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最終更新日:2023/09/28
ビジネスにおける長期的な成長を目指す上で、セールスイネーブルメントの必要性が高まっています。セールスイネーブルメントを通して、人材育成の仕組みの構築や営業社員の属人化の解消といったメリットが得られ、営業組織の強化や最適化につながります。
本記事では、セールスイネーブルメントの意味やメリット、実践に役立つ営業ツール、導入方法などについて解説します。セールスイネーブルメントについて理解し、営業活動のスピードを加速させるためにぜひお役立てください。
セールスイネーブルメント(Sales Enablement)とは、営業組織の強化・改善を目的として「テクノロジーを活⽤した売れる営業の仕組み化」を行うことです。各施策による売上への貢献度や目標達成状況を数値化し、測定・分析によって営業活動の最適化と効率化を目指します。
営業ツールの開発や導入、営業研修、営業プロセスの管理・分析といった、あらゆる施策が総合的に用いられます。ただ、人事採用や新人研修、システム管理、顧客流入経路など、各部署の業務も売上に対して影響していることは見逃せません。
そこで、売上を最大化するため、部署ごとに効果を測定するのではなく、部門横断的な仕組みを設計・構築するというのが、セールスイネーブルメントの取り組みです。
セールスイネーブルメントの必要性が高まっている背景には、テレワークの浸透やモバイル端末の普及が挙げられます。コロナ禍を経て、対面からオンラインへの移行が急速化し、営業活動でもITツールの導入・活用を余儀なくされました。
また、Webマーケティングの拡大やSFA、MA、CRMなどのITツールが、質の高いリードへのアプローチを後押ししたことで、効率的に対応できる営業組織の構築の重要性も高まっています。
さらには、営業担当が各々のやり方で活動することで、品質にばらつきが生まれ、有益な情報が共有されにくい、という営業の属人化も課題となっています。属人化した状態を放置していると、営業組織としてパワーアップしにくいため、競合他社との市場競争において不利になる可能性もあります。
こうした文脈から、今日本においてセールスイネーブルメントが注目を集めています。
セールスイネーブルメントによって、人材育成の仕組み化や営業の属人化の解消といったメリットが見込めます。セールスイネーブルメントを適切に導入・運用することで、情報共有やデータ管理がスムーズになり、人材育成のスピードアップが見込めます。
また、営業活動が最適化されることで、組織のパフォーマンスが向上し、会社の売上向上につながります。セールスイネーブルメントがもたらす2つのメリットについて、詳しく解説します。
セールスイネーブルメントは、人材育成の仕組み化に貢献します。効果的な人材育成を行うためには、営業活動に関するデータを集め、分析を行って現状における課題やノウハウをあぶり出す必要があります。
具体的には、リード数や受注率、顧客単価などの情報に加えて、営業担当者への研修内容や評価といったものも重要です。セールスイネーブルメントは、テクノロジーを使ってデータ分析を効率化できるため、適切なKGI(組織の最終目標)やKPI(行動目標)が設定でき、目標達成を通した売上向上につながります。
また、営業テックによって個人の営業スキルや営業成績が見える化され、課題が明確になるため、必要な改善策にスムーズに取り組めます。課題の解消に役立つトップセールスの営業ナレッジやノウハウをマニュアルとしてまとめれば、新人育成の効率化が図れる上、営業組織としての底上げが期待できるでしょう。
営業教育の体系化や仕組み化、自動化によって、今まで新人育成に注いでいた時間を営業活動に回すことができるため、成果の向上が見込めます。
セールスイネーブルメントは、営業活動の属人化の解消にも役立ちます。組織において、本人しか対応できない業務や顧客、ハイパフォーマーに売上が依存した状態では、本人がいなくなると業務や業績に支障が出るリスクが高いでしょう。
また、個々のやり方やスキルにバラツキが生じている状態では、売上の予測が困難となり、中長期的な成長の実現から遠ざかってしまいます。
特に営業活動の場合、担当者と顧客のみのやり取りで完了できることも多く、属人化しやすい傾向にあります。そこで、セールスイネーブルメントを通じて、売れる営業マンが感覚的に行っていることを体系化し、仕組みとして落とし込みます。
個人に依存しやすい顧客への対処法や営業プロセスの進め方を、再現性の高い状態にまとめて共有することで、営業チームとしてのパフォーマンスの向上が期待できます。同時に、営業のスキルが標準化され、マネジメントコストの節約にもつながるでしょう。
セールスイネーブルメントを実現するためには、営業ツールの活用が必須です。受注率や顧客情報や商談の履歴といった営業活動に関する情報に加えて、教育研修などさまざまな情報をデータとして蓄積・管理するために、適切なツールを選ぶ必要があります。
営業向けのITツールにはさまざまなものがありますが、ここではSFA(営業支援システム)とCRM(CRM)やMA(マーケティングの自動化ツール)について解説します。
SFA(Sales Force Automation)とは、顧客との関係性を集約、管理するためのシステムで、営業支援システムや営業支援ツールとも呼ばれます。多くのSFAは、顧客情報管理やスケジュール管理、見積もり作成、日報管理など日々の営業活動で必要となる機能を備えています。
SFAツールにより、案件の進捗状況や商談から契約までのプロセス、対応方法といった情報を可視化することが可能です。リアルタイムで把握できる上、課題の解決やフィードバックといった用途でも活用しやすいため、教育体制の仕組み化にも役立ちます。
また、成功事例やプロセスといった自社の営業ナレッジの蓄積・共有がスムーズに行えるため、属人化の解消や教育コストの削減につなげることが可能です。
MA(Marketing Automation)とは、マーケティング施策を自動化するためのツールで、CRM(Customer Relationship Management)は、企業と顧客の関係性を集約・管理する顧客関係管理システムのことです。
MAツールは、新規顧客獲得におけるマーケティングを自動化・効率化することを目的としています。MAツールにより、購入意欲のあるリードを見つけ、商談へと進めていくリードナーチャリングが進みやすく、成約率の向上や成功事例の蓄積につながります。
CRMツールは、顧客の氏名や所属企業、役職などの個人情報から、商談や問い合わせ内容、購入履歴などをデータ化し一元管理します。潜在ニーズの可視化や提案内容のブラッシュアップなどもチーム全体で共有しやすく、属人化を防ぎながら顧客満足度の向上につなげることが可能です。
MAとCRMとでは顧客情報の活用方法は違いますが、連携により最大限の効果を得るためには、顧客情報がしっかり蓄積されている必要があります。
ここからは、セールスイネーブルメント導入の主な手順と各工程のポイントを見ていきましょう。
部門横断的に一貫して設計するセールスイネーブルメントのコンセプトに沿って、施策の数値化や可視化を行うツールを取り入れ、生産性の最大化を図るためには、計画的な実行が必要です。
要点を押さえて、現場でスムーズにセールスイネーブルメントを運用するためにもぜひ参考にしてください。
まずは、営業データの収集および整備から始めます。SFA・MA・CRMツールを導入し、営業マンへのヒアリングなどを通して、これまでの営業活動データを収集・蓄積します。
特にハイパフォーマーの営業手法や対応方法は、営業部署全体の品質向上につながる重要な要素です。優先的に言語化し、ノウハウやナレッジを営業フローに取り入れられる状態を作っておくと、営業業務の標準化につながります。
SFAは進捗状況や個人の成果などの営業活動全般の情報管理、CRMは顧客情報の管理、MAは顧客別のマーケティング施策の自動化に主に使用します。ツールを用いたデータの見える化と共有を通して、営業フローや営業活動の管理項目、マネジメント層によるリアルタイム管理が可能な環境を整備します。
次に、セールスイネーブルメントを担当する専任(兼任)部門を社内で立ち上げます。チームの設置が難しい場合は、担当者を決めてアサインし、各プロセスを関連部門と連携する体制を整えます。
セールスイネーブルメントの取り組みには、営業ノウハウのマニュアル化やITツールを用いた情報管理、人材育成など幅広い業務が含まれます。実行体制の例を以下に示します。
システム整備では開発部門と、トレーニングやコーチングといった人材採用の強化には人事部門と連携する必要があり、成功させるためにも統括責任者の存在が不可欠です。
セールスイネーブルメントの目的は売上・利益の最大化ですが、部門横断的な取り組みになります。そのため、可能であれば営業部門の兼任よりも、専門の担当部署と責任者を設置することが望ましいでしょう。
目的や運用について現場の理解と協力を得る上でも、営業・人事・システム開発・マーケティング部門などの各部門のキーパーソンを集めてチームを構築できると理想的です。
セールスイネーブルメントを実行し始めたら、効果検証のために専任担当者を決めておきましょう。セールスイネーブルメントの継続的な取り組みを成功させるためには、営業業務や人の成長に興味があることに加えて、分析思考力や体系化スキルなどが専任担当者に求められます。
パフォーマンスの高い営業担当の考え方や視点を分析し、他の社員に活かせるトレーニングや育成プログラムの開発を行います。商談化率の高い営業資料を集め、ナレッジ提供や行動パターン分析などをもとに、ラーニングコンテンツや教育ツールを作成します。
トレーニング内容は、現在の企業規模や営業指標により変わりますが、営業メンバーが誰でも使える汎用ツールを目指すことが大切です。
主な営業向けトレーニングには、立ち上がりのための「オンボーディング・トレーニング」と、商品や売り方について理解する「営業トレーニング」の2つがあります。他にも、成功事例の勉強会や顧客による事例共有会などのイベントもおすすめです。
セールスイネーブルメントを実施しながら、継続的に売上を向上していくために、PDCAサイクルを構築する必要があります。実際に育成プログラムで得られた効果を検証し、データとして蓄積・見える化した後、判明した課題や修正点を踏まえて育成プログラムを改善する、というのが一連のPDCAサイクルです。
育成プログラムの検証データは膨大になるので、KPIを設定し、必要なデータを優先的に蓄積できるよう工夫すると良いでしょう。構築したサイクルを経営層に共有し、会社経営に営業活動を取り込む仕組みを制作すれば、中長期的な売上向上につながっていきます。
また、より良い経営スタイルの確立や、自社の課題を解決する第一歩として活かすことができるでしょう。
セールスイネーブルメントは、ITツールを活用して組織としての営業力の向上を目指す取り組みです。セールスイネーブルメントを取り入れることで、属人化しやすい営業活動の最適化や、人材育成の仕組み構築といった良い変化が期待できます。
中長期的に営業力強化を目指すためには、関連する情報のデータ蓄積とその活用が欠かせません。できる限りセールスイネーブルメント専門のチームを設けて、ツールを利用した営業改革に取り組むことで、事業全体の業務効率化や事業拡大に貢献できるでしょう。
自社の課題に合ったSFAやMA/CRMツールを選ぶことが大切ですが、自社だけでは簡単に進まない場合もあるでしょう。AIsmileyでは、営業支援サービスの提供企業を紹介しています。企業一覧レポートを以下より無料ダウンロードいただけますので、比較検討にぜひご利用ください。
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