OmlucのClaude Code研修
Omlucの
Claude Code研修
人口約4,000人、森林が町域の9割を占める鳥取県日南町。自然豊かな地域で林業を中心とした産業が根付いています。小規模自治体であるため、役場では多岐にわたる業務を少人数で担っています。住民票の発行や福祉サービスといった窓口業務に加え、予算編成や国への報告など裏方の事務作業も多く、「住民対応にもっと時間を割きたいのに、書類や議事録に追われる日々」が続いてきました。
そんな日南町が導入したのが、JAPAN AI。議事録作成の効率化からキャッチコピーのアイデア出しまで、活用の幅を広げています。導入を主導したのは、地域づくり推進課で情報システムを担当する今川公博さん。役場の現場でAIがどのように根づき、どのような成果を生んでいるのかを伺いました。

役場の業務は部署ごとに多岐にわたります。住民票の発行や道路管理などの住民サービスに加え、翌年度の施策検討や予算準備、国への報告といった裏方業務も多い。庁舎のエントランスは開放的で、部署を問わず住民の方と直接お話する機会も多いのですが、その一方で裏側の事務作業が膨大で、いかに効率化し住民対応に時間を割くかが常に課題でした。
事務作業の負担になっていたものの一つが議事録作成です。2時間の会議に2時間以上かけて文字起こしをすることもありました。通知文や広報、答弁整理などの文章作成も常に山積みで、兼務が多い職員は「手が止まる時間」に悩まされていました。
日南町は小規模自治体であるため、一人の職員が複数の業務を兼務することも多く、事務処理の効率化は「住民サービスの質」に直結する重要課題でした。

導入を検討するにあたり、まず4社のAIサービスを対象にトライアルを行いました。共通の音声データを用いて要約や議事録を生成させ、操作感や出力精度を職員同士で見比べました。単なるデモではなく、1か月単位で実務に近い使い方を試すことで、「本当に役に立つのか」を見極めようとしたのです。
実際の会議では、地名や地方ならではの言い回しが議事録に登場することもあります。そうした表現が入ったケースでも、JAPAN AIは要約に落とし込んだときの精度が高く、誤解なく意味をつかめるアウトプットが得られました。「これなら実務レベルで活用できる」と実感できたのは大きな安心材料でした。
さらに決め手になったのが、利用者に優しい設計です。JAPAN AIにはあらかじめ用途別のテンプレートやエージェントが用意されており、職員が細かい条件を設定しなくても、迷わず利用できます。他社サービスでは「前提をどう書けばいいのか」と戸惑う場面が多かったのですが、JAPAN AIは初めて触れる職員でも使える手応えがありました。
もうひとつ大きかったのは、サポートの姿勢です。導入を検討していた当時から「月に一度は定例を」と提案されており、これは他社にはなかった取り組みでした。問い合わせ対応そのものはどこも行いますが、あらかじめ日程を確保してもらえる安心感は別物です。「分からないまま置き去りにしない」というスタンスは、導入の決め手となる大きな要因でした。

JAPAN AI導入後は、音声を取り込み、自動で文字化と要約を済ませることが可能になり、担当者は最終確認と修正だけに専念できるようになりました。その結果、「2時間の会議後でも10分程度の調整で済む」というケースも生まれています。
議事録以外の業務でも効果は広がっています。例えばアンケート分析では、AIが”第三者の視点”を提示してくれるため、職員だけでは気づけなかった切り口を”手心が加えられず”得られるようになりました。また、大阪でのイベント出展時には、AIに依頼してキャッチコピー案を多数出してもらい、その中から組み合わせたり、付け加えることで最適な表現を選んで活用しました。さらに、町内放送や広報誌の原稿作成でも、伝えたい趣旨を入力すると自然でわかりやすい文案に整えてくれるため、修正の手間が減少しています。
私は「0→1」のアイデアを出すのが得意ではありません。しかし、AIが素案を複数提示してくれることで、ゼロベースでいつまでも悩んで手が止まっている時間がなくなりました。方向性を決めたうえで、候補をもとに肉付けしていけるため、「止まらずに前へ進める」という実感を得ています。

関西万博出展に向け、日南町のイベント名を「コピーライターエージェント」で生成している様子。
導入当初は「AIなんて難しいのでは」「本当に正確な答えが返ってくるのか」といった不安の声もありました。職員の年齢層や業務内容が幅広い自治体では、どうしても習熟度の差が出やすく、活用に前向きな人とそうでない人の温度差は課題でした。
しかし実際に使ってみると、議事録の要約や文書の素案作成など「AIに任せられることがある」と実感できる場面が次々に生まれ、抵抗感は少しずつ薄れていきました。兼務が多い職員にとっては「全部抱え込まなくてもいい」という安心感が大きく、仕事のスタンスそのものに変化が出始めています。
さらに、JAPAN AIの伴走型サポートも大きな安心材料となりました。
月に一度の定例会では、その間に出てきた疑問をまとめて解消できるだけでなく、新機能や追加されたエージェントの紹介も受けられます。「こんな業務には、このエージェント」といった形で、目的に即した使い方をすぐに理解できるのは大きなメリットでした。アップデートのたびに選択肢が広がり、「どの業務をAIに任せるか」が明確になっていく、こうしたAIの進化にあわせた継続的な改善サイクルが、役場内での安心感と利用拡大を支えています。
現在は情報担当の3名が窓口となり、各課からの依頼に応じてAIを活用しています。ただし、これだと窓口に集中してしまうため、将来的には一人ひとりが自分のアカウントで直接AIに投げかけられる体制を理想としています。AIが裏方作業を担い、職員は住民対応に集中できる。その結果として、「住民満足」と「職員の働きやすさ」を両立させること…それが日南町が描く次のステップです。
最初から完璧を目指す必要はないと思います。私たちも「何を試したらいいのか分からない」状態から始めました。まずは触ってみて、毎月の定例会で相談しながら少しずつ形になってきた、というのが実際のところです。テンプレートやエージェントが”はじめの一歩”を支えてくれて、定例会が続けていくための後押しになりました。
役場の仕事は多岐にわたりながらも、人員が限られています。だからこそAIに助けてもらえる部分があると、職員は住民対応など「人がやるべきこと」に時間を割けるようになります。その変化は、住民の満足度にもつながると感じています。
一つ、いつも意識しているのは、「これってAIに置き換えられないかな?」と考えてみることです。忙しいと、どうしても目の前の作業に追われ、”アナログのまま”で済ませがちですが、ほんの少し見直すだけで、AIに任せられる仕事が見えてくるものです。そうすると、手が止まる時間が減って、次の仕事にすっと移れるようになります。
これは自治体に限らず、どんな組織でも同じかもしれません。まずは小さく試してみる、ちょっと質問を投げてみる…それだけで仕事の景色は少しずつ変わっていくと思います。
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