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2022/07/05
最終更新日:2019/06/13
AI投資の一環として一般化しつつあるチャットボット。ただ、導入経験が浅く、運用体制などが整わない場合、効果が感じられず「使えない」という結論になってしまうかもしれません。今回は、チャットボット導入の成功事例とその効果についてまとめました。
目次
チャットボットの先駆けとしてその名を知られるのが、アスクルの個人向けネット通販サイト「LOHACO」で活躍するマナミさんです。
2014年のチャットボット導入から4ヶ月、お団子頭がトレードマークの女性を「マナミさん」としてキャラクターに採用すると、親しみやすさからチャットの利用が急増。今では、問い合わせの5割がマナミさん経由だといいます。その仕事ぶりは、電話オペレーターの業務量に換算すると10人分以上になるそうです。
マナミさんがユーザーの心をとらえたのは、明るいキャラクターに加え、LOHACOの利用ユーザーと彼女の属性に重なる面があるからかもしれません。マナミさんの家族は夫と長男(3歳)、長女(1歳)、犬と猫。趣味は雑貨屋さんやカフェ巡り、特技はお料理やお絵描きと公表されています。
マナミさんへの問い合わせは、カスタマーセンターの営業時間外となる夜間の利用がとくに多いようです。子育て中の女性など、夕食の片付けや子供の寝かしつけなどが一段落した時間にLOHACOについて調べてみた、という利用シーンが想定できます。
マナミさんの事例からは、チャットボットの利用を促進し効果を得るには「ユーザーに親しまれるキャラクター作り」「利用シーンや時間帯に合ったサービス提供」といったポイントが重要であることがわかります。
チャットボットの導入によって、問い合わせ件数が4倍に伸びたのが森永製菓です。
同社はオリジナルの写真でおかしのパッケージを作れる「おかしプリント」というサービスを提供しています。ハイチュウやチョコボール、おっとっとなど、誰でも知っている森永製菓のお菓子をカスタマイズできるとあって、最初は個人向けのサービスとして始まったものですが、そのうち大口での発注に関する問い合わせが増え、法人向けサービスも開始しました。
この法人向けサービスの問い合わせ窓口としてチャットボットを採用したところ、「ちょっと聞いてみたい」という見込み客からの問い合わせの数が4倍に増えたといいます。
この事例からわかるのは、「ちょっと話を聞いてみたい」という関心レベルのユーザーには、匿名で気軽に問い合わせできるチャットボットがマッチしているということです。法人向けのサービスは特に、Eメールや電話での問い合わせには所属先などを明らかにする必要があり、その後の売り込みの可能性などを考えると、気軽に聞きにくいと考える人が多いのでしょう。
また、企業側としても、ユーザーが自由に問い合わせを入力してくれるチャットボットは、思わぬ気づきを得られるチャンスでもあります。
2017では、チャットボットを活用した対話形式での商品購入について、「主流になってほしい」(19.5%)、「できれば主流になってほしい」(25.5%)という答えを合計すると45%に上り、多くの人がチャットボットによる購入を肯定的にとらえていることがわかります。
背景には、近年コミュニケーションアプリ「LINE」など、文字によるコミュニケーションが主流になっていることがあり、問い合わせに対するユーザーの心理的ハードルを下げていると考えられます。
人手不足が顕著になる中、ユーザーの利便性向上と問い合わせ対応の効率を上げるべく、チャットボットはますます普及するでしょう。
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