ボイスボットを導入する際は、目的に応じて適切な製品を選択することが重要になります。では、具体的にどのようなポイントに目を向ければ良いのでしょうか。ボイスボットの主な機能や導入ポイントについて詳しくみていきましょう。
- 制度改善の有無
- 会話内容と確認の切り替え
- 他システムとの連携
- サポート体制
精度改善の有無
専門用語の理解や会話速度の設定、音声認識時間の調整、顧客に合わせた表現など、細かな設定や調整ができる機能が搭載されているかどうかは、事前にしっかりと確認しておくべきポイントの一つといえるでしょう。
最近では、自動学習機能が搭載されているボイスボットも多くなってきています。より高い精度を実現するうえで「精度改善」は重要なポイントといえますので、この点に注目しながら比較検討していくと良いでしょう。
会話内容の確認と切り替え
用途によっては、ボイスボットだけでは問題を解決できないケースが発生することもあります。そのようなときに重要となるのが、会話の途中でオペレーターが状況確認できる機能です。また、状況に応じて有人対応への切り替えを行える機能も搭載されていれば、よりスムーズに有人対応への切り替えを実現できます。
顧客の要望として有人を希望するケースもあるため、自社の用途や需要を把握した上で、「会話内容の確認・切り替え機能」の必要性を判断していくと良いでしょう。
他システムとの連携
ボイスボットは、他のシステムと連携させることでより高い成果を期待できるようになります。たとえば、自社で導入している問い合わせシステムに登録すれば、よりスムーズな問い合わせ対応を実現可能です。また、利用者の対話内容をテキスト化してSMS送信したりすることも可能になるため、さらなる業務効率化や満足度向上に繋げられるでしょう。
サポート体制
ボイスボットサービスにおけるサポート体制とは、専門家によるアドバイスやチューニングが含まれているかという点です。
ボイスボットの導入後、不明点やトラブルが発生した際に自社で解決することは困難です。サポート体制が充実していれば、発生した問題を迅速に解決できます。選定の際は、相談窓口のあるボイスボットサービスを選定するとよいでしょう。
ボイスボット導入によるメリットは以下の通りです。
- 業務効率の向上
- 機会損失の防止
- 人件費の削減
- 顧客満足度の向上
- オペレーターの育成促進
それぞれの詳細を解説します。
業務効率の向上
従来オペレーターが担当していた問い合わせ内容のヒアリングをボイスボットが行うため、「オペレーターは有人対応が必要な業務のみに専念」することができ、業務効率の向上につながります。
また、既存のシステムと連携させることによって、さらなる業務改善が見込めるという点もメリットの一つといえるでしょう。
機会損失の防止
これまでは、営業時間内の限られた時間のみ問い合わせ対応を行うのが一般的でした。しかし、その時間外に問い合わせを行いたいと考える人も当然いるため、問い合わせ対応を行えないという「機会損失」を生んでしまっていたわけです。
その点、ボイスボットを導入すれば、営業時間外でも問い合わせ(予約受付・注文・手続き・要望など)を受けられるようになるため、機会損失の防止に繋げられるのです。従業員の負担を増加させることなく休日対応を行えるようになる点は、大きなメリットといえるでしょう。
人件費の削減
有人対応以外の部分をボイスボットに任せることができるようになれば、人件費削減というメリットも得られます。これまでは、すべての問い合わせ対応を従業員が行う必要がありましたが、定型作業を自動化できるようになるため、別の「人間でなければ対応できない業務」に力を注げるようになるのです。
顧客満足度の向上
有人対応の場合、どうしても人手が限られるため、待ち時間によるストレスが増加してしまう傾向にありました。しかし、ボイスボットを導入すれば同時に複数の問い合わせに対応できるようになるため、顧客のストレス軽減が期待できます。
もちろん、中にはボイスボットのみで完結できる(入力の手間を省ける)ものもあるため、問い合わせの完了までの時間が短縮されたり、総合的に顧客満足度向上が見込めたりするメリットもあるのです。
オペレーターの育成促進
ボイスボットを活用すれば、電話の内容ごとに振り分けを行うことが容易になります。そのため、オペレーターは特定のジャンルの専門知識を効率良く身につけられるわけです。
たとえば、「製品の発送までのプロセス」と「製品の不具合」では、必要となる知識が大きく異なります。そのため、電話の内容ごとに振り分けを行う環境を構築すれば、よりオペレーターの専門知識を深めやすくすることが可能です。
- 精度が製品により異なる
- 顧客の感情認識が難しい
- 方言に対応するのが難しい
上記3点について、それぞれ解説します。
精度が製品により異なる
専門用語やテキストでも表現するのが難しいもの(図形や画像をみて説明する)などを理解させるのは不得意とされています。また、製品ごとに、AIの精度も大きく異なる傾向にありますので、事前にボイスボットごとの「得意とする分野」を把握した上で、比較検討していくことが重要になるでしょう。
顧客の感情認識が難しい
ボイスボットは、音声をテキスト化した情報の解読、定型的なやりとりなどを得意とする反面、図や動画が必要となる作業や、顧客の感情を察する必要があるクレーム対応などは得意としません。
そのため、有人対応と自動対応の領域を棲み分けることを前提に、ボイスボットの導入を検討していったほうが良いでしょう。
方言に対応するのが難しい
ボイスボットは、過去の蓄積されたデータをもとに、音声を分析していきます。そのため、蓄積データの少ない方言が使われていると、誤認識してしまう可能性もあるでしょう。方言にも対応できるようにするためには、より多くのデータを蓄積させる必要があります。そのチューニングにコストがかかってしまう点も、デメリットといえるでしょう。
ボイスボットには、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在することがお分かりいただけたかと思います。そのため、メリット・デメリットをそれぞれ把握した上で製品選定を行うことが大切です。また、ボイスボットは導入がゴールラインというわけではありません。導入後の運用を成功させるためには、ボイスボットへの学習が重要になるからです。
ボイスボットの精度を向上させるには、まず定期的に会話内容を分析し、ボイスボットが適切に対応できているかどうかや音声認識の精度を確認します。分析の結果、顧客対応のシナリオが複雑でボイスボット対応が不十分であった場合は、シナリオの見直しや音声認識精度の改善が必要です。
この他にも、使用されることが想定される固有名詞や固有ワードを予め登録しておくことで精度の向上に繋がります。
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ボイスボットとは、ユーザーが音声によってシステムを操作できる、AIが搭載されたソフトウェアです。コールセンターやコンタクトセンターなど、これまで人が対応していた電話業務を自動化することができます。現在、さまざまな企業によってボイスボットサービスが提供されており、価格やサービス内容が異なります。選定の際は、相談窓口などのサポート体制が充実しているサービスを選定することで、導入後のアドバイスやシステムのチューニングを実施してくれます。
採用の際は、自社の導入目的にマッチしたボイスボットサービスを選定しましょう。
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