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【Vol.15】脳科学とAIがつながると何が起こる?脳科学研究者がビジネスの世界で社会課題へ挑む

2022.07.13

株式会社ARAYA

このインタビューの要点

・内閣府が進めるムーンショット型研究開発制度において、アラヤの「ブレイン・マシン・インターフェースの事業化」が採択
・画像から脳波を予測し、そこから分析・提供できるソリューションの開発に向けて、事業化への挑戦を進める
・画像認識にAIの技術とニューロテックを組み合わせることで、多くの業界で技術活用を広げ、イノベーションを起こしたい。

内閣府が推し進める「ムーンショット型研究開発制度」をご存知だろうか。超高齢化社会や地球温暖化問題などの社会課題に対し、野心的な目標に対し国が後押しして研究開発を推進する制度だ。
脳構造の研究からスタートした株式会社アラヤの金井良太氏は、「身体的能力と知覚能力の拡張による身体の制約からの解放」というプロジェクトにおいて、中心的な存在のひとりだ。「AI×脳神経科学の未来」について話を伺いました。

脳科学者から起業家へ。研究を事業化することへの大きな壁

NTTPC
アラヤは「脳・神経科学×AI」が事業の大きな柱ですね。この事業に取り組むきっかけについて教えてください。

金井
私は元々脳の研究者でした。脳から心や「意識」がどのように生まれるのか、脳のデータと機械学習を掛け合わせ、「認知症になりそうか」「どの薬だと効果が出るか」などを予測し、事業化したい。事業を通じて、研究そのものも進めたいという野心が大きかったんです。そこで2013年にアラヤを設立しました。

研究で、脳のMRIの画像をたくさん集めて機械学習をかけると、それまで見えなかったものが現れてくることが分かりました。しかし、研究者ではなく、企業として取り掛かろうとすると、AIの領域で事業化するには膨大なデータが必要です。データ量が少ない脳科学は、信頼性が著しく低くなりますから。
MRIの画像をたくさん集めるのは、費用がかかりすぎるためベンチャーでは現実的ではありませんでした。
この本質的な問題を乗り越えるために、患者さんがお金を払って画像を撮る日本の脳ドックに注目しました。

5~6年経営して会社の規模が大きくなり、体制が整ってきたので、ちょうど今から1年程前に起業当初からやりたかったニューロテックの事業化に取り組もうと決めました。

一番大きなプロジェクトは、内閣府の「ムーンショット型研究開発制度(※1)」です。「ブレイン・マシン・インターフェース(※2)の事業化」を提案し採択されたので、「脳の技術を活かす」という研究者時代からの最初の志に戻ることになりました。

※1内閣府「ムーンショット型研究開発制度」概要
※2ブレイン・マシン・インターフェースとは、脳波などを読み取り、その命令でコンピューターを動かしたり、それとは逆に、コンピューターから脳に直接刺激を送ることで、人に視覚や味覚等を与える技術や機器の総称。

※これより先は外部のウェブサイトに移動します

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