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【Vol.16】DXで建設業界の未来を照らす。つながりあうことで広がる「共創」こそ成長の鍵。

2022.07.13

株式会社ネクステラス

このインタビューの要点

・ARを活用、建設現場に3D設計モデルを照らすことで、作業の見える化を実現する『TerraceAR』を提供
・ICTやAIを用いて、少子高齢化や3Kのイメージを刷新など、建設業界全体を変えていきたい。
・国内はもとより、建設技術の発展が予想される東南アジアやアフリカの建設企業との『共創』を目指す

北海道の建設ICTスタートアップ企業『NexTerrace(ネクステラス)』が3次元データを活用、立体的な完成予想図を確認できる建設現場向けAR(拡張現実)アプリやAI(人工知能)カメラによる安全性向上につながるジェスチャーコミュニケーションシステムを開発し注目を集めています。
「デジタル技術を使って建設業界をもっと楽しく」と話す株式会社 ネクステラス代表取締役の木下大也さん。建設現場で話題の「BIM/CIM(ビム/シム)」とは?次世代の建設業界をDXの力で明るく照らす、ネクステラスの挑戦について木下さんにお話を伺いました。

次世代の建設を担う新技術。
“見えないもの”を見える化したことで“見えてきた”建設業界の可能性

NTTPC
ネクステラスが取り組む3次元データの活用について教えてください。

木下
主に僕らは図面や施工に関連するデータなどから、3次元モデルを作成するサービスを行っています。さらに、せっかく作成した3次元モデルを有効活用するために、ARとして構造物を可視化できるように“照らし出す”アプリ『TerraceAR』を開発しました。
iPhoneやiPadを現場にかざすと画面に3次元モデルが現れ、構造物がどのように設置されるかや配管の位置、地中の埋設物などを確認することができます。

建設現場は規模が大きく様々な業者が関わるため、施工において意思疎通や作業手順が複雑化していることが課題でした。その課題を「見える化」することで解決したいと考えています。3次元データの活用は、国が2023年度に小規模を除く全ての公共工事に適用するBIM/CIM原則化においても重要なポイントです。

BIM/CIMとはわかりやすく言えば、設計段階から3次元モデルを導入して施工や維持管理など関係者間の情報共有を容易にして効率化、さらには高度化を図ること。イメージしづらいですよね。だからこそ百聞は一見にしかず。現場で『TerraceAR』を体験すると、皆さん「おお!」とまずは驚き、「すごくわかりやすい」「なるほど。ここがこうなるのか」と3次元モデル活用の有用性に目を輝かせてくれます。少しずつですがこの体験を広げていきたいと考えています。

NTTPC
具体的にはどのような現場で活用されましたか。

木下
渋谷駅の再開発において、施工を手がける東急建設様との事例がわかりやすいかもしれません。複雑に入り組んだ現場ではどこに何ができるのか、完成後の景観はどのようになるのかが把握しづらい。作業手順の確認や埋めた後の情報などをARで共有すれば、作業者間の連携が進み仕事の効率化につながります。完成後の維持管理にも応用できます。

AR技術は様々な現場で使われていますが、建設業に特化したARはまだ少ない。アプリでは建設業特有の地中や水中など本来見えない位置に隠れている3次元モデルについては、現実の映像の中に枠を設け、その枠内にARが照らし出されるような仕組みをとっています。現実空間をのぞき込むようにARを体感することで「この地面の下に管が通って…」など、立体感を損なわない見せ方、見ていて楽しくなるゲーム感を生み出している点などが、我々のシステムの特徴だと思います。

 

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