを買収して注目を集めた鴻海精密工業も台湾企業です。しかし、多くのメーカーが価格の安い中国内陸やベトナムなどに生産を移転し、その強みも薄れつつあります。

台湾では、海外からの投資を呼び込むためにAI人材の育成に力を入れています。AIの研究開発に携わる人材を毎年1万人育成することを目標に掲げ、公立学校にAIの教材を導入したほか、政府が共同スポンサーになりAIのオンライン授業を展開。1,000人が申し込んだといいます。

また、GoogleやIBM、マイクロソフトといったIT業界の世界大手も、台湾での投資を拡大。Googleは台北郊外に新たなオフィスパークを建設し、従業員2万人を雇用してAI研究を拡大するとしています。

AIを搭載したスマートフォンやパソコンが増える中、もともと半導体や液晶パネルといった電機部品製造に強みを持っている台湾は、ハードウエアからAIなどソフトウエア部門の拡大へとかじを切ると予想されます。

ちなみに日本では、立教大学が2020年にAI専門の大学院修士課程「人工知能科学研究科」を新設しました。しかし、残念ながらAI研究や開発をリードする「トップ級人材」の育成では、日本は遅れをとっていると言わざるを得ません。

カナダのAIスタートアップ「エレメントAI」の調査によると、AI分野の「トップ級人材」の半数は米国在住で、日本はたった3.6%です。中国が2,525人で全体の約1割、米国に次ぐ世界2位につけているのと比較しても、出遅れているといえるでしょう。

日本の場合、人材の多様性に乏しいのも弱みになりかねません。海外でAIの専門教育を受けた後に自国企業で働く人材や女性の割合も、他国を下回っています。AIの開発には多様性が重要で、性別やバックグラウンドの似通ったグループが開発したAIは判断が偏りがちだとも指摘されます。

日本政府は、年間25万人のAI人材を育成する目標を掲げていますが、まだまだ道のりは遠いかもしれません。

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■各企業が取り組むAI人材育成

教育現場だけでなく、さまざまな企業においてもAI人材育成は行われ始めています。ここからは、企業が取り組むAI人材育成の事例をいくつかみていきましょう。

●Zホールディングス


Zホールディングス株式会社(ZHD)は、グループ企業横断でAI人材を育成するコミュニティ「Z AIアカデミア」を、ZHDの企業内大学「Zアカデミア」内に発足しました。「Z AIアカデミア」では、グループ企業であるヤフー株式会社、LINE株式会社、株式会社一休、アスクル株式会社、ZOZOグループが初期コア企業として参加。

AI人材が集まり学ぶ場を提供することで、グループ内における知識の共有やAIを利用したビジネス協業を促進し、研究者やエンジニアのみならず、“AIを活用する”プロダクトマネージャーやプロデューサーといった多様な職種も含め、“文理両軸”におけるAI人材の育成に注力。

ZHDグループでは、AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5,000億円の投資、そしてAI活用に携わる国内外のエンジニアについて、5年間で5,000名の増員を計画しています。一方、経済産業省が発表した調査によると、国内で不足するAI人材は2025年には8.8万人、2030年には12.4万人にまで拡大すると試算されています。

このような環境の下、ZHDは、外部からの増員のみならず、「Z AIアカデミア」においてグループ内の人材を交流・育成することで、内部からの人材活性化を促します。「Z AIアカデミア」は、まず「AIケーススタディコミッティ」を設置。

AI技術のアルゴリズムやビジネスへの利活用事例を紹介する座学や、ワークショップやグループ人材の交流会を通して、参加者の知識向上を目指します。また、研究者やエンジニアのみならず、今後の業務遂行やスキルアップを図るシーンでAIの知見が有益となる幅広い職種を「AIを活用する人材」として定義し、ノンエンジニアや文系出身人材からのA Iプロフェッショナルの育成にも注力します。

なお、「Z AIアカデミア」では、初期コア企業だけでなく、すべてのZHDグループ従業員に向けた学習機会の提供やコミュニティ形成も積極的に行っていきます。ZHDは、グループ全体のAIに関するナレッジ・実践力の底上げ・人材育成を図ることによって、AI人材不足という社会課題とも向き合いながら、「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」の実現を目指していくといいます。

●パソナグループ

パソナグループでは、単なるPythonエンジニアとしてではなく、データ分析・クレンジングに必要な要素技術を有するデータエンジニアを育成するためのサービスを提供しています。実践に基づいた「AIエンジニア育成」「AIビジネスパーソン育成」という、テクニカルとビジネスの両面において、利用者のAI内製化を強力にサポートしてくれるサービスです。

そのため、AI人材の確保が困難なため既存エンジニアのAI開発力を高めていきたいと考えている企業や、事業拡大に向けてAI活用を開始したいと考えている企業などに最適なサービスといえるでしょう。

●パーソルグループ

パーソルテクノロジースタッフ株式会社は、株式会社エクサウィザーズと共同で、AIを活用したシステムの実装や運用のスキルを持つAI人材の育成を2022年1月から開始しました。パーソルテクノロジースタッフの社員エンジニアを対象に、エクサウィザーズが提供している「exaBase DXアセスメント&ラーニング」というDX人材発掘・育成サポートサービスを活用することによって、AI人材としてのリスキリングの機会を提供していくそうです。

パーソルグループがAI人材育成を開始した背景としては、DX領域の社内教育を行えている企業がわずか36%に留まっていたことがあります。社内教育の環境が整備されていない一方で、2021年11月にパーソルテクノロジースタッフの社員エンジニアに対して行われたアンケートでは、約3割のWeb開発系エンジニアが「DX領域へのキャリアアップに興味がある」と回答したそうです。

この結果を踏まえ、AIについて学習する機会を提供することによって、AI人材不足の解消に繋がっていくことが期待されています。

●NTTデータ

NTTデータでは、AIに関する知見を集約したりAI人材育成を行ったりするための「AI CoE(センター・オブ・エクセレンス)」という組織を2019年に設立しました。システムの開発・運用を一体で進めていく「DevOps」やブロックチェーンなど、既に3つの分野においてCoEが設置されている状況であり、そこに新しくAI CoEを設立することによって、2022年までに4つのCoE技術者を1000人から5000人まで増やしていく計画が立てられていました。

NTTデータでは、2019年度から2021年度の中期経営計画において、CoEを中心とした知見・技術の集約、AI人材育成などを「グローバルなデジタル事業強化の柱の1つ」として挙げていました。こういった点からも、AI人材の育成が企業に大きな影響を及ぼすことがお分かりいただけるでしょう。

●NEC

NECでは、2013年から積極的にAI人材育成を行っています。最近では、これまでに行ってきたAI人材育成の実績を基に、社会課題を解決できるAI人材を輩出するための「NECアカデミー for AI」を開講しました。

この「NECアカデミー for AI」は、学び・実践の場を通してプロフェッショナルなAI人材を育成していくことが大きな目的です。「入学コース」「オープンコース」「NECアカデミー Online for AI」という3つのコースが設けられているため、人気講座をいつでもどこでも気軽に受講することができます。

■AI人材育成サービスを活用しよう

AI人材育成サービスカオスマップを公開

今回は、AI人材について解説するとともに、AI人材の年収や企業の取り組みなどをご紹介しました。さまざまな国で積極的にAI人材育成が行われており、収入という面でも大きな可能性を秘めていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

今後、より多くの企業でAI人材が必要とされる可能性は高くなるでしょう。AI人材の需要が高まれば、優秀なAI人材を雇用することも難しくなってしまうかもしれません。だからこそ、AI人材育成サービスの活用によって優秀なAI人材を育てていくという考え方は、非常に重要といえるのではないでしょうか。

なお、以下の記事では「AI人事育成」について詳しくご紹介していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。

AI人材育成サービスを目的別に紹介!推奨資格や学習方法を解説

AIsmiley編集部

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