【Vol.21】【Oita AI Challenge 2022受賞企業】 災害時の活用が期待される「ジェスチャーAI」。先端技術の実用化を目指すAPCの想いとは。
2022.07.15
株式会社APC
・機械の目で認識判断する「現場のAI」と、熟練の精緻な技をデジタル化する「匠のAI」を開発
・災害時にも対応した完全自律配送の実現に向けて、ドローン自律航行のためのラスト100フィートAIを開発中
・ジェスチャーAIや、ドローンがオフラインで自律航行できるAI等の実用化で、災害時や地方における課題解決に貢献する
大分県公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所と「おおいたAIテクノロジーセンター(OAITC)」の主催により行われたビジネスコンテスト「Oita AI Challenge 2022」が、2022年3月5日に開催されました。株式会社APCが発表した「ドローン自律航行のためのラスト100フィートAI~災害時にも対応した完全自律配送の実現に向けて~」と題したプレゼンテーションが、NTTPCコミュニケーションズ賞を受賞。本プレゼンでAPCが伝えたかった想いとはなにか。受賞後に、同社情報システム事業部 大分開発センター長 後藤喜博さんにお話を伺いました。
航空機認識の実証実験を通じて雑談の中から生まれたアイデア
NTTPC
まずAPCの事業内容を教えてください。
後藤
株式会社APC 情報システム事業部 大分開発センター長 後藤喜博(以下、後藤) 主に情報システム事業と半導体事業を行っています。私が所属している情報システム事業では、人の眼を機械の目に置き換え、認識判断する目視の自動化ソリューション「現場のAI」と、熟練の精緻な技をデジタル化する技の数値化ソリューション「匠のAI」を展開しています。半導体事業は、米国Lam Research社製の半導体製造装置のインスタレーションと装置・部品の修理・改造を行っております。
情報システム事業全体としては、コンピュータービジョンとFAソフトウェアを核としたカテゴリーの開発を行っており、それらの相乗効果によりソフトウェアやプロダクトを提供しています。
FAソフトウェア開発はハードウェア関連技術をもとに、お客さま環境など現場ノウハウなども合わせた上で、エンドユーザーに近いところで実施されています。コンピュータービジョン開発は、論理ベースでバーチャル空間を活用して実施されることが多くなっています。FAソフトウェアとコンピュータービジョン、これらの2つの要素を結びつけるノウハウこそが弊社のコアコンピタンスだと考えています。
NTTPC
今回のプレゼンにある、ドローンを活用したラスト100フィートへの配送をAIでやろうと考えられたきっかけはなんですか。
後藤
当社は航空機自動認識を目的とした実証実験を2021年10月から実施しております。
航空機も同様、基本的に「空の世界」は自動化が進んでいます。ただし、離陸と着陸時は自動運転ではなく、手動で行われることがほとんどです。気候条件などを勘案すると自動運転の方がより安全かもしれませんが、離着陸時の運転モード切替えには、航空機側や滑走路側などに様々な設備が必要だと聞いています。
もちろん、機長の運転感覚を保持するという目的もあるとは思いますが、離着陸時には細かな操作・確認等が必要であり、状況判断が重要であるということだと思われます。
ドローンにおける配送も登録地点に到着すること自体は問題ないですが、登録地点に着陸する・物を投下するといった場合には、周辺の状況を確認し、真下に人や物などの障害物はないかなど、安全性が重要となります。結果、遠隔でのモニタリング映像を人が確認し、判断を下しているというのが現状ではないでしょうか。
そこで当社は、ラスト100フィートを自律走行できる状況判断可能なAIを作ろうということになりました。大分県がドローンの活用を推進していることも理由の1つです。
NTTPC
ドローンで配送をするときの受け渡しに課題を感じられたとか。
後藤
先ほどの話と前後し、申し訳ありませんが、ある時、ドローンでの課題についてオフィスでメンバーと雑談してるとき、「ドローンで配送はできても、受け渡しは難しいんじゃないの?」という話になったのです。そこで調べたところ、ドローン配送の実証実験では、「どこどこからスタートした」「何キロ飛んだ」という結果は公表していても、受け渡しのことに触れているものはありませんでした。
また、ドローン配送が進んでいるアメリカでは広い土地があるので、受け渡しというよりも、配送物をただ落としているだけなんですよ。そこで、受け渡しの部分に目を向けてみてはどうかと考えたのです。
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