OmlucのClaude Code研修
Omlucの
Claude Code研修
総合飲料メーカーとして多様な事業を展開するサントリーホールディングス。同社デジタル&AI本部は、事業部横断でDX・AI活用を推進し、マーケ・営業業務領域、日常業務領域の現場実装を通じて、事業成長と変革を生み出す役割を担っています。
今回の取り組みの中心となったのは、グループ会社「ヴィノスやまざき」のEC領域です。ヴィノスやまざきは、全国27店舗とオンラインショップを運営し、社員自らが現地ワイナリーに足を運んで直接買い付ける”目利き”を強みに、卸・小売を展開するワイン企業。商品の種類が非常に多く、在庫の入れ替えも激しい中で、お客様にワインを楽しんでもらうために、毎月多くの企画を立案しているため、ECの現場ではバナーや訴求文などの更新が頻発します。
サントリー(デジタル&AI本部)は、ヴィノスやまざきのECの売上拡大を支援する立場として、人がやらなくても良い単純作業の工数を圧縮しながら、少人数でも質の高い顧客体験を生み出せる状態をつくることを重視。その実装手段のひとつとしてJAPAN AIを導入し、伴走を通じて「何をどうAIに任せるか」を現場に落とし込んできました。今回は、推進の中心となった関島さんに加え、実務を担当された榎さんと津崎さんに、導入初期の壁から具体的なユースケース、今後の展望までお話を伺いました。

AIを導入した背景は、率直に言うと、現場の膨大な業務量を目にし、「これ、どうにか効率化できないかな」というのが最初のきっかけでした。お客様に最新の情報を届けるため、ECは何度も画像を差し替え、文章を作り、広告も配信する。そして、作ったものの使用期間が短い。たとえば広告は2週間配信したら次を試すときもありますし、もちろん売り切れたらページも変わります。作って終わりではなく、季節や商品の差し替えに伴い更新し続ける仕事が多い。
ヴィノスやまざきに携わる少人数のスタッフでも回る状態に圧縮して、よりよいECとしてお買い物を楽しんでいただくために頭を使う業務に工数を寄せたい、というのが背景でした。
コスト面も同じで、ツール自体の利用料に加えてサポート費が大きく膨らむと、さすがに続けづらい。JAPAN AIは、カスタマーサクセスに伴走してもらえる体制がありつつ、その負担が現実的な範囲に収まると分かったので、「まず環境を整えてみよう」と踏み切りました。実際、最初の1〜2カ月はほとんど使われない時期もありましたが、週次で壁打ちしながら”自分たちの業務に当てはめる”ところまで落とし込めたことで、少しずつ運用が回り始めた、という感覚です。
私自身の業務でも、プロンプトの書き方に最初は迷っていました。何をどう聞けばよいのかが分からない、という戸惑いが先に来る。そこを埋めるために、初心者向けのプロンプトを作ってくれるエージェントを最初の頃はよく使っていました。使ううちに「こう書けばいいのか」と分かってきたのは大きかったです。
最初の1〜2カ月は、まさにこの「入口」で止まりかけていました。そこで効いたのが、JAPAN AIカスタマーサクセスとの週次会議設定いただき、伴走いただいたこと。日々の業務をそのまま題材にして「今やっている作業なら、どこをAIに任せられるか」「まずは何を、どう聞けば結果が出るか」を一緒に組み立てる。試行錯誤に時間を取れない現場にとって、ここが使い始めるきっかけになりました。
もう一つ、導入後の変化として大きいのは「これはAIでできるのか?」という問いが、現場で定期的に立ち上がるようになったことです。以前は「既存業務の中で、どこにAIを当てればいいか分からない」状態でしたが、今は困りごとが出た時に”AIという選択肢”が自然に想起される。その小さな習慣の変化が、次の活用につながり始めています。

言い換えると、AIに任せたいのはヴィノスやまざき内に散らばる膨大な情報を「調べる・集める」といった初動の重たい部分で、そこで浮いた時間を”打ち手の質”に振り向けられる状態を作りたい。セット画像やクリエイティブの領域を進めるのも、最終的には、その余白をさらに大きくしていくためですね。
ECのオンラインチームで言うと、次に取り組み切りたいのは「セット画像」のような、定型だけどまだ置き換え切れていない業務です。ここは芽が見え始めている分野なので、まず手をつけたい。加えて、いずれはバナーなどのクリエイティブでも、制作のスピードを上げていける状態を作りたいと思っています。以前は運用の論点で止まった部分もありましたが、いまでは「操作感を見れば使えそう」という空気が出てきているので、ここはあらためて進めるべきタイミングだと感じています。
いまはフロー完成の6〜7割の段階まで来ていて、残りは「どう更新し続けるか」という部分ですね。人が変わっても、品質とルールが更新され続ける状態を作れたら、コミュニケーションアップデートの速度が変わり、よりお客様に寄り添った配信戦略を組み立てるための時間が取れるので、結果としてブランドの成長の速度も変わってくると思っています。
サントリーは「人の心を動かす」という、AIではできないところに強みがある会社でもあるので、何でもAIに寄せればいいとは思っていません。ただ、現状は人によってAIを活用できる範囲や度合いが異なるので、「ここならAIが効くよね」という共通認識が持てるだけでも、部署をまたいだ会話はかなりスムーズになるはずです。
そのためには、まず現場の困りごとに効く”小さな成功体験”を作って、デジタル&AI本部から発信して、”そんなことができるんだ”という気付きを届け、問い合わせが生まれて、また次が動く。その積み重ねだと思っています。

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