
『題名のないAI絵画展』が羽田イノベーションシティにて開催
2022/05/16
最終更新日:2019/11/08
テレビや新聞、インターネットなど、さまざまな場所で広告を目にする機会があります。もともとは新聞やDM(ダイレクトメッセージ)などの広告がメインでしたが、インターネットの普及により、インターネット広告を活用する企業も非常に多くなってきている状況です。
そのような中で、広告業界においてAIが注目されています。理由の一つは、少子高齢化により働き手が不足しており、広告業界においても人材不足が深刻化しているためです。確かに、AIを活用して広告作成すれば人材不足を乗り切ることも可能ですが、肝心の「成果」は期待できるのでしょうか?
今回は、AIによる広告運用の仕組みと、その事例について詳しくご紹介していきます。
一般的に、広告を制作する際には「企画の立案」「出稿するメディアの選定」「顧客に適した広告配信」「広告に使用するコンテンツ作成」など、さまざまなプロセスが存在します。これらを経て、初めて広告を運用していくことができるわけです。
しかし、冒頭でもご紹介したように、近年では人材不足が深刻化していることもあり、広告業界においても「いかに効率よく広告を作成し、運用するか」という部分に関心が集まっている状況なのです。そのような背景もあり、近年は「AIを活用した広告作成(運用)」に注目する企業が増えています。
とはいえ、広告には創造力も求められるため、「AIに広告作成などできるのだろうか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。中には、そのような疑問から、AIの導入に踏み切れていないという企業もあるかもしれません。
しかし、既に広告業界においてAIを活用している事例は多数存在しています。ここからは、広告の作成や運用にAIを活用した企業の事例を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
広告業界大手の博報堂は、業界の中でもいち早くAIの導入を検討し始めた企業として知られています。2017年3月、博報堂はクラウドAIと鏡を組み合わせたターゲッティング広告の配信システム「Face Targeting AD」を発表しました。この「Face Targeting AD」は、鏡の前に立った人の表情を読み取り、その人の表情を参考にして最適な広告を配信するという仕組みです。
マイクロソフトが提供するAzure AIというクラウドAIには顔認識や感情認識ができるAPIが用意されており、これを活用することで、喜んでいるのか、怒っているのかという細かな表情まで認識することができるといいます。
そのため、もし鏡に写っている人物の表情を「疲れている」と読み取った場合には、エナジードリンクの広告を出したり、「悲しそうにしている」と読み取った場合には感動的な映画の広告を出したりすることができるのです。
博報堂はAIの活用に積極的な姿勢を見せており、最近では広告用のアニメーション制作も手がけるなど、革新的な取り組みを続けています。
中国の動画配信サイトVideo++(極鏈科技)ではAIの活用により、動画に合わせた広告の配信を実現しています。動画を見ているときに「この有名人の名前がどうしても思い出せない…」となってしまった経験がある方も多いでしょう。そのような場合、動画の視聴画面を一度閉じて検索エンジンなどで検索するのが一般的かもしれません。
しかし、Video++は動画に出演しているタレントをクリックできるようになっており、クリックすることでタレントの情報が検索できます。そのため、わざわざ動画の視聴画面を閉じて検索する必要がありません。
Video++としても、タレントの名前を検索するためにサイトから離脱されるのはデメリットでしかありません。より長い時間動画を視聴してもらうためにも、「サイト内で悩みを解消する仕組み」にすることには大きなメリットがあるわけです。
また、Video++では、食べ物や化粧品、おもちゃなどのレビュー動画で紹介されている商品を動画内で購入することができます。これは、AIが動画で紹介されている商品を自動で特定し、その商品を販売しているECサイトと連動させるという仕組みです。AIが自動で商品の特定を行うため、効率的にユーザーを購買へとつなげていくことも可能になります。
さらに、Video++ではAIが広告に関連するクーポンを表示させる機能も備わっています。動画内の広告をAIが自動で認識してクーポンを出すことで、購入率の向上が期待できるのです。
動画を視聴していて「この商品気になる!」「この人が着ている服はどのブランドだろう?」といった興味が湧くケースは決して少なくないため、AIの活用によって広告の成約率を高められるという点は大きな魅力と言えるのではないでしょうか。
このように広告業界におけるAIの導入は、業務の効率化を加速させていくと考えられます。特にAIは、蓄積されたデータにもとづいて最適な答えを見出していく作業を得意としますので、広告運用の費用対効果を高める上でも大きな期待が集まるでしょう。
しかし、広告の作成から運用までのすべてをAIに任せることは現実的ではありません。創造性を求められる業務においては、やはり人間のほうがさまざまなアイデアを柔軟に考案できると考えられるからです。
最近では、創造性が求められる「キャッチコピー」をAIが制作するというケースも出てきていますが、AIが制作したキャッチコピーの中から採用案を決定するのは人間に他なりません。つまり、仮にAIに任せるとしても「最終的な判断を下すのは人間」ということです。
だからこそ、今後は「AIに任せられる業務」「AIに任せるべきではない業務」の棲み分けをしていくことが大切になるでしょう。そして、人間がより創造性を求められる業務に力を注いでいく環境を整えることが、企業としての業務効率化につながっていくと考えられます。
今や広告業界に限らず、多くの業界においてAIの導入が進んでいる状況です。より身近な存在になったからこそ、今回ご紹介した事例を参考に「AIに任せるべき業務は何なのか」を見つめ直しつつ、広告運用を行ってみてはいかがでしょうか。
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